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九州・四国等における再造林放棄地の対策に関する質問主意書

衆議院 第166回 第221号お答えすることは困難 ×2承知していない ×3検討してまいりたい ×1

提出者
日本共産党
提出日
2007年5月11日
内閣転送 2007年5月16日
答弁書受領日
2007年5月22日
提出から11日
答弁の項目数
12
質問 2,615字/答弁 3,951字

質問本文

スギ、ヒノキなど針葉樹の民有地における人工林を伐採した跡地に植栽が行われない再造林放棄地が九州各県をはじめ全国に広がっている。こうした再造林放棄地の拡大は、人工林を荒廃させ、森林資源の減少、生物多様性保全・水源の涵養機能の低下、土砂崩壊等の危険性の増大が懸念される。

人工林の再生は、森林の多様な機能の持続的な発揮と地球温暖化防止、生活環境・国土保全にとって極めて重要であり、特に再造林放棄地における早期の植生回復は喫緊の課題である。

従って、以下の事項について質問する。

一 再造林放棄地の実態把握について

1 本年一月、九州大学大学院農学研究院の吉田茂二郎教授らの研究グループは、九州地域の再造林放棄地の実態調査結果をまとめた。調査結果によると、一九九八年から二〇〇二年の五年間に伐採された人工林約五千ヘクタール、二千八百十二箇所のうち、再造林放棄地は千二百四十四ヘクタール、六百八十四箇所、二十五パーセントに上る。

再造林放棄地を各県別にみると、熊本県は五百四十四ヘクタール(二百七十箇所)、宮崎県が五百三十二ヘクタール(二百九十三箇所)、大分県が百十六ヘクタール(八十六箇所)、福岡県が三十六ヘクタール(二十一箇所)、鹿児島県が十ヘクタール、長崎県が二ヘクタール、佐賀県が二ヘクタールとなっている。

この調査結果で明らかにされた九州地域の再造林放棄地の実態について、政府はどのように考えているのか。

2 宮崎県は、人口衛星の画像解析から五年間で二千四百六十八箇所が伐採された可能性があるとのデータを下に、国有林を除外した千九百七十七箇所の調査を実施している。この調査結果によれば、再造林放棄地は三百五十箇所存在する。また、場所や伐採の有無が不明なものが三百二十五箇所あり、同県は、これらの箇所について詳細な調査を進めると再造林放棄地はさらに増加すると予想されるとしている。

これらの調査結果が示すように九州地域においては、現在も再造林放棄地が増大しているのではないかと考えられる。政府の見解を問う。

3 平成十八年三月現在の農林水産省の調査によれば、民有地における人工林の伐採後三年以上経過しても更新が完了していない伐採跡地、すなわち造林未済地(再造林放棄地)は、全国で一万七千ヘクタール存在しているが、都道府県別にその面積を明らかにされたい。

4 平成十五年三月現在の農林水産省の調査では、造林未済地(再造林放棄地)が二万五千ヘクタール存在し、平成十一年三月現在の同省の調査では、二万二千ヘクタールである。

この際、平成十五年及び平成十一年の調査についても、それぞれ都道府県別の面積を明らかにされたい。

5 平成十五年三月の調査では、造林未済地(再造林放棄地)は二万五千ヘクタール存在し増加傾向にあった。平成十八年三月の調査では減少傾向にあるが、その理由について伺いたい。

6 九州地域では、大規模な造林未済地(再造林放棄地)があるが、平成十八年三月の調査では、その実態を把握しているのか。この際、再造林放棄地についての面積別の箇所数を、十ヘクタール未満、十以上五十ヘクタール未満、五十ヘクタール以上に区分して都道府県別に明らかにされたい。

また、百ヘクタール規模以上の再造林放棄地については、その地域名を明らかにされたい。

7 再造林放棄地の保有構造の把握は、対策構築の基礎をなすものと考える。造林未済地(再造林放棄地)となっている森林を保有する林業事業体数を保有山林規模別に明らかにされたい。

また、それぞれの林業事業体が保有する山林面積に占める造林未済地のシェアについて、階層別(保有山林規模別)に明らかにされたい。併せて、造林未済地を保有する事業体の森林施業計画の策定状況について明らかにされたい。

8 高知県においては、平成十五年三月現在の調査では、造林未済地(再造林放棄地)が大幅に増加しており、在村・不在村別では不在村林地が在村の二倍近くを占めているとのことである。九州地域をはじめ全国的には、再造林放棄地での不在村者保有森林の存在はどのような実態にあるのか明らかにされたい。

9 国及び都道府県が効果的な対策を講ずる上で、再造林放棄地の正確な実態把握は不可欠である。今後とも引き続き調査し実態把握に努めるべきと考えるがどうか。

二 再造林放棄地の動向予測とその影響について

1 林業生産活動が停滞している中で、今後、再造林放棄地の面積、賦存状況はどうなると予測しているのか。

2 再造林放棄地の存在とその増大は、森林の有する多面的機能の発揮にどのような影響を与えると考えているのか。

三 再造林放棄地の発生原因について

造林未済地(再造林放棄地)の発生の原因は、木材価格の低迷、経費の増加といった林業経営環境の悪化にあると言われているが、政府の見解を伺いたい。

四 再造林放棄地対策について

1 森林・林業基本法、森林・林業基本計画に基づき、造林未済地(再造林放棄地)の解消及び発生防止に向けて、どのような見通しを持ち具体的にどのような対策を講じているのか、短期、中期、長期の対策及び構想があれば明らかにされたい。

2 農林水産省は、平成十八年四月十八日の参議院農林水産委員会において、都道府県が「伐採跡地の適確な更新を確保するための行動計画」(平成十七−十九年度)等に従って、造林未済地(再造林放棄地)の計画的な解消、伐採・伐採後の届出制等により拡大を抑制していく旨答弁している。

各都道府県が策定した同行動計画等による造林未済地の解消、発生防止対策の進捗状況及び効果について政府の見解を伺いたい。

また、同行動計画は造林の目標数値を設定した上で、造林未済地の計画的解消等を進めていると考えるが、その目標に照らしてどの程度解消したのか都道府県別に明らかにされたい。

3 三で示したような、木材価格の低迷、経費の増加といった林業経営環境をめぐる根本問題が解決されない中で、農林水産省が現在取組んでいる造林未済地(再造林放棄地)解消及び発生防止に向けた対策の実効性について、政府の見解を伺いたい。

4 伐採跡地の植栽へのインセンティブを働かせるための林業経営者の経済的コスト負担の軽減策の他、保安林以外の森林についても植栽を義務付ける制度の導入などが必要と考えるが、政府の対処方針を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

林野庁が平成十八年に都道府県に依頼して行った造林未済地(人工林伐採跡地のうち伐採が終了した日を含む伐採年度の翌伐採年度の初日から起算して三年以上経過しても植栽等の更新が完了していないものをいう。以下同じ。)の現況調査(以下「平成十八年調査」という。)によれば、九州地域の造林未済地の面積は、平成十七年度末現在で約三千五百ヘクタールとなっており、その解消及び発生防止が重要であると考えている。

一の2について

九州地域の造林未済地の面積は、平成十五年に都道府県に依頼して行った造林未済地の現況調査(以下「平成十五年調査」という。)では、平成十四年度末現在で約四千六百ヘクタールであったが、その後植栽されたもの及び天然更新が確認されたものが約三千八百ヘクタール、新たに造林未済地となったものが約二千七百ヘクタールとなっており、平成十八年調査では、平成十七年度末現在の造林未済地は、約三千五百ヘクタールとやや減少している。しかしながら、造林未済地の新たな発生が続いていることから、今後とも森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)に基づく森林計画制度の適切な運用や森林整備事業の活用等により、造林未済地の解消及び発生防止に取り組んでまいりたい。

一の3及び4について

お尋ねの都道府県別の平成十五年調査及び平成十八年調査における造林未済地の面積については、それぞれ、北海道一万千五百五十二ヘクタール及び八千九百八十二ヘクタール、青森県三百二十五ヘクタール及び七百四十九ヘクタール、岩手県二千百三十八ヘクタール及び八百二十三ヘクタール、宮城県二百三十八ヘクタール及び五十九ヘクタール、秋田県千三百九ヘクタール及び三百八十六ヘクタール、山形県四百八十三ヘクタール及び百六ヘクタール、福島県二百十六ヘクタール及び零ヘクタール、茨城県九ヘクタール及び十四ヘクタール、栃木県百四十一ヘクタール及び四十七ヘクタール、群馬県百七十六ヘクタール及び四十四ヘクタール、埼玉県二百十四ヘクタール及び百九十八ヘクタール、千葉県八十八ヘクタール及び十四ヘクタール、東京都百三十八ヘクタール及び百四十六ヘクタール、神奈川県零ヘクタール及び零ヘクタール、新潟県百十三ヘクタール及び百十四ヘクタール、富山県零ヘクタール及び零ヘクタール、石川県零ヘクタール及び一ヘクタール、福井県十三ヘクタール及び零ヘクタール、山梨県八ヘクタール及び十二ヘクタール、長野県六十七ヘクタール及び二百六ヘクタール、岐阜県十九ヘクタール及び十三ヘクタール、静岡県七十五ヘクタール及び百八ヘクタール、愛知県一ヘクタール及び一ヘクタール、三重県八百七ヘクタール及び八百十七ヘクタール、滋賀県十二ヘクタール及び一ヘクタール、京都府三十三ヘクタール及び二十三ヘクタール、大阪府零ヘクタール及び零ヘクタール、兵庫県五十八ヘクタール及び一ヘクタール、奈良県三百三十三ヘクタール及び四十九ヘクタール、和歌山県二百七ヘクタール及び百三十二ヘクタール、鳥取県百ヘクタール及び百十九ヘクタール、島根県五百十五ヘクタール及び九ヘクタール、岡山県九十二ヘクタール及び十ヘクタール、広島県九十二ヘクタール及び百一ヘクタール、山口県八十四ヘクタール及び六十五ヘクタール、徳島県五十一ヘクタール及び五十三ヘクタール、香川県三十九ヘクタール及び三ヘクタール、愛媛県百十七ヘクタール及び十ヘクタール、高知県二百四ヘクタール及び三百四十八ヘクタール、福岡県七十九ヘクタール及び百十一ヘクタール、佐賀県十四ヘクタール及び十二ヘクタール、長崎県三十九ヘクタール及び五ヘクタール、熊本県百三十一ヘクタール及び七百二十七ヘクタール、大分県六百一ヘクタール及び七百四十三ヘクタール、宮崎県三千五百四十六ヘクタール及び千八百九十六ヘクタール、鹿児島県百八十ヘクタール及び二十一ヘクタール、並びに沖縄県零ヘクタール及び零ヘクタールとなっている。

なお、平成十一年の都道府県別面積については、資料が存在しないため、お答えすることは困難である。

一の5について

お尋ねの造林未済地が減少した理由としては、都道府県において、平成十五年調査後に伐採跡地の適確な更新を確保するための三か年の行動計画(以下「都道府県行動計画」という。)を作成し、造林未済地の解消に向けて、森林計画制度に基づく伐採及び伐採後の造林の届出の周知徹底、森林整備事業等を活用した人工造林による確実な更新の実施等が行われたことによるものと考えている。

一の6について

お尋ねの面積別の箇所数及び再造林放棄地については、把握していない。

一の7について

お尋ねの林業事業体数、造林未済地のシェア及び森林施業計画の策定状況については、把握していない。

一の8について

お尋ねの再造林放棄地での不在村者保有森林の存在については、把握していない。

一の9について

造林未済地の実態を把握し、効果的な対策を講じるため、必要に応じて造林未済地の現況に関する調査の実施について検討してまいりたい。

二について

造林未済地の今後の動向を把握することは困難であるが、その増加は、森林の公益的機能の発揮や木材の安定的な供給にも支障を及ぼすおそれがあると考えている。

三について

木材価格の低迷等による森林所有者の経営意欲の減退等によって、伐採後も造林されない森林が発生していると認識している。

四の1、3及び4について

平成十八年九月に策定された森林・林業基本計画(平成十八年九月八日閣議決定)においては、造林未済地について、新たな発生を抑制しつつ、早期に適切な更新を確保するための対策を推進することとされている。これを受けて、森林整備事業等の活用による造林未済地の解消対策や、森林計画制度の遵守を通じた発生の未然防止に努めるとともに、新たに造林未済地対策のための担当者会議を平成十九年四月から地域別に行い指導を徹底するなど、地方自治体と一体となった取組を進めているところである。

また、人工林における針広混交林化などの多様な森林整備を進めるとともに、森林所有者の経営意欲を高めることにもつながる木材の安定供給システムの構築などの取組を通じ、造林未済地の解消を図るための森林の適正な管理の推進に努めてまいりたい。

なお、保安林以外の森林の伐採後の植栽については、森林法に基づく市町村森林整備計画の作成に当たり、人工林について、植栽によらなければ適確な更新が困難な森林に指定し、伐採後は原則として植栽するよう技術的助言を行っており、今後とも、地方自治体を通じ、森林所有者等に対する指導の徹底に努めてまいりたい。

四の2について

平成十八年調査による平成十七年度末の造林未済地の面積は、平成十五年調査による平成十四年度末の数値と比較して約八千ヘクタール減少しており、都道府県行動計画に基づく取組により、一定の効果は上がっているものと考えている。

また、お尋ねの都道府県行動計画の目標に対する実績については、造林等目標面積及び平成十七年度末更新等確認面積のそれぞれについて、北海道八千五百二十八ヘクタール及び三千五百八十五ヘクタール、青森県七十一ヘクタール及び零ヘクタール、岩手県七百一ヘクタール及び三百六十七ヘクタール、宮城県三百十七ヘクタール及び二百五十九ヘクタール、秋田県二百九十二ヘクタール及び二ヘクタール、山形県二ヘクタール及び一ヘクタール、福島県零ヘクタール及び零ヘクタール、茨城県一ヘクタール及び一ヘクタール、栃木県四十八ヘクタール及び十五ヘクタール、群馬県百八ヘクタール及び七十六ヘクタール、埼玉県百八十一ヘクタール及び零ヘクタール、千葉県四十三ヘクタール及び三十三ヘクタール、東京都八十二ヘクタール及び十二ヘクタール、神奈川県零ヘクタール及び零ヘクタール、新潟県百三ヘクタール及び四ヘクタール、富山県零ヘクタール及び零ヘクタール、石川県零ヘクタール及び零ヘクタール、福井県二ヘクタール及び二ヘクタール、山梨県四ヘクタール及び四ヘクタール、長野県二ヘクタール及び二ヘクタール、岐阜県一ヘクタール及び一ヘクタール、静岡県一ヘクタール及び零ヘクタール、愛知県零ヘクタール及び零ヘクタール、三重県六百七十ヘクタール及び六十九ヘクタール、滋賀県一ヘクタール及び零ヘクタール、京都府二十三ヘクタール及び十一ヘクタール、大阪府零ヘクタール及び零ヘクタール、兵庫県二ヘクタール及び二ヘクタール、奈良県八十三ヘクタール及び七十ヘクタール、和歌山県三十七ヘクタール及び二ヘクタール、鳥取県三十六ヘクタール及び一ヘクタール、島根県二十八ヘクタール及び十八ヘクタール、岡山県十五ヘクタール及び十三ヘクタール、広島県八十七ヘクタール及び一ヘクタール、山口県四十一ヘクタール及び二十四ヘクタール、徳島県五十一ヘクタール及び二十五ヘクタール、香川県三ヘクタール及び零ヘクタール、愛媛県十一ヘクタール及び零ヘクタール、高知県七十三ヘクタール及び零ヘクタール、福岡県九ヘクタール及び七ヘクタール、佐賀県十ヘクタール及び零ヘクタール、長崎県十一ヘクタール及び十一ヘクタール、熊本県七十七ヘクタール及び七十七ヘクタール、大分県五百六十五ヘクタール及び五十八ヘクタール、宮崎県千二百三ヘクタール及び千二十六ヘクタール、鹿児島県三十六ヘクタール及び十六ヘクタール、並びに沖縄県零ヘクタール及び零ヘクタールとなっている。

なお、造林等目標面積には、平成十五年三月三十一日時点の造林未済地面積のうち、平成十六年の都道府県行動計画の策定時までに更新等が確認された面積は含まないものとしている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×3検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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