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米兵受刑者の処遇に関する質問主意書

衆議院 第164回 第314号

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2006年6月7日
内閣転送 2006年6月12日
答弁書受領日
2006年6月16日
提出から9日
答弁の項目数
4
質問 1,627字/答弁 1,177字

質問本文

米軍人・軍属とその家族による犯罪は一向に減らない。米軍基地があるがゆえの、米兵が駐留するがゆえの事件・事故や犯罪も途絶えることがない。膨大で過密な米軍基地が存在する沖縄では、いわゆる米兵の犯罪は構造的なものとなっている。そして、その被害は、もろに沖縄県民が被っている。

米軍人・軍属とその家族による犯罪が発生した場合の我が国の警察権・裁判権の十全な行使は、日米地位協定などによる過度の米軍優遇によって妨げられている。かかる意味において、まさに日米地位協定は「不平等の源流」である。問題は、警察権・裁判権の行使に止まらず、米兵の受刑者の場合、我が国の刑務所内において、日本人受刑者よりも厚遇を受けていることである。本来、日本人であれ、米兵であれ、受刑者に対しては平等で適切な処遇を行って、その更正と社会復帰に資するものでなければいけないと考える。それが日本人受刑者に比べて、必要かつ合理的な理由も存しないのに、米兵の受刑者のみが厚遇を受けるのは理不尽である。いや、むしろ日本人受刑者の人権を侵害し、過酷な処遇にあたるといわざるを得ない。我が国の刑務所内における米兵受刑者の差し入れや食事メニューの差別と厚遇の実態について、政府の見解を求めるものである。

以下、質問をする。

一 公務外で犯罪を惹起した米軍人・軍属が我が国の裁判に従い、刑が確定後服役する刑務所はどこかを明らかにされたい。

二 受刑者の所内における日常生活については、所内規則によって様々な規制があると承知している。その規制の中にあって、合理的な理由も必要もないのに、米兵だけが特別扱いを受けている例の一つが就寝時間だと思われる。米兵の就寝時間は午後十時で、日本人受刑者の場合は午後九時だといわれるが間違いないか。なぜ、米兵受刑者と日本人受刑者とで、就寝時間に差があるのか。その理由を明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

三 米兵受刑者厚遇の一つに入浴問題がある。米兵受刑者の場合、毎日シャワーを浴びることができるが、日本人受刑者の場合、週二回の風呂への入浴しか認められていないというのは事実か。事実であれば、差を設ける理由は何かを明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

四 受刑者の舎房における暖房についても、米兵受刑者のみが厚遇されていると指摘される。刑務所内における舎房の暖房は、いつからいつまでの期間、利用できるのか。米兵受刑者の場合、舎房内にスチーム暖房が設置され、日本人受刑者の場合、舎房前の廊下にストーブを設置しているというが、それは事実か。このような採暖処置は受刑者の差別的扱いと思慮するが、政府の見解を示されたい。

五 受刑者の食料問題、メニューの問題も重大である。米兵受刑者の場合、軍務に就いている米兵と同じように毎日ステーキなどの肉、フルーツ、ケーキ、三食毎のコーヒーと牛乳が支給されるが、日本人受刑者の場合、甘い物やフルーツなどが支給されるのは、ごく希といわれる。なぜ、米兵受刑者と日本人受刑者との間で支給される食事メニューが違うのか。前段で指摘した差別的な食事メニューは、その通りであるのかを明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

六 政府は、監獄法五十三条を根拠に米兵への補充食料を認め、それが結果として差別的なメニューの根拠になっていると思われる。米兵受刑者に補充食料提供を容認する日米地位協定、日米合同委員会合意の根拠を具体的に示されたい。

七 米軍からの米兵受刑者に対する補充食料の提供は金銭によるのか、それとも現物支給か。金銭による支給であれば一年間の総額、現物支給であれば一年間の総量を示し、政府の見解を明らかにされたい。

八 平成十四年六月四日に可決・成立した国際受刑者移送法に基づいて、執行国アメリカ合衆国から裁判国日本へ移送要請のあった米兵受刑者の人数、及び移送に同意した人数を明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)の構成員及び軍属で、我が国の刑事裁判において懲役、禁錮又は拘留の刑に処せられ、その執行のため刑事施設に拘置される者(以下「米軍関係受刑者」という。)については、原則として、男子は横須賀刑務所に、女子は栃木刑務所に収容することとしているが、栃木刑務所には、平成十八年六月九日現在、米軍関係受刑者は収容されていない。

二について

横須賀刑務所においては、就寝時刻は、米軍関係受刑者及び日本人受刑者のいずれについても、原則として午後九時とされているが、個々の受刑者について、学習やラジオの聴取等の必要がある場合には、午後十時まで延長する取扱いとしている。

三から七までについて

横須賀刑務所においては、米軍関係受刑者については、土曜日や休日を含めて毎日、シャワーを使用させており、日本人受刑者については、夏季は週に三回、夏季以外は週に二回、入浴させるほか、入浴させない平日にも、必要に応じてシャワーを使用させているところである。

横須賀刑務所においては、米軍関係受刑者及び日本人受刑者のいずれについても、おおむね十二月ころから翌年四月ころまでの期間、居室棟の気温が摂氏十二度以下になった場合に、廊下においてストーブを使用することとしている。

また、横須賀刑務所においては、暖房設備のある居室に収容されている米軍関係受刑者について、右に述べたのと同様の期間、同様の場合に、朝三十分間、夕方三十五分間、居室の暖房設備も使用しているところである。

横須賀刑務所においては、食事の献立には、米軍関係受刑者につき、いわゆる肉類やデザート類が含まれる回数が日本人受刑者より多く、また、茶に代えてコーヒー及び牛乳が献立の一つとされている。

お尋ねの米軍関係受刑者に対する「補充食料」は、米軍から横須賀刑務所に対し、定期的に、現物による提供が行われており、平成十七年四月から平成十八年三月までの一年間の総量は、約十三トンである。

右に述べた米軍関係受刑者に対する各取扱いについては、刑事裁判管轄権に関する事項についての日米合同委員会合意において、我が国の当局は、米軍の構成員、軍属又はそれらの家族の身柄を拘束した場合には、日米両国間の習慣等の相違に適当な考慮を払うものとされていることを踏まえて行われているものである。

八について

国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)に基づいて、同法が施行された平成十五年六月一日から平成十八年六月九日までの間、アメリカ合衆国から送出移送の要請があった米軍関係受刑者の人数は二人であるところ、我が国が移送に同意した米軍関係受刑者はない。

外国から送出移送の要請があった事案については、国際受刑者移送法に基づき、個々具体的な事案ごとに適切に判断しているところである。

衆議院の原文

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