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朝鮮人強制連行・強制労働に関する質問主意書
衆議院 第156回 第31号
質問本文
朝鮮人強制連行・強制労働に関して、次の点について政府の見解を問う。
一 政府は平成十四年十二月二十日受領の答弁第十九号において、いわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿を一般に公開しない理由として、当該名簿中に行政機関の保有する情報の公開に関する法律に規定する不開示情報が記録されていることを挙げているが、既に公開されている「華人労務者就労事情調査報告書」(昭和二十一年三月一日外務省管理局作成)にも個人を特定できる情報は含まれている。同様の情報が含まれているにもかかわらず「華人労務者就労事情調査報告書」は公開され、朝鮮人徴用者等に関する名簿は公開されていない理由は何か。相違点を明確に説明して欲しい。
二 政府は平成十四年十二月二十日受領の答弁第十九号において、いわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿について「今後、本人、遺族の方等に対しては照会や閲覧に応じる方向で検討して参りたい」とある。しかし、これまでも本人、遺族に対しては照会や閲覧に応じてきたと聞いているが、これまでの対応との違いは何か。
三 政府は強制連行・強制労働問題について個人の請求権の問題についても法的に解決済みであると主張している。
しかし、一九四九年のジュネーブ第四条約一四八条によると「締約国は、前条に掲げる違反行為に関し、自国が負うべき責任を免れ、又は他の締約国をしてその国が負うべき責任から免れさせてはならない。」とされている。「前条に掲げる違反行為」とは、「拷問若しくは非人道的待遇(生物学的実験を含む)、身体若しくは健康に対して故意に重い苦痛を与え、若しくは重大な傷害を加えること」及び「不法に移送し、若しくは拘禁する」ことであり、強制連行・強制労働が含まれることは明らかである。
わが国も一九五三年に同条約に加入している。従ってわが国は強制連行・強制労働問題について自国が負うべき責任を条約によって免れることはできないと考えるが、政府の見解をお聞きしたい。
四 強制連行・強制労働問題は発生から五十年以上が経過し、できる限りすみやかに解決されるべき問題であると考えるが、未だ係争中の強制連行・強制労働に関する裁判も多い。そこで、法的責任の存否をめぐる争いを超えて、政治的・歴史的責任に基づいて具体的に解決することも考えられるが、政府の見解をお聞きしたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「華人労務者就労事情調査報告書」(昭和二十一年三月一日外務省管理局作成)については、「戦時中本邦ニ移入セル華人労務者ノ就労事情殊ニ其ノ處遇ヲ中心トスル関係事情ノ概要ヲ摘記」したものであり、平成六年六月二十三日から公開しているが、このような取扱いをするに至った事情については、同月二十二日の参議院外務委員会において、柿澤外務大臣(当時)が、同報告書に記載されている事項に関し、「広く国民の間で共有するとともに、後世に伝えていくことが重要であると考えておりまして、そうした観点に立って本件報告書の写しを外交史料館等で一般の方々に閲覧する等の措置をとりたいと考えております。」と答弁しているところである。
これに対し、御指摘のいわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿については、平成二年五月二十五日の日韓外相会談の際に、大韓民国(以下「韓国」という。)側から終戦前に徴用された者の名簿の入手について協力要請があったことを受け、各都道府県、各市区町村、いわゆる朝鮮人徴用者等を受け入れていた可能性がある民間事業所等に対し、韓国政府に提出することを目的として調査を依頼し、提供された情報を取りまとめて、平成三年及び平成四年に韓国政府に提出したものであること、当該名簿中に記載されている事項の大部分はその後に施行された行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)に規定する不開示情報に該当すること等から、政府として、現段階においてこれを一般に公開することは適当ではないと考えているところである。
二について
いわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿については、厚生労働省において、平成十五年一月から、本人及びその遺族並びにこれらの方から委任を受けた方に対しては、照会や閲覧に応ずることとしているものである。
なお、御指摘の「これまでも本人、遺族に対しては照会や閲覧に応じてきた」という対応については、旧陸海軍から引き継ぎ厚生労働省において保管している人事関係資料に関するものと考える。
三について
御指摘の戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(昭和二十八年条約第二十六号)は、昭和二十四年八月にジュネーブにおいて作成され、昭和二十五年十月に効力を生じたものであるから、先の大戦に係るいわゆる朝鮮人徴用者等の問題については、その適用は問題とならない。
なお、同条約第百四十八条の規定は、同条約第百四十七条に掲げる違反行為を行った者の属する国に対する個人の請求権そのものの発生を根拠づけるものではない。
四について
いわゆる朝鮮人徴用者等の問題に関する政府の見解については、衆議院議員近藤昭一君提出朝鮮人強制連行・強制労働に関する質問に対する答弁書(平成十四年十二月二十日内閣衆質一五五第一九号)一及び二についてで述べたとおりである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。