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改正高齢法に基づく高年齢者雇用確保措置に関する質問主意書

衆議院 第165回 第238号

提出者
日本共産党
提出日
2006年12月12日
内閣転送 2006年12月18日
答弁書受領日
2006年12月22日
提出から10日
答弁の項目数
6
質問 1,145字/答弁 1,385字

質問本文

四月一日より改正高齢法に基づく高年齢者雇用確保措置の導入が、すべての事業者に義務付けられた。厚生労働省への「六月一日報告」によれば、中小企業で八二%、大企業で九四%が実施しており、さらに普及している。このうち、法改正の趣旨に則り「希望者全員の雇用」を採用したのは四八%で、過半数の企業が選定基準を設けて再雇用している。また、一部には選定基準の導入をめぐり、労使の意見対立がつづき、紛争状態になっている企業もある。今後の制度の円滑な普及と運営のため、以下質問する。

一 高年齢者雇用確保措置の導入をめぐって、労使の話し合いが不十分、又は困難な事例が見られる。つぎのような場合には、どのように判断されるのか、見解を示されたい。

1 「所属する工場又は部局に業務がある場合」とするマッチング条項について、仮に業務がない場合には誰一人として再雇用されないことになる、こうした基準も許されるのか。

2 「勤務態度」「健康」「能力・経験」に関する基準を多数設け、「すべてを満たすこと」を再雇用の条件としたために、誰一人として対象者がいない場合はいかがか。

3 同様に、六十歳時(又は五十五歳時)の賃金水準に比較して、大幅な賃金減額や生活不能な最低賃金ぎりぎりの時間給としたり、退職金を大幅に減額するなどして、再雇用の賃金原資に充てるような労働条件のために、誰一人として対象者がいない場合はいかがか。

4 対象者に係る基準について、意欲・能力等の具体性、過去に遡る査定基準に見られるように予見可能と客観性に不備があり、「望ましい基準」に抵触する場合、改善指導の対象になるのか否か。

5 子会社に再雇用させる場合、本社内に雇用確保措置を設けず、一〇〇%丸投げ方式でもよいのか。また、日常的に資本関係が希薄な関連会社や無関係な一般会社でもよいものか。

二 労使合意が成立しなかった場合の就業規則の届出に当たり、添付する「労働組合又は労働者代表の意見書」を含め不備がある場合、労働基準監督署の窓口でのチェック体制、ハローワークとの相互通報制はどのような形で行われているのか、具体的に示されたい。

三 違法または脱法的な個別案件に係る行政指導、勧告などの情報公開については、「公表の規定がない」ことを理由に公表されない場合があるが、少なくとも直接の利害関係にある当該労働組合からの要望があれば、公表すべきと思うが、いかがか。

四 高年齢者雇用確保措置の導入状況を踏まえ、今後の行政目標として、厚生労働省では「導入したところについては、より良い制度づくり、制度の充実に努めていきたい」としている。そこで、「より良い制度づくり」「制度の充実」とは、どのような内容を想定しているのか、具体的に示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から3までについて

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号。以下「高年齢者雇用安定法」という。)第九条第二項に規定する継続雇用制度の対象者となる高年齢者に係る基準(以下「対象者基準」という。)については、労使間で十分に協議した上で、各企業において、その実情に応じたものを自主的に定めるべきものであり、その内容については、原則として労使に委ねられている。

御指摘の事案については、実際の企業における具体的な事案に基づき個別に判断する必要があるが、厳格な対象者基準であるため対象者となる高年齢者がいないなど継続雇用制度が形骸化している場合や、対象者基準があいまいで事業主が恣意的に特定の者を継続雇用制度の対象から排除することができる場合などは、高年齢者雇用安定法第九条の趣旨に照らして適切でないと考える。

一の4について

対象者基準について不備があり、厚生労働省作成のパンフレットに記載している御指摘の「望ましい基準」を満たさない場合としては、対象者基準があいまいで事業主が恣意的に特定の者を継続雇用制度の対象から排除することができる場合なども考えられ、そのような場合には、公共職業安定所等による助言、指導等の対象となる場合があり得る。

一の5について

実際の企業における具体的な事案に基づき個別に判断する必要があると考えるが、子会社等で雇用しようとする場合に親会社として高年齢者雇用確保措置を講じたとみなされるためには、定年まで高年齢者が雇用されていた企業と当該子会社との間に、両者が一体として一つの企業と考えられる程度の密接な関係があり、当該子会社において継続雇用を行うことが担保されていることが必要であると考える。

二について

労働基準監督署の窓口においては、就業規則の変更届等について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九十条第二項に規定する労働組合等の意見書が添付されているかなど形式的要件を確認の上、これを受理しているところであり、その際、高年齢者雇用安定法の規定に基づく高年齢者雇用確保措置に係る不備が確認された場合などには、事業主に対し、当該不備の是正に必要な情報を提供するとともに、その助言等を求めるよう当該事業所を管轄する公共職業安定所を教示するほか、当該公共職業安定所等に連絡することとしており、連絡を受けた公共職業安定所等においては、当該事業主への指導等必要な対応を行っているところである。

三について

個別事案に対して行われる高年齢者雇用安定法に基づく指導、勧告等の公表については、同法の適正な執行を確保するための手段としての公表の必要性の程度、公表の対象となる事業主の権利又は競争上の地位を害するおそれ等を勘案して判断すべきものであり、御指摘の直接の利害関係にある労働組合の要望であることをもってこれを公表することは考えていない。

四について

高年齢者雇用安定法においては事業主に対し、平成二十五年三月末までに段階的に六十五歳まで対象年齢を引き上げ、高年齢者雇用確保措置を導入することを義務付けているところであるが、厚生労働省としては、働くことを希望する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用の確保を図るための取組の充実が必要であると考えており、同法の趣旨の徹底や先進的な取組事例の普及等を図ってまいりたい。

衆議院の原文

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