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米軍航空機事故における現場管理及び緊急措置等に関する質問主意書

衆議院 第161回 第18号

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2004年10月14日
内閣転送 2004年11月8日
答弁書受領日
2004年11月12日
提出から29日
答弁の項目数
6
質問 2,526字/答弁 2,356字

質問本文

二〇〇四年八月十三日午後二時十八分頃、米海兵隊所属のCH−五三D型ヘリコプターが、沖縄国際大学本部ビルに激突し、爆発炎上した。(以下、沖国大への米軍ヘリ墜落事故という。)

この沖国大への米軍ヘリ墜落事故は、民間人の死傷者が出なかったのは奇跡中の奇跡であるが、沖国大や付近住民らが被った損害は甚大であり、強い怒りを覚えるものである。

沖国大への米軍ヘリ墜落事故の責任は、普天間飛行場の返還を遅らせた日米両政府とSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意に基づく辺野古移設に拘わってきた稲嶺惠一沖縄県知事にあり、厳しくその責任を問われなければならないと考える。

沖国大への米軍ヘリ墜落事故を契機にわが国の安全保障のあり方、沖縄の基地負担と犠牲、国家主権の作用としての警察権の行使のあり方、日米地位協定、大学の自治など多くの問題点が浮き彫りになった。

この質問主意書では、今宜野湾市民をはじめ圧倒的に多くの沖縄県民が強く望んでいるのは、普天間飛行場のすみやかな閉鎖・海外移設と辺野古への移設反対であることを明確にし、米軍航空機事故発生時における緊急措置等について政府の見解を質すことにしたい。

以下、質問する。

一 一九七七年九月二十七日午後一時十九分頃、厚木海軍飛行場から洋上の空母ミッドウェーに向かって飛行中のRF−四Bファントム偵察機が、横浜市緑区荏田町に墜落炎上し、三名が死亡、六名が重傷を負う大惨事の事故が発生した。

この事故をきっかけに一九七八年一月二十四日の日米合同委員会事故分科委員会は「基地ごとに事故が生じた場合における緊密な連絡及び調整に努めること」との趣旨の勧告をおこなった。この勧告に従って米軍基地を抱える都道府県において、防衛施設庁のイニシャティブで関係機関の協議が実施され、沖縄県においては「航空機事故等に係る緊急措置要領」が策定のうえ施行されている。

沖縄県においても、昭和五七年(一九八二年)十二月、米軍及び自衛隊の航空機事故連絡協議会(以下、協議会という)が組織され、協議会会則等が策定のうえ施行されている。

ついては、沖縄県における協議会会則(関係機関表、幹事会関係機関名等の別表を含む)、協議会会則第四条に基づき定められた「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領」(航空機事故連絡責任者職名表などの別表1ないし4を含む)及び「米軍航空機事故に係る連絡調整体制及び緊急救助体制に関する在日米軍司令部と防衛施設庁との間の合意事項」等の内容をすべて明確に把握した上で、沖国大への米軍ヘリ墜落事故における緊急措置、捜査活動、消防救助活動、現場対策等は、前記「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領」が厳守され実行されたか政府の見解を明らかにされたい。

二 沖縄県における協議会設置以後沖国大への米軍ヘリ墜落事故までの間に開催された臨時会を含む協議会及びその幹事会並びに沖国大への米軍ヘリ墜落事故に関する「連絡協議会」の開催された日時、場所、参加した関係機関を明確に把握した上で、政府の見解を明らかにされたい。

尚、協議会が開催されていないのであればその理由と見解を明らかにされたい。

三 「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領」第五条第(5)項アの「死亡者及び負傷者の住所、氏名、年齢、職業並びに障害の程度及び収容先」の「死亡者及び負傷者」には、米軍事故機のパイロットや搭乗員も含むと判断するが、政府の見解を明らかにされたい。

四 沖国大における米軍ヘリ墜落事故で米軍機のパイロットや搭乗員の氏名、傷害の程度、収容先等は政府に通報されたか、通報されていないなら前項の緊急措置要領第五条に違反すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 沖国大への米軍ヘリ墜落事故における緊急措置要領第五条による緊急通報の内容を「航空機事故等発生通報記録表」に基づいて明確に把握した上で、同事故における緊急通報に問題がなかったかどうか政府の見解を明らかにされたい。

六 普天間飛行場周辺における米軍航空機事故発生の場合の関係機関の任務分担は、「被害者救急救助等任務分担区分表」のとおりと理解する。それによると「現場対策」としての現場の交通整理・財産保護又は警備、現場保存等の主務機関は沖縄県警であり、「消防救助活動」としての負傷者の応急手当、負傷者救助活動、救急病院の引受確認等の主務機関は宜野湾市消防であることが明確である。ところが、沖国大への米軍ヘリ墜落事故では、これら沖縄県警、宜野湾市消防が主務機関として果たすべき「現場対策」や「消防救助活動」が米軍によって妨げられ、主権国家としてのわが国の警察・消防活動に支障をきたし、結果として現場周辺住民を恐怖に陥れることになったと考えるが政府の見解を明らかにされたい。

七 政府は、沖国大への米軍ヘリ墜落事故で、事故後の占領意識まる出しの米軍対応に県民の強い批判があることを受け、日本の警察と米軍との間で現場管理等に関する役割分担を定めた対応マニュアルを作成するよう米軍に求めていく方針である、と報ぜられている。

私は、大事なことは日米地位協定を全面的に改正することだと考える。先に指摘した現行の緊急措置要領すら厳守されず、米軍のやりたい放題の「現場対策」「消防救助活動」がなされており、新たな対応マニュアルを作成してもその実効性は疑わしいと思わざるを得ないが、政府の見解を明らかにされたい。

尚、政府は沖縄県を関係機関とする現行の緊急措置要領は、制定の趣旨が厳守され運用されていると考えているのかその見解を明らかにされたい。

八 航空機事故等緊急措置要領における任務分担については、同じ米軍基地を抱える都道府県においても差異があるとも報じられている。

よって、沖縄県における「米軍及び自衛隊の航空機事故連絡協議会会則」「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領(別表を含む)」に相当する、東京都、神奈川県、山口県で施行されている取り決めの内容をすべて明確に把握した上で、都道府県においてこのような差異があることについて、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び六について

本年八月十三日に発生した我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)のヘリコプターの墜落事故(以下「本件事故」という。)に際しては、御指摘の「被害者救急救助等任務分担区分表」(以下「分担区分表」という。)において捜索活動及び現場対策の主務機関とされる沖縄県警察、消防救助活動の主務機関とされる宜野湾市消防本部等の関係機関は、合衆国軍隊とも必要な連携を図りつつ、本件事故の発生直後から、負傷者等の確認、本件事故により負傷したヘリコプターの乗員の救護及び病院への搬送、炎上中のヘリコプターの消火活動、沖縄国際大学の建物への延焼防止、事故現場の警備等を実施しており、分担区分表における任務分担を含め「米軍及び自衛隊の航空機事故にかかる緊急措置要領」(以下「緊急措置要領」という。)の内容を踏まえ、適切な対応が行われたものと考えている。

なお、分担区分表は、航空機事故等が発生した場合の沖縄県内に所在する我が国の関係機関の間の任務分担を示したものであり、我が国の関係機関と合衆国軍隊との任務分担を示したものではない。

二について

沖縄県に係る「米軍及び自衛隊の航空機事故連絡協議会会則」(以下「協議会会則」という。)第五条に定める定例会議及び臨時会議並びに協議会会則第九条に定める幹事会(以下「定例会議等」という。)については、万一航空機事故等が起きた際に緊急の連絡通報や総合的な応急対策を円滑に実施できる体制を確立するため、平素から連絡協議を行うことを目的としたものであり、その趣旨に沿ってこれまで適切に開催されてきたところであると考えている。

また、右に述べたように、定例会議等は、現実に事故が起きた際に、緊急の対応を協議する性格のものではなく、これまで本件事故に関する定例会議等は開催していないが、今後、本件事故の発生を受けて事故現場での日米の関係当局の対応について検証することを目的に日米合同委員会の下に新たに設立された「事故現場における協力に関する特別分科委員会」(以下「特別分科委員会」という。)における検討の成果が出た後、定例会議等の場を活用して、その内容を地元の関係機関に周知するとともに、万一事故が起きた場合に適切に対応できるような体制を整備していきたい。

三及び四について

緊急措置要領は、主として航空機事故による住民への被害を想定して、人身被害者の救護等を迅速かつ的確に実施するため定められたものであり、緊急措置要領第五条第一項(5)において緊急通報の事項として掲げる被害の状況について、事故機の乗員に係る情報は想定されていないものと理解している。

また、沖縄県に係る「米軍及び自衛隊の航空機事故連絡協議会」(以下「協議会」という。)においては、合衆国軍隊の協議会への参加を期待し、協議会会則の別表一「関係機関表」に合衆国軍隊の部隊を記載しているが、実際には、当該部隊は協議会の発足当初から現在に至るまで協議会に参加しておらず、そもそも合衆国軍隊の行動が緊急措置要領との関係で問題となることはない。

他方、「米軍航空機事故に係る連絡調整体制及び緊急救助体制に関する在日米軍司令部と防衛施設庁との間の合意事項」(以下「合意事項」という。)においては、航空機事故が起きた際に、現地の合衆国軍隊が航空機の種類、事故発生場所等の情報を提供することとされているが、事故機の乗員の氏名等に関する情報を提供することとはされておらず、本件事故に係るヘリコプターの乗員の氏名等については、合衆国軍隊から連絡を受けていない。

なお、本件事故に係るヘリコプターの乗員を病院に搬送した宜野湾市消防本部から連絡を受け、当該乗員の人数、傷害の程度及び収容先については、把握しているところである。

五について

本件事故については、おおむね関係機関の間で遅滞なく必要な情報が共有されたものと認識しているが、緊急措置要領の別表三「航空機事故等発生通報記録表」に掲げられる情報のうち、墜落したヘリコプターの燃料等について、合衆国軍隊から情報の提供を受けられなかったため、関係機関の間で情報を共有することができなかった。これらの情報については、本来合意事項に基づき合衆国軍隊から提供されることとされており、今後、同様の事故が起きた際にはこれらの情報が判明し次第提供されるよう、合衆国軍隊に働き掛けてまいりたい。

七について

政府としては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)については、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えの下、運用の改善に努力しているところである。

本件事故の発生を受け、現在、日米間においては、特別分科委員会の場で、事故現場での日米の関係当局の対応について検証の上、問題があった点については改善を図っていくべく話し合っているところである。現時点において協議の結果について予断することは差し控えたいが、いずれにせよ、問題があった点については改善を図っていきたいと考えている。

また、緊急措置要領については、一及び六についてで述べたとおり、本件事故への対応においても、これを踏まえ適切な対応が図られたものと認識しており、特段問題は生じていないものと考えている。

八について

お尋ねの「東京都、神奈川県、山口県で施行されている取り決め」における任務分担については、合衆国軍隊の飛行場の周辺を管轄地域とする関係機関等の協議により、各地域の事情を反映して定められていることから、その内容に差異が生じているものと認識している。

衆議院の原文

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