Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第159回

フィリピンのミンダナオ石炭火力発電事業と『環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン』の適用に関する質問主意書

衆議院 第159回 第137号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年6月4日
内閣転送 2004年6月7日
答弁書受領日
2004年6月22日
提出から18日
答弁の項目数
2
質問 985字/答弁 1,497字

質問本文

フィリピンのミンダナオ島におけるミンダナオ石炭火力発電事業(以下「本件事業」という。)に対しては、昨年十二月一日、国際協力銀行(以下「JBIC」という。)がフィリピン法人ステート・パワー・ディベロップメント・コーポレーションとの間で、総額一億百万米ドルの融資契約に調印した。

現在、本件事業は、二一〇メガワットの発電容量をもつ発電施設や石炭積み下ろし用埠頭の建設、四・五キロメートルの送電線設置、川からの五キロメートルの水供給パイプライン設置を含む工事の開始に向けて準備が進められており、事業地へのアクセス・ロードの敷設がすでに始まっている。

一方、本件事業により有毒物質(二酸化硫黄、二酸化窒素などのガス類や水銀、鉛、六価クロムなどの重金属類)が排出されるため、人体への健康被害や農業、漁業への影響などを懸念する声が、JBICの融資決定以前からフィリピン内であげられている。また、事業者による住民へのコンサルテーション(協議)は発電所の煙突から半径二キロメートルの地域に限定されており、影響を受ける多くの農民、漁民らがコンサルテーション(協議)を受けていないことから、本件事業に対する社会的合意は融資決定後の現在も依然として得られていない。

本件事業が重大な環境及び社会影響を及ぼす懸念がある以上、日本政府としては本件事業がフィリピン内の地元の環境社会に配慮されたものであるかを十分確認する責任があるとの認識に立って、以下質問する。

一 JBICの「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」(以下「新ガイドライン」という。)は昨年十月より全面施行されている。本件事業への融資要請は昨年十月以前になされたものであるが、本件事業の環境及び社会面で十二分の配慮が求められているとの認識から、新ガイドラインを適用し、新ガイドラインに沿った形での環境社会配慮が行なわれてしかるべきものと考えるが、この理解でよいか。

二 本件事業においては融資契約の調印後、まだ実際の融資拠出には至っていないものと理解している。本件事業についてフィリピン内であげられている懸念や問題点が依然として解決しておらず、社会的合意も得られているとは言い難いことから、新ガイドラインに沿った形で本件事業の環境及び社会面での十二分な配慮を行なった上で融資拠出に踏み切るべきではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

国際協力銀行(以下「JBIC」という。)が平成十四年四月に作成した「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」(以下「新ガイドライン」という。)は、JBICが、投融資の対象とするすべての事業について、環境と社会への配慮の観点から、事業の実施主体が行う環境影響評価等を基にして確認をすべき項目、その確認や公表の手続等を定めたものである。事業の実施主体は、通常、融資要請前から環境影響評価等を行うが、その際には、新ガイドラインの要件に適合するようにこれを行う必要があることから、JBICは、新ガイドラインの周知期間及び実施主体における作業期間としてその施行までに一年半の経過期間を設け、平成十五年十月以降に融資要請がなされた事業に対して新ガイドラインを適用することとしたと承知している。

お尋ねのミンダナオ石炭火力発電事業(以下「本件事業」という。)は、新ガイドラインを施行した平成十五年十月より前に、JBICが融資要請を受けた案件であり、このため、JBICは、本件事業に対して新ガイドラインではなく、平成十一年から施行し、平成十五年九月末までに融資要請がなされた事業に適用している「国際金融等業務における環境配慮のためのガイドライン」(以下「従来のガイドライン」という。)を適用していると承知している。

しかしながら、JBICは、新ガイドラインへの円滑な移行を図るため、従来のガイドラインを適用する事業であっても、新ガイドラインのうち適用可能な一定の事項については、これを適用するよう努めていると承知している。本件事業においても、JBICが事業の環境への影響を確認し、計画されている対策の評価を行う環境レビューという手続について、その具体的な方法を決定するのに必要な情報を得るための事業の実施主体へのスクリーニングフォームという質問の様式や、環境レビューを行う際に確認をすべき項目を整理した環境チェックリストという様式は、新ガイドラインに定めたものを使用し、また、新ガイドラインで初めて導入された、スクリーニングフォームによって把握した情報の公開や環境レビューの結果の公表も行ったと承知している。

二について

JBICは、従来のガイドラインに基づき、本件事業の実施主体による環境と社会への配慮に問題がないことを確認し、融資契約に調印したと承知している。また、一についてでお答えしたように、新ガイドラインのうち適用可能な一定の事項については、これを本件事業にも適用し、具体的には、新しいスクリーニングフォームや環境チェックリストを使用し、スクリーニングフォームによって把握した情報の公開や環境レビューの結果の公表も行ったと承知している。

また、JBICは、本件事業の実施主体が地域住民や現地の非政府機関(NGO)等と何度も協議を行ったこと、本件事業の実施に伴い移転する全世帯から移転及び補償についての同意を得ていること並びに本件事業の実施についてフィリピン国内において関係当局の必要な承認を得ていることを実施主体から確認しており、事業実施のために必要な社会的合意が得られていると理解していると承知している。

JBICは、本件事業について、今後も、環境に影響する重要な項目につきその実績値を定期的に確認することとしており、環境に係る現地基準等を満たせないといった重大な問題が発生していないことを確認した上で、融資を実行すると承知している。

このように、JBICは、本件事業について適切な環境と社会への配慮が行われるよう、新ガイドラインも参照しつつ適切に対応していると承知している。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2001年6月21日 中村 敦夫 答弁 2001年7月23日
参議院 第151回 第37号
提出 2018年3月14日 川田 龍平 答弁 2018年3月23日
参議院 第196回 第38号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる