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廃棄物処理法の弾力的運用に関する質問主意書
衆議院 第151回 第107号
質問本文
阿部知子 原 陽子
廃棄物処理法の弾力的運用に関する質問主意書
環境省が全国の里山保全状況を調査した結果が明らかになった。里山が抱えている問題の一割弱は、ゴミの不法投棄であるという。また、六月十八日の朝日新聞によれば、業界団体の価格動向調査で、産業廃棄物最終処分場が減少したため、埋立て料金がこの三年で近畿で約二倍、関東で約五倍、増加しているという。さらには、開発の抑制された市街化調整区域と市街化区域との地価の格差を背景に、市街化調整区域における遊休地を不用意に業者に貸す地主は後を断たないと言われる。
以上のような背景もあり、神奈川県相模原市では、廃棄物の収集運搬業者などが、農地法や都市計画法に違反して農用地や市街化調整区域で、廃棄物の焼却や保管などを行う事例が多数あり、平成十二年度までに農地法違反三百三十八件、農業振興地域の整備に関する法律違反百二件、都市計画法違反四百三十五件が報告されている。
このような事態は都市近郊で共通する全国的な現象ではないかと推測するが、「農地法などの地方公共団体における運用に関する質問主意書」(衆一五一第六一号)による答弁では、国ではそのような調査を行っていないという。
しかし、神奈川県知事や相模原市長に対する質問状への回答で明らかになったように、市が県に報告をしても、権限を行使すべき県がこれらの法に基づく権限を行使しないまま時効になったり、中止命令や原状回復命令に時間をかけ、刑事告発などの厳正な対応が迅速にできなかったりする事例が多数ある。またこれらの法令違反に対する罰則が緩すぎるという指摘もある。
すべての状況を考え合わせれば、今後も都市近郊における市街化調整区域や農用地で不法投棄や不法焼却などが行われる潜在性はますます高い。
にもかかわらず、現在は、廃棄物処理法に基づいて許可を受けている廃棄物収集運送業者や処分業者が、農地法や都市計画法や農振法に違反して廃棄物処理をおこなっても、直接の廃棄物処理法違反でないとして、廃棄物処理法に基づく業者の許可取消しなどの法的措置が取れない。
しかし、廃棄物を適正に処理する法の主旨から言えば、このような場合、廃棄物処理法に基づく業者の許可の取消しを行える方が、業者にとって抑止効果があるのは言うまでもない。
よって、以下質問する。
一 廃棄物処理に関連した農地法や都市計画法など他法令違反を犯した業者に対して、廃棄物処理法に基づく収集運搬、処理業の許可の取消しが可能となるよう、廃棄物処理法の弾力的な運用について、環境省、農水省、国土交通省の間で検討を行うべきではないか。
二 農地法や都市計画法に基づいて持っている権限を市町村に下ろす検討が必要ではないか。
三 相模原市で起きているような不法状態を未然に防ぐためには、地主に対する啓蒙活動が重要である。例えば、講習会の開催やパンフレットの発行により積極的な啓蒙活動を行うよう、国は、地方公共団体に指導し、そのための予算も確保すべきではないか。
四 都道府県警察が迅速な対応を取ることができるように、講習会開催やパンフレット発行を行うよう、国からの指導や助言が必要ではないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第七条第一項若しくは第四項、第十四条第一項若しくは第四項又は第十四条の四第一項若しくは第四項の規定に基づき廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行う許可を受けた者(以下「廃棄物処理業者」という。)が、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)その他の法令に違反したことにより、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者に該当するに至った場合には、市町村長又は都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)は、廃棄物処理法第七条の三第三号又は第十四条の三第三号(第十四条の六において準用する場合を含む。)の規定に基づき、その許可を取り消すことができる。
また、廃棄物処理業者が、その業務に関し繰り返し罰金以下の刑に処せられた場合等、当該廃棄物処理業者がその業務を的確に遂行することを期待し得ないと認められるときは、市町村長又は都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)は、当該廃棄物処理業者が廃棄物処理法第七条第三項第四号ホに定める「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当することを理由として、その許可を取り消すことができる場合があると解される。
二について
農地法及び都市計画法(昭和四十三年法律第百号)に定める事務について、廃棄物の不法投棄に関連して問題となり得るものとしては、農地法では農地転用許可事務が、都市計画法では開発許可事務が該当するものと考えられるが、農地法においては、第四条又は第五条に基づく許可(転用しようとする面積が四ヘクタールを超える場合を除く。)及び第八十三条の二に基づく無断転用に対する処分は、都道府県知事の権限としているところであり、また、都市計画法においては、第二十九条又は第四十三条に基づく許可及び第八十一条に基づく監督処分等は、都道府県知事(指定都市、中核市又は特例市にあっては、当該指定都市等の長)の権限としているところである。
一方、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)においては、第二百五十二条の十七の二で、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、都道府県の条例の定めるところにより、市町村が処理することができる旨を規定している。したがって、都道府県が条例により、前述の農地法や都市計画法に基づく都道府県知事の権限に属する事務を市町村に委譲することは可能である。
なお、相模原市にあっては、地方自治法の規定に基づく神奈川県の条例(平成十一年神奈川県条例第四十一号)により、都市計画法の開発許可制度に係る事務について神奈川県から権限を委譲されている。
三及び四について
農林水産省においては、地主等を対象に優良農地確保の意識啓発を図るためのシンポジウムの開催、パンフレットの配布等を行う市町村に対して、財政的支援を行っている。また、農林水産省及び国土交通省においては、地方公共団体の事務担当者を対象とした、農地法の農地転用許可事務及び都市計画法の開発許可事務に関する講習会の開催を通じて、廃棄物の不法投棄を含めた農地法等の違反事案への迅速な対応について助言している。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。