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高年法に関する質問主意書
参議院 第190回 第102号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年法」という。)には、希望者全員を対象とする継続雇用制度を就業規則で構築すること及び継続雇用後の労働条件について就業規則で定めることについて明示されていない。そのため、労働基準法第八十九条第二号及び第三号からそれらの就業規則作成義務が導かれるにも関わらず、高年法に明記されていないという理由で、①平成二十四年高年法改正後も継続雇用制度に対象となる定年退職者の選別基準を残したままにしている会社及び②継続雇用後の労働条件が就業規則上明示されていない会社が多数存在している。
その結果、①定年後の継続雇用を希望する労働者に対して、選別基準に該当しないとして継続雇用規定に基づく継続雇用を拒否しつつ、就業規則上の根拠を有しない労働条件を大幅に切り下げた個別の労働条件を提示して労使紛争に発展する事案及び②継続雇用をするとの意思表示をしつつも、社内の継続雇用規定に継続雇用後の労働条件の明示がないとして、特定の労働者についてのみ他の従業員と比較して大幅に労働条件を切り下げた個別の労働条件を提示して労使紛争に発展する事案が多発している。
紛争を多発させている要因は、希望者全員を対象とする継続雇用制度と継続雇用後の労働条件について就業規則において予め定める必要があることが高年法の運用上徹底されていないため、労使双方の予測可能性を害している点にある。
なお、高年法改正の議論では、継続雇用後の労働条件の決定は労使の自由な交渉に委ねるとされたが、これは労使の自由な交渉を踏まえて、各会社の実情にあった内容で就業規則を定めることを想定したものであり、就業規則そのものを定めず、定年退職者が会社の提示する恣意的な労働条件の受け容れを強制されることまでは想定していないと考える。
右記の通り、高年法と就業規則との関係が不明確であるため、以下、質問する。
希望者全員継続雇用と継続雇用後の労働条件について就業規則において予め定めるべきか否かは、「高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針」(平成二十四年十一月九日厚生労働省告示第五百六十号)においても明示されていない。この点については、高年法の改正又は通達等において、希望者全員継続雇用とされる継続雇用制度及び継続雇用後の労働条件について、就業規則上具体的に明示するよう国全体の運用を改善していく必要があると考えるが、就業規則での明示の要否及び今後の労使紛争発生防止のための対策について、高年法の趣旨及び労働法制全体の見地から、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
御指摘の「就業規則での明示の要否」の趣旨が必ずしも明らかではないが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)第九条第一項第二号に規定する継続雇用制度(以下単に「継続雇用制度」という。)を導入する場合においては、事業主が就業規則等において継続雇用制度を定めるよう、公共職業安定所等を通じて事業主に対する指導等を行っている。
また、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第八十九条の規定により、常時十人以上の労働者を使用する使用者は、賃金の決定、計算及び支払の方法等に関する事項、退職に関する事項等について就業規則を作成しなければならないこととされているが、継続雇用後の場合を含め、労働条件については、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)にのっとり、労働者と使用者との間の労働契約で決められるものである。
政府としては、継続雇用制度の導入に係る指導等を着実に実施するとともに、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に配置されている高年齢者雇用アドバイザーを通じて事業主に対する高年齢者の継続雇用に必要な雇用環境の整備に係る相談を行うこと等により、労働者と使用者との間の紛争の防止に取り組んでまいりたい。
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