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内閣提出の「個人情報の保護に関する法律案」、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案」をはじめ関連法案における具体的事例への適用に関する質問主意書

衆議院 第156回 第61号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2003年4月22日
内閣転送 2003年4月23日
答弁書受領日
2003年5月6日
提出から14日
答弁の項目数
24
質問 1,910字/答弁 3,606字

質問本文

内閣提出の「個人情報の保護に関する法律案」、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案」をはじめ関連法案における具体的事例についての適用の是非や問題点や発生義務をお尋ねする。前提条件によって適用の是非や問題点や発生義務が異なる場合や罰則規定のある場合、その前提条件や罰則の内容も明記頂きたい。また、現行法でも問題のある場合はお示し願いたい。また、それぞれの事例で主体が個人情報取扱事業者である場合とない場合、双方のケースでの見解もお示し願いたい。

一 古本屋さんが、個人から購入した名簿を販売する行為。名簿の内容によって法案適用が変わってくる場合は、名簿の内容ごとに解釈をお示し願いたい。

二 電話帳は個人情報データーベースか。

三 電話帳のデータを、業者が、カーナビソフトや年賀状作成ソフトに流用する行為。

※電話帳掲載を了解した個人は、電話帳や番号問い合わせ一〇四番のみで利用されると考える。

四 名簿図書館(個人等から購入した各種名簿を有料コピーさせる事業者)で、同窓会名簿や未亡人名簿、地方電話帳をはじめ各種名簿の有料コピーサービスを顧客に提供する行為。名簿の内容によって法案適用が変わってくる場合は、名簿の内容ごとに解釈をお示し願いたい。

五 新聞の死亡欄を集約して個人情報データーベースを作り、業者が仏壇のダイレクトメールを郵送する行為。

六 学校の父兄から生徒の名簿を借りて、業者が生徒宅にダイレクトメールを打つ行為。

七 レンタルビデオ店が個人が借りたビデオソフト名一覧の個人情報をダイレクトメール業者に販売する行為。

八 雑誌社が、郵送購読者に、雑誌と同封して、他社のダイレクトメールを封入して郵送する行為。

九 事業、事業者の定義は何か。

十 個人情報取扱事業者には、未成年や学生も含まれる可能性があるか。

十一 個人情報取扱事業者は学校のクラブ活動も含まれる場合もあるか。可能性がゼロでない場合は、含まれる可能性のある具体的事例をお示し願いたい。

十二 住民票を書き写して、小学校入学前児童宅にランドセルのダイレクトメールを送る行為。

十三 かつて発生した防衛庁の情報開示請求者の個人情報リスト化事件は、どのような罰則が適用されるか。

十四 貸し金業等における多重債務者のブラック情報を事業者間で本人の同意無しに流通させる行為。

十五 業者が警察の任意の求めに応じて、個人情報データーベースを提出する行為。

十六 警察が民間企業に個人の前科情報を流す行為。

十七 政治家のスキャンダルを追う、自称フリーライターを、これは報道でないと憤る政治家本人が、当該フリーライターが情報取扱事業者なのか、あるいは個人情報保護法案五十条の適用除外の対象か否か、調査を政府あるいは当該政治家が指名する主務大臣に依頼することは可能か。依頼された場合どのような調査を実施するか。

十八 自衛隊が隊員募集のために、自治体に住民の健康情報や家庭環境等の個人情報を求める行為。また、自治体が求めに応じてこれら個人情報を自衛隊に提供する行為。

十九 自衛隊が隊員募集のために、自治体に住民票記載の個人情報を求める行為。また、自治体が求めに応じてこれら個人情報を自衛隊に提供する行為。

二十 政治活動を断念した者が、数年後に、友人の立候補者に名簿を渡す行為。

二十一 公務員が上司の命令で住民実態調査として、住民の年収や家庭環境、健康状態を調査する行為。本人同意有りの場合と同意無しの場合双方をお示し願いたい。

二十二 公務員が公立図書館で住民がどんな本を借りているか住民ごとにリスト化する行為。また、借りた本のリストを住民の個人名とともに庁内一部で回覧する行為。

二十三 個人情報保護法案五十条一項一号の適用除外に、なぜ出版社が入っていないのか。出版社の扱いについてお示し願いたい。

二十四 出版社のうち、個人情報保護法案五十条の適用除外にならないものは、どのような形態の出版社か。

二十五 個人情報保護法案十八条の通知は宣伝のダイレクトメールに同封する場合も含まれるか。

二十六 個人情報保護法案十八条の公表は、インターネット上に流すだけで足りるのか。

二十七 パソコンに五千件以上の個人情報を持つ専業主婦が、定期的に五千人以上の人にハガキ絵を郵送している。これは個人情報取扱事業者になるか。

二十八 従業員五千人以上の会社はただちに個人情報取扱事業者となるか。

二十九 株主五千人以上の会社はただちに個人情報取扱事業者となるか。

三十 生徒数五千人以上の民間の学校はただちに個人情報取扱事業者となるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

古本屋は、その販売する名簿が個人情報の保護に関する法律案(以下「法案」という。)第二条第二項により個人情報データベース等に該当する場合においても、名簿中の個人情報の内容に関知しないものであることから、同条第三項第四号の政令において個人情報取扱事業者から除外されるように規定する方向で検討している。

二について

電話帳は、法案第二条第二項第二号に基づく政令において、個人情報データベース等に含めない方向で検討している。

三について

電話帳のデータをカーナビソフトや年賀状作成ソフトに流用する業者は個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生ずる。

四について

個人情報データベース等に該当する名簿に含まれる個人情報を顧客に提供する事業者は、個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生ずる。

五について

新聞の死亡欄には死者に加えて喪主に関する情報が記載されており、御指摘の業者が個人情報データベース等を作成し、喪主に対してダイレクトメールを郵送している場合は、個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生ずる。

六について

御指摘の業者が当該名簿を基に個人情報データベース等を作成し、又は当該名簿自体が個人情報データベース等に該当する場合においては、これらの個人情報データベース等を用いてダイレクトメールを郵送する当該業者は、個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生ずる。

七について

レンタルビデオ店が作成した個人が借りたビデオソフト名一覧が個人情報データベース等に該当し、これをダイレクトメール業者に販売している場合には、当該店は、個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生ずる。

八について

雑誌社が、郵送購読者に関する個人情報データベース等を作成し、これを郵送購読者への郵送に利用している場合には、個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生じ、法案第十六条に定める利用目的による制限が課される。

九について

法案第二条第三項の事業とは、一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為の総体を指し、営利、非営利の別を問わないが、事業に当たるか否かの判断は、その実態を踏まえて、社会通念に従って行われることとなる。

事業者とは、事業を行う者をいう。

十について

個人情報取扱事業者とは、何人であるかを問わず、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいうものである。

十一について

個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいうものである。学校のクラブ活動は、一般に、社会通念上、それが事業と言い得る程度の実態を備えているとは言い難いと考えられる。

十二について

住民票を書き写し、個人情報データベース等を作成して、小学校入学前児童宅にランドセルのダイレクトメールを送る事業者は、個人情報取扱事業者に該当し、法案第四章の規定を遵守する義務が生ずる。

十三について

御指摘の防衛庁の個人情報リスト化事件に対しては、施行前の行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案の罰則規定が適用されることはない。

また、仮に、今後、これと同様の事件が発生した場合に、これらの罰則の適用があるか否かについては、司法当局においてどのような事実認定がなされるかによる。

十四について

多重債務者に関する個人情報データベース等を事業の用に供する事業者は、個人データを他の事業者に提供するには、本人の同意を得るか、法案第二十三条第二項又は第四項第三号に規定する要件を満たす必要がある。

十五について

個人情報取扱事業者が、警察の任意の求めに応じて、個人データを提出する行為については、法案第二十三条第一項第一号、第二号又は第四号に該当し、本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供することが可能であると考えられる。

十六、二十一及び二十二について

国家公務員が御指摘のような行為を行った場合には、具体的な事実関係に即して、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案の規定に違反していないかどうか判断されることになる。

十七について

報道機関すなわち報道を業として行う者の個人情報の取扱いが法案第五十条第一項第一号の規定に該当するかどうかについての質問が行政に寄せられた場合には、主務大臣は、その報道機関の個人情報の取扱いの目的に報道の用に供する目的が含まれているか否かを判断することになる。

なお、この場合の主務大臣は、法案第三十六条第一項の規定に従い、個人情報の取扱いのうち雇用管理に関するものについては厚生労働大臣及び当該個人情報取扱事業者が行う事業を所管する大臣等、これ以外のものについては当該個人情報取扱事業者が行う事業を所管する大臣等となる。

十八及び十九について

自衛官の募集に関し適齢者情報として入手すべき範囲については、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十一条第一項の規定に基づき、何人でも閲覧を請求することができるとされた、氏名、生年月日、性別及び住所の四情報に限定することが適切であると考えており、平成十四年十一月に行われた募集担当者会議において上記四情報に限定するよう所要の指示を行ってきたところであるが、その周知徹底を図るため、平成十五年四月二十四日、防衛庁長官の命により通達を発出したところである。

なお、地方公共団体が個人情報を国の行政機関に提供する行為については、法案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案は適用されない。

二十について

政治活動を断念した者については、活動を断念した段階で支援者等に係る名簿を事業の用に供しなくなることから、数年後に自らの支援者等に係る名簿を友人の立候補者に渡したとしても、個人情報取扱事業者に対して課される法案第四章の規定は適用されない。

二十三について

法案第五十条第一項第一号に規定する「報道機関」とは、報道を業として行う者をいうが、一般に出版社が行う事業は広範な出版活動を含むものであり、「出版社」を報道機関の典型例として位置付けることは適当と言い難いことから、「出版社」を例示していない。

なお、「出版社」が報道を業として行う場合には、同号により、また、著述を業として行う場合には、同項第二号により、法案第四章の規定は適用されない。

二十四について

名簿や住宅地図のように、単にデータを羅列し、提供する行為は、「報道」にも「著述」にも該当せず、専らこのようなものを出版する「出版社」は、法案第四章の適用除外とはならない。

二十五及び二十六について

法案第十八条第一項の規定は、個人情報取扱事業者が個人情報を取得した場合に、個人情報の利用目的を本人に認識させるため、取得後速やかにその利用目的を本人に「通知」し、又は「公表」することを義務付けている。

本人への「通知」は、郵便、電話、電子メール等により、本人に知らせることが想定され、御指摘の宣伝のダイレクトメールに同封する場合も含まれる。

また、「公表」は、不特定かつ多数の者が知ることのできるように、新聞紙への掲載、インターネット上での発表、パンフレットの配布、事業所の窓口等への掲示等が想定され、御指摘のようにインターネットホームページに掲載すれば足りるものである。

二十七について

個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいうが、法案第二条第三項第四号の規定により取り扱う個人情報の量からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者は個人情報取扱事業者から除外されているので、政令において規定される基準を満たさない量の個人情報しか取り扱わない者は、個人情報取扱事業者とはならない。

また、当該基準を満たす量を取り扱う場合であっても、趣味として描いたハガキ絵を郵送する行為は、通常、その行為を定期的に行ったとしても社会通念上それが事業と言い得る程度の実態を備えていないと考えられるから、その行為をする者は、一般に、個人情報取扱事業者とはならない。

二十八から三十までについて

個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいうものであり、お尋ねのいずれの場合も個人情報データベース等を事業の用に供していなければ、個人情報取扱事業者とはならない。

また、法案第二条第三項第四号の規定により取り扱う個人情報の量からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者は個人情報取扱事業者から除外され、前述のとおり、政令において規定される基準を満たさない量の個人情報しか取り扱わない者は、個人情報取扱事業者とはならない。

衆議院の原文

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