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JRグループなど鉄道事業者が設置するトイレに関する質問主意書
衆議院 第156回 第152号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1
質問本文
昨年十月、西日本旅客鉄道株式会社岡山支社管内のJR西大寺駅で、エレベーター設置やバリアフリー化工事にあわせて、約二メートルの壁を設け、これまでは改札の外からもトイレを使えていたものを、改札の内側からしか使えないようにした。利用者や地域住民からの声が相次ぎ混乱したため、「鉄道をご利用のお客様以外はご利用できません」という張り紙を一時掲示するなど、岡山市西大寺地区の観光スポットである駅前広場を訪れる観光客や、駅を待ち合わせに利用する人など駅利用者のトイレ利用を排除する姿勢さえ示した。
また、現在も、改札の外側の待合室で列車の到着を待つ人や、駅に到着後改札をくぐった人など鉄道利用者ですら、自由にトイレを利用することが出来ない状況が続いている。このため、JR西大寺駅を利用する近隣の養護学校や作業所に通う障害者が、改札を出たらトイレに行けないことが理解できず、パニックになったり失禁をしたりということも起こっており、障害者のためのトイレ改修であるはずなのに、結果として障害児・者の人権を侵害しているといわざるを得ない状況である。
現代において、鉄道の駅は単に鉄道利用者だけが利用するだけでなく、駅を基点とするバスやタクシーなどの他の公共交通機関の利用者が利用し、また待ち合わせ場所としての利用など、まちの中心として多様な駅利用者が集まる公共的機能を有する。鉄道事業者が鉄道利用者に対してトイレを提供することは当然として、駅利用者が駅のトイレを利用できるようにすることは、公共交通機関たる鉄道事業者として当然の責務である。
今後、西日本旅客鉄道株式会社をはじめJRグループが、駅の公共的機能を無視し、駅利用者を事実上駅利用から排除する姿勢をとり続けるならば、我が国の基幹的交通機関たる公共性が守れないだけでなく、地域のまちづくりの障害になりかねない。
従って、次の事項について質問する。
一 政府は、まちの中心として多くの地域住民が利用する駅の公共的機能をどのように認識しているか。また、駅のトイレのあり方をどのように考えるか。
二 1 鉄道事業者は鉄道利用者等や地方自治体の要望など必要に応じて駅にトイレを設置すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
2 鉄道事業者は改札の内側にいるか、外側にいるかにかかわらず鉄道利用者に対してトイレを提供するべきである。また、現に鉄道を利用したかどうかにかかわらず潜在的な鉄道利用者である駅利用者に対してもトイレを提供すべきと考えるが、政府の認識を明らかにされたい。
3 JR西大寺駅のように、改札の外に出れば、利用できない駅のトイレは数多く存在する。改札の外に出てしまった鉄道利用者、駅利用者が気軽にトイレが利用できる為の対策を講じるよう鉄道事業者を指導する考えはないか。
三 政府は、トイレなど駅のバリアフリー化を進めるため、鉄道事業者に対して補助を出して工事を促進しているが、トイレも含めて駅が公共的機能を有するためと理解してよいか。
四 バリアフリー法施行後、トイレを改札の外から利用できなくした駅はいくつあるか。また、そのうち、駅のバリアフリー化を促進するための国の補助事業や地方自治体の補助によって、行われたものはいくつあるか。鉄道事業者ごとに明らかにされたい。
五 1 トイレなど駅のバリアフリー化工事を行う場合、駅の利用状況、まちづくりの中での駅の位置づけ等に照して真にバリアフリー化の効果が上がり利用者にとって使いやすいものとなるよう、国や地方自治体、当該駅の利用者である自治会をはじめとする地元住民、近隣の学校、各種団体等と十分協議を行うべきと考えるが、政府の見解はいかがか。
2 当該工事が、国の補助事業等による場合には、このような協議は当然に行われ、地方自治体、地元住民等の意向を十分反映した事業にすべきと考えるが、政府の見解はいかがか。
3 JR西大寺駅の国の補助によるバリアフリー化工事は、住民と全く協議が行われておらず、多くの住民にとって不本意な状況となっている。住民と協議が行われないまま、混乱が生じている事態について、政府は、どう認識しているか。
六 1 トイレなど駅のバリアフリー化工事の終了後に地方自治体や地元住民等から改善の要望があった場合には、工事の一部やり直しも含め、すみやか且つ誠実な対応が求められると考えるが、政府の見解はいかがか。国の補助事業等による場合は、国・地方自治体も含めて、そのような対応が、一層強く求められると考えるが、政府の見解はいかがか。
2 JR西大寺駅では、バリアフリー化工事後、トイレを改札の外側から利用できなくするということについて、岡山市は市議会で改善の指導をする旨答弁し、実際に、岡山市西大寺支所が口頭で申し入れている。また、地元住民からの反発も強く、口頭での抗議だけでなく、西日本旅客鉄道株式会社に対する要請署名なども取り組まれ、短時間に千筆近い署名が集まっている。JR西大寺駅前広場が地域の観光スポットで、観光客が駅前広場唯一のトイレであったJR西大寺駅のトイレが利用できないことの混乱も広がっている。政府は、岡山市や地元住民等の意向をふまえ、西日本旅客鉄道株式会社に対して改善の指導を行う考えはないか。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
駅は、不特定多数の旅客の乗降等のために使用される鉄道施設であるという意味において公共性を有すると認識している。また、駅に便所を設置する必要があるか否か、駅に設置された便所を鉄道施設を利用しない者にもその使用を認めるか否か等については、駅が鉄道事業の用に供される鉄道施設であることにかんがみ、基本的には鉄道事業者自らが判断すべきものと考える。
三について
高齢者、身体障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性が増大していることにかんがみ、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性等の向上の促進を図るため、駅におけるエレベーター等の整備に要する経費の一部を補助する交通施設バリアフリー化設備整備費補助金等により、公共交通機関の旅客施設等を改善するための措置を講じているところである。
四について
お尋ねの高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(平成十二年法律第六十八号。以下「交通バリアフリー法」という。)の施行後に便所を改札の外から利用できなくした駅の数等については把握していないため、お答えすることは困難である。
五の1について
高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性等の向上の促進を図るに当たっては、国、地方公共団体、鉄道事業者等の関係者が必要に応じて緊密に連携しながら、交通バリアフリー法に基づく枠組みの活用等適切な措置を講ずることが重要と考えている。
五の2及び3について
国土交通省においては、交通施設バリアフリー化設備整備費補助金等の交付は、対象となる事業について鉄道事業者及び関係地方公共団体との間で協議がなされていること等を踏まえて行うこととしており、西日本旅客鉄道株式会社の西大寺駅についても、鉄道事業者及び岡山市等の関係地方公共団体との間で協議がなされていること等を踏まえて交付している。
六の1について
五の1についてで述べたとおり、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性等の向上の促進を図るに当たっては、国、地方公共団体、鉄道事業者等の関係者が必要に応じて緊密に連携しながら適切な措置を講ずることが重要と考えている。また、五の2及び3についてで述べたとおり、国土交通省においては、交通施設バリアフリー化設備整備費補助金等の交付は、対象となる事業について鉄道事業者及び関係地方公共団体との間で協議がなされていること等を踏まえて行うこととしている。
六の2について
一及び二についてで述べたとおり、駅に便所を設置する必要があるか否か、駅に設置された便所を鉄道施設を利用しない者にもその使用を認めるか否か等については、駅が鉄道事業の用に供される鉄道施設であることにかんがみ、基本的には鉄道事業者自らが判断すべきものと考える。また、鉄道の旅客以外の者の用に供するための便所の設置については、その必要性等を踏まえ、岡山市等の関係者において検討すべきものと考える。
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