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エリツィン前ロシア大統領の葬儀についての外務大臣の認識に関する質問主意書
衆議院 第166回 第404号
質問本文
一 二〇〇七年六月十五日発売の週刊金曜日六頁に、「『ロシア行きの便がなかった』は間違い!万死に値する外務官僚」との見出しで、
「麻生太郎外相は六月十日、仙台市の外交フォーラムで、ロシアのエリツィン前大統領の葬儀に日本から特使を派遣しなかった理由を概略こう述べた。
『(ロシアへの)便がない時間に(葬儀日程を)発表したとしか思えない。これは多くの人たちに来て欲しくないと考えるのが普通。なんだか(ロシア)国内の政治も難しいだろうなと。多くの国々と連絡したうえで、斎藤(泰雄ロシア)大使を送り、ソ連側は斎藤大使だけをプーチン夫人に面会させております。(両国の)関係がおかしくなっていることはありません』
しかし、政府が五月十一日に閣議決定した鈴木宗男衆議院議員の質問主意書に対する答弁書などによると、葬儀に間に合うモスクワ行きの便はあった。また、塩崎恭久官房長官も間に合う民間の航空便がなかったとの説明を修正、人選が間に合わなかったと釈明している(『北海道新聞』五月十二日)。
ロシアをソ連と間違えるのは論外だが、どうも麻生外相には、エリツィン氏とプーチン氏との関係など、的確な情報が外務官僚から上がっていないのではないか。官僚が不作為や準備不足を覆い隠そうとしているようにもみえる。
起訴休職外務事務官の佐藤優氏は『弔問外交に誰を派遣するかで、その国の歴史認識や政治的問題意識がわかります。外国と相談して決める話ではない。日本の特使が「シベリア抑留者問題を謝罪したエリツィン氏は、ロシアをスターリン主義から解放した真の愛国者だ」と演説すれば、プーチン大統領に対する牽制になった。外務官僚の不作為は万死に値する』と話している。」
との記事(以下、「週刊金曜日記事」という。)が掲載されていることを外務省は承知しているか。
二 「週刊金曜日記事」にあるように、二〇〇七年六月十日の仙台市での外交フォーラムにおいて、麻生太郎外務大臣が「(ロシアへの)便がない時間に(葬儀日程を)発表したとしか思えない。これは多くの人たちに来て欲しくないと考えるのが普通。なんだか(ロシア)国内の政治も難しいだろうなと。多くの国々と連絡したうえで、斎藤(泰雄ロシア)大使を送り、ソ連側は斎藤大使だけをプーチン夫人に面会させております。(両国の)関係がおかしくなっていることはありません」との旨の発言(以下、「麻生発言」という。)をしたことは事実か。確認を求める。
三 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」は、外務官僚によるレクチャーを受けてのものか、または麻生太郎大臣の考えによるものか。
四 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「(ロシアへの)便がない時間に(葬儀日程を)発表したとしか思えない。これは多くの人たちに来て欲しくないと考えるのが普通。」との発言はどのような事実に基づいたものか説明されたい。エリツィン前ロシア大統領の葬儀(以下、「エリツィン氏の葬儀」という。)の日程を、ロシア側が日本からロシアに向かう飛行機の便がない時間に発表したという事実があるか。あるのならば、それはロシア側が多くの人に「エリツィン氏の葬儀」に参列して欲しくないという意図があってのことか、その客観的根拠を明らかにされたい。
五 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「なんだか(ロシア)国内の政治も難しいだろうなと。」との発言はどのような事実に基づいたものか説明されたい。ロシア国内のどのような状況を指して「ロシア国内の政治が難しい」とするのか、その客観的根拠を明らかにされたい。
六 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「多くの国々と連絡したうえで、斎藤(泰雄ロシア)大使を送り、ソ連側は斎藤大使だけをプーチン夫人に面会させております。」の部分につき、「多くの国々」とはどの国を指すのか全て明らかにされたい。また、在ロシア斎藤泰雄日本国大使(以下、「斎藤大使」という。)がプーチン大統領夫人に面会した際にどのような発言を行ったか明らかにされたい。
七 二の「麻生発言」に関し、麻生太郎外相がロシアを「ソ連側」と表現したことに対する外務省の評価如何。
八 「エリツィン氏の葬儀」の際に、「斎藤大使」以外にプーチン大統領夫人と面会した人物はいるか。いるのならば、その人物は誰か明らかにされたい。
九 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「(両国の)関係がおかしくなっていることはありません」との発言はどのような事実に基づいたものか説明されたい。「エリツィン氏の葬儀」へは、日本側からは「斎藤大使」のみの参列に留まったが、そのことで日ロ関係がおかしくなっていることはないとする、その客観的根拠を明らかにされたい。
十 「週刊金曜日記事」の中に、「どうも麻生外相には、エリツィン氏とプーチン氏との関係など、的確な情報が外務官僚から上がっていないのではないか。」との記述があるが、外務官僚が麻生太郎外相に対して、エリツィン前ロシア大統領とプーチン現ロシア大統領との関係等について的確な情報を上げていないという事実があるか。
十一 「週刊金曜日記事」の中に、「官僚が不作為や準備不足を覆い隠そうとしているようにもみえる。」との記述があるが、「エリツィン氏の葬儀」に際して、外務官僚の不作為や準備不足を覆い隠そうとしているという事実があるか。
十二 十と十一の事実がないのならば、外務省は週刊金曜日に対して何らかの意見を伝えたか。伝えていないのならば、その理由を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の記事については、外務省として承知している。
二について
麻生太郎外務大臣は御指摘の外交フォーラムにおいて、おおむね御指摘の趣旨の発言をしている。
三について
麻生太郎外務大臣は、従来からの政府の認識を踏まえ発言したものである。
四について
エリツィン・ロシア連邦初代大統領の葬儀に関しては、ロシア側から外交ルートを通じて、平成十九年四月二十五日に葬儀を行う旨の連絡が、同月二十四日午前にあったが、この時点で、準備を行った上で東京都内から空港に移動して葬儀に間に合う航空便に搭乗することはできなかった。また、このロシア側からの外交ルートでの連絡の際は、併せて、葬儀に外国代表団を公式に招待することは予定されていない旨説明があった。御指摘の麻生太郎外務大臣の発言の趣旨は、この事実を踏まえたものである。
五について
御指摘の麻生太郎外務大臣の発言は、エリツィン・ロシア連邦初代大統領の葬儀の日程に関するロシア側からの連絡等から判断して、葬儀の日程等の調整が容易でなかったのではないか、との趣旨を述べたものである。
六及び八について
外務省として、外交上の個別のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。なお、御指摘の大使は、葬儀の場においては、御指摘の大統領夫人とは面会しておらず、御遺族と面会したものであり、御指摘の麻生太郎外務大臣の発言は、言い間違いであると思われる。
七について
御指摘の麻生太郎外務大臣の発言は、単なる言い間違いである。
九について
御指摘の麻生太郎外務大臣の発言は、平成十九年五月三日に行われた日露外相会談において、会談冒頭、ラヴロフ・ロシア連邦外務大臣より、日本政府からのエリツィン・ロシア連邦初代大統領への弔意表明に対する感謝の意が示されたこと等を踏まえたものである。
十及び十一について
お尋ねの事実はないと承知している。
十二について
我が国の外交政策に関する個別の報道への対応については、その事実関係や報道のもたらす影響等を総合的に勘案して、外務省として適切に対処している。御指摘の報道については、外務省としての意見を伝えていない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。