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盗聴捜査とDVD・RAMに関する質問主意書

衆議院 第146回 第19号

提出者
衆議院
提出日
1999年12月15日
内閣転送 1999年12月15日
答弁書受領日
2000年1月18日
提出から34日
答弁の項目数
8
質問 1,296字/答弁 1,957字

質問本文

盗聴捜査とDVD・RAMに関する質問主意書

警察庁は、次年度の盗聴捜査関連予算として、「組織犯罪捜査用記録装置」を四億六千二百万円で購入するとしている。その内訳は、一セット七百万円相当のDVD・RAMを使用した記録装置六〇セットあまりの購入に充てられるという。

DVD・RAMは、現行のリムーバブル記憶媒体のなかでも最大の容量(片面2・6ギガバイト)を持つものである。

この記録媒体一枚は、1・4メガバイトのフロッピーディスク2千枚弱に該当する。大容量の画像、百科事典など大量のデータを収録するためにもっとも普及しているCD ― ROMと比べてもその4倍以上もの容量を持つと聞いている。

このように、大容量の「記録装置」を使用することを、政府は、「適切な媒体を用いる」(刑事局長答弁)とだけ説明し、国会答弁の中で、一言も言及してこなかった。むしろ、衆参両法務委員会配布資料では、長時間記録可能なビデオデッキを録音に供すると説明していた。

そこでDVD・RAM機器導入について以下、質問する。

一 DVD・RAMの導入について

1 政府は、DVD・RAMの導入をいつ決定したのか、国会審議において、DVD・RAM導入の予定を説明しなかったのはなぜか。

2 DVD・RAM機器は、現在市場価格では一〇万円以下である。しかし、警察庁予算の計上額では、一セット七〇〇万円とされている。

この市場価格との落差はなぜか。捜査用に特別の機器の開発を行うためならば設計と仕様を公開すべきではないか。

二 DVD・RAMの性能について

1 導入予定のDVD・RAM機器及び、接続コンピューター等、導入予定機器「一セット」の「記憶容量」「編集機能」「検索機能」等具体的能力を明らかにされたい。

2 将来において、記録、駆動装置そのものが、規格改訂・変更されることもあり得る。

「盗聴法」対象の死刑相当犯罪の公訴時効は一五年であり、少なくともオーディオカセットテープ等今後一五年間安定して利用できる機材を使用すべきではないか。

3 「盗聴法」において想定される「盗聴捜査」は最小化すべきであり、導入予定のDVD・RAM機器は、記憶容量が大きすぎないか。将来の捜査対象拡大に備えて、高性能機器導入を予定するのではないか。

三 DVD・RAMの配備と取扱いについて

1 警察、検察及び裁判所において、共通の規格性能の機材を配備するのか。また警察以外の関連機関が導入を予定するDVD・RAM機器のセット数と仕様を述べられたい。

2 一セット七〇〇万円という金額の機材は、市販製品よりも高度な機能が備わっているとみなさざるを得ない。DVD・RAMの記録は、加工、編集が容易であり、かつその痕跡を   とどめないという特性を持つ。従って記録の改竄が行なわれた時、発見が困難であり、チェックがむずかしい。記録の改竄をどのように防止するのか。

3 DVD・RAM導入は、「盗聴法」立法過程で論議された盗聴捜査の最小化措置と逆行するのではないか。また厳格な利用条件、能力の限定を含めて規定する必要があるのではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成十一年法律第百三十七号。以下「通信傍受法」という。)に基づき傍受をした通信の記録等を行うための装置(以下「記録装置」という。)の仕様は、記録媒体の種類に係るものを含め、現在作成中であり、今後、政府調達に係る所要の手続を経て決定することとなる。したがって、記録装置に用いる記録媒体をDVD ― RAMと決定したわけではない。

なお、平成十一年七月九日の衆議院法務委員会においては、傍受記録の作成に用いる記録媒体として、DVD ― RAMを含む光ディスクも想定している旨説明している。

一の2について

記録装置については、電気通信設備への接続、傍受をした通信(ファクシミリ装置を用いたものを含む。)の記録、その内容の復元等に係る機能とともに、捜査員の作業状況を立会人に表示するなど通信傍受法の適正な運用を確保するための機能を備えるものとすることを想定しており、これらの機能を備えた機器が市販されていないことから、所要の調査の結果を踏まえ、その一式の価格を約七百万円と積算したものである。

また、記録装置の調達手続において一般競争に付すに当たり、その仕様書は公開される。

二の1について

記録装置の具体的な能力については、現時点では未定であるが、お尋ねの点を含め、仕様書において明らかになる。

二の2について

記録装置の仕様の作成に当たっては、相当の期間安定して使用できるという点のみならず、高音質で記録できること、通信傍受法第二十二条第二項から第四項までの規定による通信の記録の消去を的確に行うことができること等の点も含め、総合的に検討する必要があると考えている。

二の3について

記録装置に用いる記録媒体をDVD ― RAMと決定したわけではないが、仮にこれを使用することとしても、その性能からいって、傍受をした通信を記録する上で容量が大き過ぎるとは考えていない。

いずれにしても、記録装置については、通信傍受法が定める厳格な要件と手続に基づき通信の傍受を適正に行う上で必要な能力を有するものとすることを考えており、それを超えた不必要な能力を有するものとすることは考えていない。

三の1について

警察及び検察においては、共通の規格及び性能の記録装置を配備する予定である。また、裁判所が配備を予定する機器も、通信傍受法第二十五条の規定による傍受の原記録の聴取及び閲覧等の事務の遂行等に必要な範囲で、警察及び検察が配備を予定する機器と規格及び性能を共通のものとする予定と承知している。

検察においては、記録装置を一部の地方検察庁に、傍受記録の聴取及び閲覧等を行うための機器を各地方検察庁に、それぞれ配備する予定であるが、その配備及び仕様の詳細については、機器の開発状況、捜査の必要性等を考慮して決定していくこととしている。

また、海上保安庁においては、警察及び検察と共通の規格及び性能の記録装置を配備する予定であるが、その配備及び仕様の詳細については、検察と同様に、機器の開発状況、捜査の必要性等を考慮して決定していくこととしている。

なお、裁判所においても、傍受の原記録の聴取及び閲覧等を行うための機器を各地方裁判所に配備する予定と承知している。

三の2について

通信傍受法においては、傍受の実施をするときは、立会人を常時立ち会わせなければならないこと、傍受をした通信については、すべて録音等により記録しなければならず、その記録媒体は、立会人による封印を受けた後、裁判官に提出しなければならないこと等が規定されている。さらに、国家公安委員会規則において、傍受記録等の厳重な保管について規定する予定であることに加え、記録装置の仕様に、傍受をした通信のすべてを記録すること、捜査員の作業状況を立会人に表示すること、記録媒体の記録の消去等を行った事実の履歴が当該記録媒体に記録されること等を盛り込むこと等を考えており、これらの措置により、記録の改ざんは防止できると考える。

三の3について

記録装置については、通信傍受法第十三条第一項の規定による該当性判断のための通信の傍受を必要最小限度の範囲に限り行うことを担保するため、あらかじめ設定した時間が経過すると当該通信の傍受が自動的に中断するなど、いわゆる最小化の要請に沿った仕様のものとすることを考えている。

また、通信の傍受は、通信傍受法が定める厳格な要件と手続に基づいてのみ行うことができることは当然であるが、さらに、国家公安委員会規則において、記録装置を使用した通信の傍受を適正に実施するための方法の詳細について規定すること等を予定しており、記録装置の能力についても、仕様書において詳細に定めることとしている。

衆議院の原文

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