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国際条約及び諸外国の法律における著作権及び著作隣接権の保護期間の規定等に関する質問主意書

衆議院 第165回 第14号お答えすることは困難 ×3承知していない ×11

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2006年9月28日
内閣転送 2006年10月2日
答弁書受領日
2006年10月6日
提出から8日
答弁の項目数
10
質問 2,950字/答弁 1,962字

質問本文

平成十七年一月二十四日に文化庁が公表した「著作権法に関する今後の検討課題」において議題となっている「(6)保護期間の見直し」に関する議論が今後、文化審議会著作権分科会を中心に進められるものと思料されるが、諸外国の現状について正確な事実の確認に努め、今後の議論に資することを目的に文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約パリ改正条約(昭和五十年三月六日条約第四号。以下「ベルヌ条約」という。)を始めとする国際条約や協定、諸外国の著作権法等における著作権及び著作隣接権の保護期間に関する規定について、以下質問する。

一 そもそも、我が国の著作権法において、著作権の保護期間は何のために存在するのか、また著作権の保護期間が有限とされる理由は何か。政府の詳細な答弁を求める。

二 ベルヌ条約及び知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(平成六年十二月二十八日条約第十五号。以下「TRIPs協定」という。)の規定について質問する。

1) ベルヌ条約第七条において著作権の保護期間を五十年(個人の死後又は法人の公表後。以下、特に注記の無い場合を除き同じ。)と定めている算定根拠は何か。条約の制定及び改正時の事情を含めて説明を求めるとともに、この点についての政府の見解を求める。

2) ベルヌ条約第七条六項は上限数値を定めていないが、その理由は何か。前項と同様、条約の制定及び改正時の事情を含めて説明を求めるとともに、この点についての政府の見解を求める。

3) TRIPs協定第十二条にはベルヌ条約第七条六項と同様の規定は存在しないが、その理由は何か。前二項と同様、条約制定時の事情を含めて説明を求めるとともに、この点についての政府の見解を求める。

三の一 メキシコ、コートジボワール、コロンビア、グアテマラ、ホンジュラス及びサモア独立国の六か国における状況について質問する。

1) メキシコでは著作権の保護期間を百年と定めているが、欧州連合(以下「EU」という。)よりさらに三十年、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)より個人の場合は死後さらに三十年、法人の場合は公表後さらに五年長い全世界で最長の保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合は、その内容の説明も含めて、政府の答弁を求める。

2) コートジボワールでは著作権の保護期間を九十九年と定めているが、EUよりさらに二十九年、米国より個人の場合は死後さらに二十九年、法人の場合は公表後さらに四年長い極めて長期の保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。

3) コロンビアでは著作権の保護期間を八十年と定めているが、EUよりさらに十年、米国より個人の場合は死後さらに十年長い極めて長期の保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。

4) グアテマラでは著作権の保護期間を七十五年と定めているが、EUよりさらに五年、米国より個人の場合は死後さらに五年長い保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。

5) ホンジュラスでは著作権の保護期間を七十五年と定めているが、EUよりさらに五年、米国より個人の場合は死後さらに五年長い保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。

6) サモア独立国では著作権の保護期間を七十五年と定めているが、EUよりさらに五年、米国より個人の場合は死後さらに五年長い保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。

三の二 三の一で挙げた六か国の対EU、対米国及び対日本のコンテンツ分野における最近五年間の貿易収支において、当該国が輸出超過を達成した事例は存在するのか。答弁を求める。

四の一 フランス並びにグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(以下「英国」という。)の国内法における特例について質問する。

1) フランス著作権法第百二十三条の十における愛国殉職者特例の立法趣旨について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合は、その内容も含めて、政府の答弁を求める。また、フランス以外に愛国殉職者特例を定める国は存在するのか答弁を求める。

2) 英国で一九九八年に成立し、同国著作権・意匠及び特許法第三百一条に追加された「小児病院のための規定」の立法趣旨について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合は、その内容を含めて、政府の答弁を求める.

四の二 四の一で挙げた特例のベルヌ条約又はTRIPs協定上における位置付けについて、政府の見解を求める。また、いずれの特例もベルヌ条約及びTRIPs協定において許容される場合、二〇〇三年六月に米国下院へ提出されたが廃案となった法案番号HR2601 IH、通称「エルドレッド法案」のようにベルヌ条約及びTRIPs協定において義務付けられている五十年を無方式主義とし、以降の延長は所定の登録手続きを経た著作物に限るとする制度も同条約及び同協定に違反することなく、立法技術上は可能なのか。政府の見解を求める。

五 カナダでは同国著作権法第二十三条により著作権の保護期間をベルヌ条約第七条において義務付けられている最低限度の五十年間(我が国においては、連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律により最大で三千七百九十四日を加えた期間となる場合がある。)と定めているが、同国政府の提出した未公表の著作物について著作権の保護期間を延長する法案「2003 Bill C−36」が二〇〇四年四月に議会下院で否決されている。当該法案の同国政府による趣旨説明と、下院において法案が否決された理由について、政府は承知しているか。承知している場合は、その趣旨説明と否決の理由の内容も含めて、政府の答弁を求める。

六 欧州委員会(以下「EC」という。)は二〇〇四年七月にEU域内における著作隣接権の保護期間延長を断念しているが、その理由と政府の見解について質問する。

1) ECが延長を断念した理由について、政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。

2) ECが延長を断念した理由は著作隣接権のみならず著作権にも該当するものであるか否か、政府の見解を求める。政府がその理由は著作隣接権に特有であり、著作権には該当しないとの見解を採る場合は、その見解を採る理由についても答弁を求める。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

著作権の保護期間は、文化的所産である著作物については、著作者等の権利を保護する一方で、一定期間経過後においては、その権利を消滅させることにより、社会全体の共有財産として利用できるようにすることが適当であることから設けられたものである。

二の1)について

著作権の保護期間を著作者の生存の間及びその死後五十年とする旨を定めた千八百九十六年五月四日にパリで補足され、千九百八年十一月十三日にベルリンで改正され、千九百十四年三月二十日にベルヌで補足され並びに千九百二十八年六月二日にローマで、千九百四十八年六月二十六日にブラッセルで、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された千八百八十六年九月九日の文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(昭和五十年条約第四号。以下「ベルヌ条約」という。)第七条(1)の規定は、千九百四十八年六月二十六日のブラッセルでの改正において設けられたものである。本改正に当たっては、著作権の保護期間について、著作者とその直系の子及び孫の三世代の平均的な生存期間を含むためには著作者の死後五十年とすることが妥当であると考える国が多く、そのような国に合わせることとしたものと承知している。

二の2)について

ベルヌ条約の目的は文学的及び美術的著作物に関する著作者の権利の保護であるため、最低限の保護期間のみを定め、各国においてベルヌ条約において規定するより長い著作権の保護期間を定めることを許容したものと考えられる。

二の3)について

知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C)(平成六年条約第十五号。以下「TRIPs協定」という。)第十二条は、著作権の保護期間について、少なくとも五十年と規定していること、同協定第九条1において、加盟国は、千九百七十一年のベルヌ条約の第一条から第二十一条まで及び附属書の規定を遵守すると規定されていることなどから、TRIPs協定にベルヌ条約第七条(6)と同様の規定が存在しないとは単純には言えない。

三の一の1)から6)まで及び三の二について

御指摘の点については、いずれも承知していない。

四の一の1)について

御指摘の規定について詳細は承知していないが、一定の場合に、著作者等の相続人その他の権利譲受人に与えられる権利は、著作者等がフランスのために死亡したことが死亡証明書から判明する場合には、さらに三十年の期間だけ延長されるという内容であると承知している。その立法趣旨については承知していない。また、フランス以外に御指摘のような特例を定める国が存在するか否かについても承知していない。

四の一の2)について

御指摘の規定について詳細は承知していないが、ジェームズ・マシュー・バリー卿作の劇「ピーター・パン」又はその著作物のいずれかの翻案の公の実演等についての使用料の請求権を、その著作物の著作権が消滅したにかかわらず、ロンドン市グレート・オーモンド街の小児病院のために被信託人に付与するという内容であると承知している。その立法趣旨については承知していない。

四の二について

四の一の1)で御指摘のフランスの特例及び四の一の2)で御指摘の英国の特例について詳細を承知していないので、これらの規定のベルヌ条約又はTRIPs協定上の位置付けについてお答えすることは困難である。

御指摘の米国の法案は、基本的には、米国の著作物の著作権の効力を維持するためにはその最初の発行の五十年後及びそれから著作権保護期間終了までの十年毎に所定の著作権管理費を米国著作権局に納付する義務があり、その納付期限及び六か月間の猶予期間内に著作権管理費を納付しない場合は、猶予期間の終了時点で著作権は効力を失うという内容であると承知しているが、その詳細を承知していないので、同法案と同様の制度がベルヌ条約又はTRIPs協定に違反するか否かについてお答えすることは困難である。

五について

御指摘の点については、いずれも承知していない。

六の1)について

欧州委員会(以下「EC」という。)が著作隣接権の保護期間延長を断念した理由について詳細は承知していないが、二千四年七月にECがとりまとめた「著作権及び関連する権利の分野におけるECの法的枠組みのレビューに関するスタッフ・ワーキングペーパー」には、域内には保護期間延長について賛成意見も反対意見もあり、現時点では変更のための期が熟していないと考えられ、更に市場の動向を監視・研究すべきであるためである旨が記載されていることは承知している。

六の2)について

御指摘の点について詳細を承知していないので、お答えすることは困難である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3承知していない ×11

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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