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「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」に関する質問主意書
衆議院 第156回 第104号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
先ほど「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」(以下、新法とする)が、国会内外において多くの議論があるなか成立した。現に施行されている「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」(以下、現行法とする)に比べて、対象個人情報の範囲が拡大し個人の権利保障も充実する等、一定の前進をした。しかし一方で、国会審議の際には国会内外から、行政機関による個人情報取扱いに関する裁量が大きいこと、個人の権利保障制度として不十分であること等、行政機関の保有する個人情報を保護する法制として、その実効性に対して多くの懸念が寄せられた。これらの点は、国会審議においてもいまだその懸念に答えるに足る十分な説明がされていない。
そこで、以下質問する。
一 新法第二条第二項にいう「個人情報」の定義として、現行法の解釈と同様に死者の個人情報の中に生存する個人を識別する情報が含まれる場合は該当すると答弁しているが、例えばどのような個人情報がこれに該当するのか。
二 国立病院等における死者のカルテのように、死者の個人情報に生存する遺族の個人情報が含まれていない死者の個人情報もあるが、このような個人情報に対する遺族からの開示請求はどのように扱われるのか。
三 死者の個人情報は、生存する個人に関する個人情報とみなせる場合等ごく一部を除いてすべて法の対象外となっており、死者の個人情報の利用・提供については何ら制限がない。死者の個人情報の保護についてどのような措置がとられるのか。
四 新法第三条第一項に個人情報の保有制限として「法令の定める所掌事務を遂行するため必要な場合に限り」とあるが、個別の法令に個人情報の収集範囲等が規定されていない場合、所掌事務の遂行に必要な個人情報の範囲をどのような基準で判断し、どのような場合は違法な収集となるのか。
五 新法第四条第一項にある、個人情報の取得に当たっての利用目的の明示が、「本人から直接書面(以下、省略)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは」と限定されているのはなぜか。
六 新法第八条第二項により行われる目的外利用・外部提供について、新法第十条第一項第六号により通知される場合以外に、目的外利用・外部提供の実態をどのような基準で把握、公表するのか。国会答弁において「一定の規模の一定のもの」について取りまとめていきたいとあるが、具体的にどのような場合を想定しているのか。
七 新法第八条第二項第四号にいう、学術研究の目的のために提供することができる場合とはどのような場合か。また、「その他保有個人情報を提供することについて特別の理由のあるとき」の「特別の理由」とはどのような基準で判断され、どのような場合が該当するのか。
八 新法第十条第二項第六号により、一年以内に消去するものの、電子化された自衛官適齢者名簿やデータマッチングによる一時的なデータの作成のように、毎年ないし定期的に作成されるものの一年以内に消去される個人情報ファイルも、一律に事前通知の対象外とされる規定となっているが、反復性や継続性を考慮していないのはなぜか。
九 新法第十条第二項第九号は、個人情報ファイルが個人の権利利益に深く関わり軽微なものでなくとも、一定数で一律に対象外とされる規定である。個人情報ファイルの質・内容を問わずに一律に除外するのはなぜか。
十 新法第十条・第十一条の規定により、個人情報ファイルは事前通知されていなければ個人情報ファイル簿は作成されないが、個人情報ファイル作成前には新法第十条第二項第九号の規定に該当するとして事前通知されていないものの、事後になって同号で定める数を超えた場合は、その個人情報ファイル簿の作成・公表はどうなるのか。
十一 新法第二十七条・第三十六条は、開示請求による開示の実施を受けられなければ、目的外利用・外部提供や違法な個人情報収集に対する訂正請求や利用停止請求は認めない規定となっている。その理由は何か。
十二 現行法には、附帯決議として「我が国の高度情報化、国民の自己情報に関する意識、行政情報の保有・利用の在り方等、状況の急激な変化にかんがみ、五年以内に本法の必要な見直しを行うこと」とされていたが、この見直しが行われなかった具体的な理由は何か。
右質問する。
政府答弁書
一について
例えば、死者を被相続人とする相続財産に関する情報の中に、死者の氏名に加え、生存する相続人の氏名が含まれている場合は、死者に関する情報が、同時に生存する個人に関する情報でもある場合に該当するものと考える。
二について
行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号。以下「新法」という。)は、御指摘のような死者の個人情報については、開示請求の対象としていない。
三について
新法は、個人情報の取扱いに関連する個人の権利利益を保護することを目的とするものであるが、権利利益の保護を求めることができるのは生存する個人であること等から、新法における「個人情報」の範囲を「生存する個人に関する情報」に限ったものである。
なお、死者に関する情報の保護については、一般的には、その情報の内容、関係する制度等を踏まえてその取扱いが判断されるものと考える。
四について
御指摘の所掌事務の遂行に必要な個人情報の範囲については、各行政機関が保有しようとする個人情報が当該行政機関の所掌事務に関する規定及び当該規定に基づき実施されている事務の内容に照らして必要なものであるかどうかを個別具体的に検討し、判断することになる。
なお、行政機関が、新法第三条第一項の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を保有している場合は、同条第二項の規定に違反することとなる。
五について
本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得する場合は、このような個人情報の多くが、保有個人情報として保有され、その後の行政運営の基礎的な資料として利用されることになることから、特に利用目的を明示することを義務付けたものである。
六について
御指摘の目的外利用及び外部提供の実態をどのような基準で把握し、公表するかについては、現在検討中である。
七について
学術研究の目的のために保有個人情報を提供することができる場合としては、例えば、疾病の予防や治療の研究のために、学術研究機関に保有個人情報を提供する場合が挙げられる。
「特別の理由」とは、保有個人情報の目的外利用及び提供の原則禁止の例外として認めるにふさわしい理由をいう。「特別の理由」があると認められるためには、一般的には、行政機関に提供する場合と同程度の公益上の必要性があり、かつ、当該保有個人情報の提供を受けなければ、その提供を受ける者の事務の目的を達成することが困難であることが必要であると考える。
八について
一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイルは、保有個人情報の本人の権利利益を侵害するおそれが少なく、また、このような個人情報ファイルについて総務大臣に対する事前通知を義務付け、個人情報ファイル簿により公表することとすることは、行政機関に過大な負担を課すこととなることから、事前通知の対象外としたものである。
なお、このような個人情報ファイルに係る保有個人情報についても、利用目的を制限し、目的外利用及び提供を原則禁止するとともに、開示、訂正及び利用停止の各請求の対象としている。
九について
小規模な個人情報ファイルについてまで総務大臣に対する事前通知を義務付け、個人情報ファイル簿により公表することとすることは、行政機関に過大な負担を課すこととなることから、事前通知の対象外としたものである。
なお、このような個人情報ファイルに係る保有個人情報についても、利用目的を制限し、目的外利用及び提供を原則禁止するとともに、開示、訂正及び利用停止の各請求の対象としている。
十について
本人の数が新法第十条第二項第九号に基づき政令で定める数を超えると見込まれることとなった場合は、その時点で総務大臣に対して事前通知を行い、個人情報ファイル簿に掲載することになる。
十一について
保有個人情報は、利用目的の範囲内において日々更新されたり、保存期間の満了により廃棄されることがあること等から、訂正請求及び利用停止請求は、本人に対して開示された保有個人情報に限ったものである。
十二について
平成六年当時、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律(昭和六十三年法律第九十五号)の見直しの必要性について検討した結果、改正を要する点が認められなかったためである。
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