ことばで探す › 衆議院 第162回
個別労働紛争解決促進法における「あっせん」に関し、社会保険労務士のあっせん代理制度運用に関する質問主意書
衆議院 第162回 第15号
質問本文
二〇〇三年四月から社会保険労務士に個別労働紛争解決促進法における『あっせん』に関し、紛争の当事者を代理する権利が付与され、紛争当事者から授与された代理権の範囲内で、あっせん期日における意見陳述、あっせん案の提示を求めること、あっせん案の受託及び申請の取り下げ等の行為が行えることとなったが、紛争調整委員会におけるあっせんでは「期日当日に和解契約が締結されるため、原則一回の開催で終了する。和解契約の締結は紛争当事者間で交わされるもので個別労働紛争解決促進法上のあっせん手続き外の法律行為であり、和解契約の締結は社会保険労務士が行えるあっせん代理の権限外の業務となるため、業務上代理人として和解契約を締結することができない」という行政解釈について、次の事項について質問する。
一 あっせん代理人である社会保険労務士が、最終的な問題解決である和解契約の締結時には代理権を行使できないという矛盾した解釈を何故行政はしたのか。
二 和解契約が法律行為だから社会保険労務士には代理はできないというのは、弁護士法七十二条を念頭においていることが考えられるが、社会保険労務士法と弁護士法とは対等であり、何故弁護士法によって社会保険労務士法が制限されるのか。
三 平成十年に社会保険労務士法に審査請求の代理権が付与されたが、何故あっせん申請の和解契約が代理できないのか。審査請求の代理権は弁護士法七十二条に触れないのに、何故あっせん申請の和解契約の代理権は弁護士法七十二条によって制限されるのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの行政解釈とは、「社会保険労務士法の一部を改正する法律等の施行について」(平成十五年三月二十六日付け基発第〇三二六〇〇二号・庁文発第八二二号厚生労働省労働基準局長・社会保険庁運営部長通知)及び「社会保険労務士が個別労働紛争解決制度に関わるときの対応について」(平成十五年四月一日付け厚生労働省地発第〇四〇一〇五三号厚生労働省大臣官房地方課長通知)を指すものと考えるが、和解契約の締結の代理は、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成十三年法律第百十二号)第六条第一項の紛争調整委員会における同法第五条第一項のあっせんについて、紛争の当事者を代理することに明確には含まれない法律行為であり、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項第一号の四に規定するあっせん代理の範囲を超えると考えられるものであることから、これらの通知においては、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条との関係において和解契約の締結の代理をすることができないことを示したものである。
二及び三について
労働社会保険諸法令に基づく審査請求等に係る代理の事務は、社会保険労務士法第二条第一項第一号の三の規定により社会保険労務士の業務として規定されていることから、弁護士法第七十二条ただし書の「他の法律に別段の定めがある場合」に該当するため、行うことができるものであるが、和解契約の締結の代理は、一についてで述べたように、社会保険労務士法第二条第一項第一号の四に規定するあっせん代理に含まれず、弁護士法第七十二条ただし書の「他の法律に別段の定めがある場合」に該当しないことから、行うことができないものであると考える。
なお、社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成十年法律第四十九号)により社会保険労務士法第二条第一項第一号の三に労働社会保険諸法令に基づく審査請求等に係る代理の事務が追加され、また、社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百十六号)により同項第一号の四の規定が追加された当時の弁護士法第七十二条ただし書は、「この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」と規定されていたが、これらの業務について弁護士法のみならず他の法律によって業務として行うことができる旨が規定されていれば、同条違反とならないと解されてきたものであり、司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第百二十八号)により同条ただし書が「この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」と改正された趣旨も、同条の例外には、同法以外の法律において定められるものがある旨を明確化するためであったところである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。