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基礎年金の国庫負担率引上げに関する質問主意書

衆議院 第147回 第30号お答えすることは困難 ×1

提出者
衆議院
提出日
2000年5月18日
内閣転送 2000年5月22日
答弁書受領日
2000年5月30日
提出から12日
答弁の項目数
7
質問 1,069字/答弁 1,783字

質問本文

丹羽厚生大臣は五月十四日、「基礎年金の国庫負担率を、来年から二分の一に引き上げる」との考えを明らかにした。その真意を明確にするため、以下質問する。

なお、事案の重要性に鑑み、国会法第七十五条の規定に従い七日以内に答弁するよう求める。

一 参議院国民福祉委員会で厚相は、「国民年金は空洞化している」と発言されている。「空洞化」していることを認めるのか。また、いかなる状況をもって「空洞化」していると判断しているのか。その根拠となる数字とともに明らかにされたい。

二 国庫負担率の二分の一への引上げによって、国民年金の未加入率、未納率等は、どの程度解消することができると考えているのか。

三 「来年から引き上げる」との考えは、いつ、いかなる判断によってなしたのか。また、なぜ国会審議のなかで、来年から引き上げるとの考えを表明しなかったのか。

四 引き上げに必要な財源はどのように確保するのか。

五 扶養控除の在り方を見直して財源を確保するとのことだが、どのように見直して、どの程度の規模の財源を確保できると、厚相は考えたのか。

また、児童手当法の改正案が審議されているが、扶養控除制度の見直しで捻出される財源を、子育て支援ではなく、基礎年金の給付財源に充てるのはなぜか。

六 景気回復による税収入の増加を、厚相はどの程度の規模となると考えているのか。

また、財政再建が重要課題となるなかで、税収の増加分を財政再建ではなく、基礎年金の国庫負担率引上げ財源に回すとの考えは、内閣の総意か。

七 年金積立金から「前借り」して財源を確保することも考えているようだが、そのとおりか。その場合、将来誰が、どのような手立てで「返す」のか。

また、「前借り」が年金積立金の取り崩しにつながらないか。あるいは、丹羽厚相は年金積立金の取り崩しを容認する考えを持っているのか。

八 基礎年金給付額の上乗せも検討課題と発言されているが、基礎年金の国庫負担率の引上げとともに、給付額の改善を行う考えがあるのか。

九 丹羽厚相の発言内容に対する内閣総理大臣ならびに大蔵大臣の認識を伺う。

十 財源に関するこれらの議論を内閣として十分になしたうえでの、厚相の発言か。議論がないままに発言をしたとすれば、単なる「思い付き」なのか。あるいは、選挙を前にしてのリップサービスか。

財源を明確にしないままの引上げ発言は、極めて無責任な発言ではないか。釈明を求める。

十一 年金審議会での本案件に関する議論を、今後どのような日程で行うのか。いつまでに結論を得る考えか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

我が国に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者は、国民年金制度に強制加入することとされている。平成十年度末現在で国民年金の被保険者は約七千五十万人いるが、平成十年の公的年金加入状況等調査によれば、未加入者(国民年金制度への加入手続をとっていない者をいう。以下同じ。)は約九十九万人おり、また、平成八年の国民年金被保険者実態調査によれば、保険料未納者(過去二年間に保険料を納付しなかった者をいう。以下同じ。)は約百七十二万人いるものと見込んでいる。

厚生大臣は、このような状況に関して、先に成立した国民年金法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第十八号。以下「改正法」という。)の国会審議等において再三「国民年金は空洞化している」との指摘があったことを踏まえ、本年五月十六日の参議院国民福祉委員会において、いわゆる空洞化が大きな問題として指摘されていることについて発言したものである。

二について

基礎年金の国庫負担割合を現行の三分の一から二分の一に引き上げた場合に、未加入者及び保険料未納者の数が具体的にどの程度減少するかを、現時点で見込むことは困難である。

三及び十について

厚生大臣は、改正法の国会審議において、基礎年金の国庫負担割合の引上げの時期について、できるだけ早く実施したい旨繰り返し発言してきたところである。

本年五月十四日の厚生大臣の発言は、改正法が成立したことを受けて、改正法附則第二条において「基礎年金については、(中略)平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする」と規定されていることを踏まえ、公的年金に対する若年世代の不安を解消し、未加入者及び保険料未納者を減らすために、できるだけ早く国庫負担割合を引き上げる方向で検討に入りたいという考えから、行ったものである。

四から七までについて

厚生大臣は、できるだけ早く基礎年金の国庫負担割合を引き上げる方向で検討に入りたいという考えから、基礎年金の国庫負担割合の引上げのために必要な財源について幅広く例示する観点から、各種の扶養控除の在り方の見直しを含めた税制改革、行財政改革による財源の捻出、景気回復による自然増収及び年金積立金による一時立替えについて言及し、今後、その財源としての安定性、適合性及び実現可能性も含めて様々な観点から検討する必要があるという趣旨の発言をしたものである。

基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げは、巨額の財源(来年度において約二・四兆円)を要するだけでなく、高齢化の進展に伴って急速に拡大していく恒常的な歳出増を伴うものであるため、その財源は、これにふさわしい安定したものであることが必要である。

したがって、国庫負担割合の引上げについては、改正法附則第二条を踏まえ、厳しい財政事情を勘案しながら、今後安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討する必要があると考えている。

八について

基礎年金額については、改正法附則第二条において「基礎年金については、給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討」することと規定されていることを踏まえ、給付と負担の均衡に配慮しつつ、今後の財政再計算時に向けて検討していくべき課題と考えている。

九について

基礎年金の国庫負担割合の引上げについては、今後安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討する必要があり、その場合には、財源の在り方を含めた国民の幅広い御議論が必要となると考えている。

基礎年金の国庫負担割合の引上げは、巨額の財源を要するだけではなく、高齢化の進展に伴って急速に拡大していく恒常的な歳出増を伴うものである。このため、厳しい財政事情にかんがみ、その早急な実施に困難が伴うことは認識しているが、国庫負担割合の引上げには安定した財源確保が必要であることから、今後、改正法附則第二条を踏まえ、国庫負担割合の引上げと安定した財源確保のための具体的な方法とを一体として検討する必要があると考えている。

十一について

基礎年金の国庫負担割合の引上げについては、これに必要となる安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討していく必要があると考えているが、年金審議会における日程等の取扱いは、現時点においては、未定である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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