Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第147回

学校におけるPCB使用器具の管理および処理対策に関する質問主意書

衆議院 第147回 第18号

提出者
衆議院
提出日
2000年4月11日
内閣転送 2000年4月12日
答弁書受領日
2000年5月23日
提出から42日
答弁の項目数
6
質問 1,666字/答弁 1,952字

質問本文

一九七二年の「カネミ油症事件」を契機に、電気絶縁油等に広く使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニール)の毒性が大きな問題となり、七四年には製造・輸入が禁止されました。しかし、すでに流通していたPCB使用器具は、廃棄されるまでは規制の対象とされず、また廃棄についても処理方法が確立されるまで、市町村や事業者による保管が義務づけられました。このため、PCBの製造が中止された後も、学校で蛍光灯などPCB使用の電気器具が使用されるとともに、取りはずされた後も学校内で管理保管されることとなりました。

このように毒性は明らかになりながら、子どもたちが生活する学校に長年にわたってPCB使用の電気器具が使用、保管されてきたのです。そのもとで、一九九七年三月、鳥取県の私立学校において、蛍光灯内の老朽化したコンデンサが加熱・破損し、PCBがこぼれおち、拭き取った生徒が急激に体調を崩し入院する事故が発生しました。この事故を受け、日本照明器具工業会は、同年七月、都道府県市町村施設・営繕担当部課長あてに、事故の概要を伝え、照明器具の点検とPCB使用器具の早期交換をお願いする文書を送付しています。そのなかでは、電気絶縁物は「通常十年前後から劣化が進行し、十五年を超える長期使用では安定器・コンデンサの故障を生じ、発煙、容器破損等の事故が発生することもあります」とし、生産中止から二十五年を経ている今日、すべてのPCB使用照明器具について破損の危険性があることを指摘しました。にもかかわらず、さらに九八年、九九年に、青森県の二つの県立高等学校において、鳥取県と同様の事故が発生しました。

こうした事態を重く見て、福島県立高等学校教職員組合が今年二月に緊急調査を実施したところ、九十校余りの県立学校の半数近くで、使用中の照明器具にPCB使用器具が含まれている、またはその疑いがあることが判明しました。また、すでに回収している学校でも、管理についてのひきつぎ業務が行われない等の不備や、いつまで保管することになるのかという不安が大きいことも示されています。

製造中止措置をとるようなきわめて有害性の高いPCB使用器具の管理を事実上、学校まかせにし、行政として使用、管理状況に責任を負わないことは重大です。まして、明らかに耐用年数を過ぎているPCB使用器具については、一刻の猶予もなく安全対策がとられなければなりません。

発癌性物質として社会問題となったアスベストの撤去回収等については、一九八八年度に必要な予算措置がとられ、予算運用の改善措置もとられた前例があります。PCBについては、技術的にもより専門性が求められており、政府の責任による対策が早急に求められます。

以上の趣旨により、次の事項について質問するものです。

一 PCB製造中止以前に建設、設置され、その後改修等が行われていない施設・設備の存在する学校を対象に、緊急にPCB使用器具の存在を調査すべきと考えるがいかがか。

二 一において、PCB使用器具の存在が明らかになった場合は、ただちに回収、交換することとし、そのために必要な予算措置を含めた対策を講じることが必要と考えるがいかがか。

三 廃棄物となるPCB使用器具について、子どもたちの安全性を確保する観点から、学校内での保管を見直し、メーカー等関係業者による保管を原則とすべきと考えるがいかがか。

四 前述の措置がとられるまでの緊急策として、PCB使用器具の保管をしている学校に対し、専門家による管理指導等を行うことが必要と考えるがいかがか。

五 廃棄物となるPCB使用器具の処理については、地方自治体および学校の負担がともなわないようにし、メーカーの責任と負担で早急に無害処理するように、技術的財政的支援策を講ずるべきと考えるがいかがか。

六 一の調査結果については公表し、学校、住民の注意を喚起するとともに、当該各教育委員会の責任ある安全対策を公表して、学校と住民の不安の解消に努める必要があると考えるがいかがか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五条において、学校の設置者がその設置する学校を管理することとされており、御指摘のポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」という。)が使用された器具(以下「PCB使用器具」という。)の学校の施設及び設備における使用及び保管の状況に関する調査は、当該学校の施設及び設備の管理に係るものであることから、当該学校の設置者が行うべきものと考える。

国立学校においては、既に、PCB使用器具のうち、蛍光灯についてその使用の有無の確認を終えているところであり、一部の公私立学校の設置者においても、PCB使用器具の使用の有無についての確認を終えていると聞いている。

二について

PCB使用器具の存在が確認された学校におけるPCB使用器具の回収及び交換については、学校の設置者自らの判断で適切に行われるべきものと考える。

文部省においては、御指摘の事故発生以前から、国立学校におけるPCB使用器具の点検、早期交換及びその適切な保管を進めているところであり、都道府県教育委員会等に対しても、各種の会議等で、学校におけるPCB使用器具の点検、早期交換及びその適切な保管について、助言してきたところである。

今後とも、類似の事故が生じないよう、引き続き、都道府県教育委員会等に対し、必要な助言を行ってまいりたい。

三について

学校において廃棄物となったPCB使用器具は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号)第二条の四により、特別管理産業廃棄物とされ、学校の設置者は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)第十二条の二第二項により、当該特別管理産業廃棄物が運搬されるまでの間、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号。以下「規則」という。)第八条の十三に規定する特別管理産業廃棄物保管基準(以下「保管基準」という。)に従い、当該特別管理産業廃棄物を保管することが義務付けられているところである。御指摘の製造業者等関係業者による保管を原則とすることについては、事業活動に伴って生じた廃棄物の保管を含めた処理について当該廃棄物を排出する事業者の責任において行うべきものであるとする法の基本的考え方に変更を加えることを意味するものであり、このような法改正は慎重な検討を要するものと考える。

今後とも、製造業者等の協力を得て、PCB使用器具の処理方法の確立に努めるとともに、学校において廃棄物となったPCB使用器具については、学校の設置者が保管基準に従い適切に保管するよう、必要な助言を行ってまいりたい。

四について

廃棄物となったPCB使用器具等の特別管理産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者は、法第十二条の二第四項により、当該事業場ごとに当該特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を適切に行わせるため特別管理産業廃棄物管理責任者を置くこととされている。また、当該特別管理産業廃棄物管理責任者は、同条第五項により、規則第八条の十七に規定する資格を有する者とされている。

学校における廃棄物となったPCB使用器具の保管については、これらの法令に基づき、当該保管につき十分な知識を有する特別管理産業廃棄物管理責任者により適切に行われているものと考えており、新たに御指摘のような専門家による管理指導等を当該学校に対して行う必要はないものと考える。

五について

PCBが含まれた廃棄物(以下「PCB廃棄物」という。)の処理は、PCB廃棄物を排出した個々の事業者の責任で行うべきものであり、製造業者の責任と負担により、処理することは適当ではないと考える。

なお、政府としては、平成十二年度予算において、中小事業者が保管しているPCB廃棄物の処理を促進するため、安全かつ適切にPCB廃棄物の処理を行うことのできる優良事業者を選定し、当該優良事業者のPCB廃棄物の処理施設に対する財政上の支援等を行うこととしているところであり、今後とも、PCB廃棄物の無害化処理の実現に向けて努力してまいりたい。

六について

一についてで述べたように、学校の施設及び設備におけるPCB使用器具の有無の調査については、学校の設置者の判断にゆだねられており、また、学校の設置者が行う当該調査の結果及び対応方法の公表等についても、当該学校の設置者により地域の実状等に応じて適切に判断されるものと考える。

国立学校については、PCB使用器具の使用及び保管に関する調査の結果について、今後、各国立学校に通知するとともに、当該調査の結果を踏まえ、当該学校におけるPCB使用器具の適切な使用及び保管に努めてまいりたい。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2008年6月10日 長浜博行 答弁 2008年6月20日
参議院 第169回 第150号
提出 2011年9月29日 秋野 公造 答弁 2011年10月7日
参議院 第178回 第28号
提出 2002年7月29日 山本 孝史 答弁 2002年10月29日
参議院 第154回 第46号
提出 1979年5月24日 安恒 良一 答弁 1979年6月15日
参議院 第87回 第21号お答えすることは困難 ×2
提出 2024年6月14日 屋良 朝博(立憲民主党・無所属) 答弁 2024年6月25日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる