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神戸空港開港に伴う大阪湾上空空域の安全性等に関する質問主意書
衆議院 第152回 第12号承知していない ×1
質問本文
神戸空港は、まもなく着工二年を迎えようとしており、二〇〇五年度に開港が予定されている。同空港については、震災で疲弊した神戸市の経済復興の起爆剤として、大きな期待が寄せられているものの、周辺は大阪湾を囲んで六甲や生駒葛城、紀伊の各山岳地帯に三方を囲まれ、飛行場への経路としては、極めて地理的な制約が大きく、大阪湾上空空域の安全性に関し、各方面からの懸念が寄せられている。また、空港は二一世紀において、人と物の国際間移動の中心的な役割を担う基幹施設であるが、近隣アジア諸国が大規模拠点空港を次々と建設しているなかで、日本の空港が国際航空ネットワークのハブとしての地位を失い、世界のローカル空港となってしまうとの危惧が持たれている。今後とも伸びゆく航空需要を背景に、関西国際空港が国際ハブ空港としての機能を発揮するためには、二期工事の円滑且つ着実な推進が不可欠であるが、神戸空港開港に伴う関西国際空港への影響の有無などについても、具体的且つ詳細な説明は未だ不十分である。
このような観点から、次の事項について質問を行う。
一 空路・航路について
1 神戸空港離発着に関して現在計画されている航路及び通過空域についての詳細を明らかにされたい。
2 旧運輸省が昨年三月に実施した関西ターミナル管制業務に係るシュミレーション評価(以下シュミレーション評価)によると、神戸空港新設による関西ターミナル空域内の航空機の輻輳が懸念されているが、このシュミレーション評価の前提条件を開示されたい。特に、空域内の航空交通量の前提条件と現実的な航空交通量との対比についても明らかにされたい。また近隣の徳島空港、松山空港、高松空港に与える影響なども考慮されているのかについても明らかにされたい。その上で、国土交通省としてこのシュミレーション評価の結果を今後の施策の中でどのように活用しようとされているのか明らかにされたい。
3 関西国際空港のターミナル管制所においては、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港のターミナル・レーダ管制業務を広域一元的に行うこととなるが、同管制は現在においても苦しい運用が行われているとの指摘もある。シュミレーション評価においても、航跡データの解析結果からは、特に各空港からの出発機の競合時に、各経路が最終的に一点に収束することにより高い負荷がかかることが示されたとの結論とともに、管制官の意見集約においても、ターミナル空域内において競合経路が多すぎる、他空港の到着・出発機の処理や経路の競合が多く負荷が大きいなどの声が寄せられた。このような懸念は、有識者及びマスコミ等からも多数寄せられているが、果たして関西国際空港での一元的な広域管制により安全性は完全に保たれるのかどうか。
4 関西国際空港到着便との垂直間隔維持との関係で、神戸空港離発着便については、一〇〇〇フィートという低高度制限を受けることが予想されている。こうした低高度の維持は、沖縄で唯一行われているが、既に危険性が指摘されている。この点について安全上問題がないものかどうかを理由も含めて明らかにされたい。
5 シュミレーション評価において、管制官からは、経路設定について空港ごとあるいは行き先に応じた経路の分離などの声も寄せられた。こうした問題点については、現時点において、すべて解決したのか否か。
6 第三種空港である神戸空港の建設段階において、管制上の問題点が明らかになった場合の管制当事者である国の責任の有無について明らかにされたい。
二 関西国際空港に与える影響について
1 近畿圏には、既に関西国際空港、大阪国際空港が存在しており、それぞれ空港へのアクセス面の改善などを通じて更なる発展が期待されている。その結果として、神戸周辺地域住民のニーズに対しても関西国際空港、大阪国際空港において充分に対応が可能となることも想定されるが、そのような状況において、新たに近接の神戸空港を建設することの必要性について明らかにされたい。また、神戸空港、二期工事完成後の関西国際空港、大阪国際空港の三空港に関する我が国航空行政における位置付けと役割分担について明らかにされたい。
2 神戸空港離発着機と関西国際空港離発着機との競合による影響が指摘されているが、管制上の安全間隔が確保されないとき、関空機に待機指示が出され、上空や地上で航空機を待たせる時間差運用などがなされるようなことはないのかどうか。その結果として、関空便あるいは伊丹便に対する影響は出ないのか。
3 関西国際空港二期工事完成後に、神戸空港、大阪国際空港と合わせて三空港の運営が本格化した際の大阪湾上空での交通量の増加や離発着機の輻輳による安全面への影響について明らかにされたい。
三 神戸空港の需要、利便性、その他について
1 神戸空港の需要予測によると、年間の利用旅客数は開港当初で三四〇万人、五年後には四二〇万人が見込まれているが、この前提としては平成七年度の数値を基礎として用いて、例えば経済成長率については二〇〇〇年まで三%、それ以降は年率二.五%としているなど現状との乖離もみられる。需要予測の詳細について明らかにされるとともに、需要予測においては関西圏全体の航空需要を関西国際空港・大阪国際空港・神戸空港で分担したものと聞いているが、その割合と根拠についても明らかにされたい。また、現時点において需要予測の変更の必要性はないものかどうかについての所見を問う。
2 神戸空港開港に伴う電波障害、騒音問題等について、どのような地域にどのような影響が予測されているのかどうか。また、この点についての対応についても明らかにされたい。
3 先の空域・管制上の問題により、神戸空港離発着機においては飛行時間に影響が出るものと見込まれている。例えば羽田−神戸空港間の飛行時間については、羽田−伊丹空港間に比べて十〜十九分程度伸びるとの報道もされているが、同区間について神戸空港開港当初どのようなルートと飛行時間を考えているのか。また、関西国際空港二期工事完成後についてはどうか。更に関西国際空港二期工事完成後の羽田−関西国際空港についてのルートと飛行時間についても明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
神戸空港に係る具体的な飛行経路については、今後、国土交通省において検討の上、設定する予定であり、現時点において成案を得るに至っていない。
一の2について
御指摘のシミュレーション評価の前提条件は、関西進入管制区内の航空交通の集中時における問題点を抽出するために、関西国際空港及び大阪国際空港の出発機並びに両空港の到着機の時間当たり最大の航空交通量を通常のダイヤよりも高く設定したものであり、両空港の出発機の合計及び到着機の合計を一時間当たりそれぞれ五十一機及び四十機としている。これに対し、シミュレーション評価時の直近(平成十二年二月一日から七目まで)の七日間の平均値における関西国際空港及び大阪国際空港の出発機が最も多い時間帯における両空港の出発機の合計並びに両空港の到着機が最も多い時間帯における両空港の到着機の合計は、一時間当たりそれぞれ二十九・七機及び二十六・四機である。また、当該シミュレーション評価においては、近隣の空港(八尾空港、高松空港、松山空港、岡山空港及び徳島飛行場)に係る出発機及び到着機も考慮に入れている。さらに、飛行経路については、関西国際空港及び大阪国際空港におけるものは、到着機の管制が難しくなる南風時に運用されるものを採用しており、神戸空港におけるものは、西側からの到着及び西側への出発とするものを仮のものとして設定している。
当該シミュレーション評価の結果については、関西進入管制区に係る今後の飛行経路の運用方法等の改善のために反映させることとしたい。
一の3及び5について
関西国際空港と大阪国際空港等のように空港が近接し、それぞれに係る飛行経路が一部競合している場合には、関西国際空港のターミナル管制所のように同一の管制所においてターミナル・レーダー管制業務を広域一元的に行うことが、空域の有効利用及び管制業務の効率的運用、更には航空交通の安全性の確保に資するものと考えている。
なお、御指摘のシミュレーション評価に参加した管制官の意見については、関西進入管制区に係る今後の飛行経路の運用方法等の改善に係る検討において、参考にすることとしたい。
一の4について
一の1についてで述べたとおり、神戸空港に係る具体的な飛行経路については、現時点において成案を得るに至っていないが、仮に将来、低高度で飛行するということになったとしても、地表、水面等からの必要な高度を確保する飛行経路を設定する等により、航空交通の安全性が確保されることになると考えている。
一の6について
神戸空港の離着陸に係る管制の方法については、航空交通の安全性が確保できるよう国の責任において検討することとしている。
二の1について
関西国際空港及び大阪国際空港の乗降客者数は、全国の空港全体のそれの約十五パーセントに達し、今後とも着実に両空港の背後圏における航空需要は増大するものと考えている。
このような状況の中で、関西国際空港は国際線及び国内線の基幹空港として、大阪国際空港は国内線の基幹空港として、神戸空港は神戸市及びその周辺の地域の国内航空需要に対応した空港として、それぞれ機能するものと考えている。
二の2について
一の1についてで述べたとおり、神戸空港に係る具体的な飛行経路については、現時点において成案を得るに至っていないが、仮に将来、関西国際空港と神戸空港に係る飛行経路が一部競合するようなことになったとしても、それぞれの空港の離発着機に悪い影響を生じないよう広域一元的にターミナル・レーダー管制業務を行うことになると考えている。なお、大阪国際空港の離発着機については、大阪国際空港及び神戸空港の位置関係から影響はないと考えている。
二の3について
関西国際空港、大阪国際空港及び神戸空港の三空港の運営が本格化した場合においても、関西国際空港のターミナル管制所においてターミナル・レーダー管制業務を広域一元的に行うことにより、航空交通の安全性が確保されるものと考えている。
三の1について
お尋ねの神戸空港の需要予測は、平成七年度に神戸市において実施されたものであり、その方法については将来の経済成長率の見込み、他交通機関との競合等を総合的に勘案して推計されたと聞いているが、御指摘の三空港における需要の分担の割合と根拠を含め、その詳細については承知していない。
また、平成七年度から平成十一年度までの国内航空旅客数の関西圏における年平均増加率は全国のそれ(四・一パーセント)を上回る四・三パーセントの大きな伸びを示していること等から、神戸市においては現時点で神戸空港の需要予測を見直す考えはないものと承知している。
三の2について
昭和五十九年八月二十八日閣議決定の「環境影響評価の実施について」に基づき、神戸市において、平成七年十月から平成八年五月までの間、飛行場設置に係る環境影響評価を実施し環境影響評価書を作成したが、この中で、航空機騒音の影響については、空港島を除く陸域では、専ら住居の用に供される地域に適用される航空機騒音に係る環境基準の上限値(七+WECPNL)を超える地域はないとされている。
また、電波障害については、環境影響評価の対象となっていないが、神戸市における検討の結果では、神戸空港離発着機による障害は発生しないとされており、万一、開港後に障害が確認されれば中継局の強化、共同受信アンテナの設置等適切な対応を講ずる予定であると聞いている。
三の3について
一の1についてで述べたとおり、神戸空港に係る具体的な飛行経路については、今後、国土交通省において検討の上、設定する予定であり、現時点において成案を得るに至っていない。
また、関西国際空港二期工事完成後の東京国際空港―関西国際空港間の飛行経路及び飛行時間については、現時点において、基本的には現状と同様のものになると想定している。
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