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海上幕僚監部による海上自衛隊補給艦給油量の誤差隠蔽に関する質問主意書
衆議院 第168回 第142号
質問本文
一 海上自衛隊の補給艦が二〇〇三年二月にインド洋で米補給艦に給油した量を巡り、二十万ガロンから八十万ガロンへと防衛省が訂正した問題で、海上幕僚監部が二〇〇三年当時から誤りに気づいておきながら、当時の防衛庁長官に真実を報告せず、隠蔽していたこと(以下、「隠蔽」という。)が明らかになったが、なぜ「隠蔽」は行われたのか。その原因、経緯を明らかにされたい。
二 二〇〇三年五月九日、当時の福田官房長官が記者会見で「キティホークの燃料消費は一日二十万ガロンで、(海自提供の燃料は)ほとんど瞬間的に消費してしまう。イラク関係に使われることはあり得ない」と述べ、また当時の石破防衛庁長官は同年同月十五日の参議院外交防衛委員会で「アメリカに確認したところ、二月二十五日に米補給艦に二十万ガロン燃料提供した」旨答弁しているが、福田官房長官と石破防衛庁長官が右の答弁を行う以前に海上幕僚監部が「隠蔽」を行い、両氏に対して真実を伝えていなかったということか。
三 「隠蔽」に主導的役割を果たした人物及び「隠蔽」に第一義的責任を負う人物は誰か。「隠蔽」に関わった人物の官職氏名を全て明らかにされたい。
四 二〇〇七年十月二日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六八第四三号)では、二〇〇三年二月のインド洋における海上自衛隊の補給艦による米補給艦への給油量が二十万ガロンではなく八十万ガロンであったことについて、「これは、平成十五年当時、海上幕僚監部において給油量に関するデータを集計する作業を行った際、当該米補給艦への給油量を他の艦船への給油量と取り違えて入力した事務的な誤りによるものである。」との答弁がなされているが、右の事務的な誤りに政府が気づいたのはいつか。
五 「隠蔽」が発覚したのはいつか。
六 四の事務的な誤りに政府が気づいてから、五の「隠蔽」が発覚するまでの間、なぜ政府は「隠蔽」に気づかなかったのか。
七 三の人物に対してどのような処分が検討されているか明らかにされたい。
八 二〇〇七年十月二十二日の朝日新聞一面には、「当時の担当者は二十万ガロンから八十万ガロンに増えても、イラクへの転用はないから重大な問題ではないと判断したようだ」との防衛省首脳のコメントが掲載されているが、右コメントに対する政府の見解如何。イラク戦争への転用がなかったので、実際は八十万ガロンの給油量を二十万ガロンとした誤りを公表しなくても問題はないと政府は考えているか。
九 シビリアンコントロールの定義如何。
十 八のコメントにあるように、イラクへの転用はないから給油量の誤差は重大な問題でないと判断し、誤差を隠蔽することを決めた海上幕僚監部の行動は、シビリアンコントロールの観点から問題であると政府は考えるか。
右質問する。
政府答弁書
一から六までについて
お尋ねに係る事実関係については、現在も調査中であること等から、すべてを確定的にお答えすることはできないものの、現時点では、防衛省として、おおむね次のとおり把握しているところである。
平成十五年二月二十五日、海上自衛隊補給艦ときわは、米補給艦ペコスに対して約八十万ガロンの給油を、米駆逐艦ポール・ハミルトンに対して約二十万ガロンの給油を行った。
平成十五年二月二十六日、当時の防衛庁海上幕僚監部防衛部運用課(以下「運用課」という。)等は、インド洋に派遣されている派遣海上支援部隊の指揮官から当該給油に係る報告を受領した。また、同日、海上幕僚監部装備部需品課(以下「需品課」という。)等は、当該部隊から当該給油に係る受領証の写しが添付された電子メールを受領した。運用課の担当者は、同日ころ、当該報告に記載された給油量をパソコンソフトを用いて作成された給油量の集計表に転記したが、その際、米補給艦ペコスへの給油量と米駆逐艦ポール・ハミルトンへの給油量とを取り違えて入力した。
平成十五年五月六日、イラクの自由作戦に従事したキティホーク空母戦闘群のマシュー・G・モフィット司令官が、海上自衛隊から米補給艦を経由して間接的に約八十万ガロンの燃料補給を受けた旨を発言したとの報道がなされた。
平成十五年五月八日、当時の石川統合幕僚会議議長は、当該集計表に基づき、記者会見において、海上自衛隊から米補給艦に約二十万ガロンの補給を実施している旨を述べた。
平成十五年五月九日、海上幕僚監部防衛部防衛課長等は、需品課の担当者からの指摘により、前記の取り違えによる誤りに気付いたが、米補給艦ペコスが我が国から補給を受けた直後に米空母キティホークに補給したことに係る問題が当時沈静化しつつあったこと等を考慮し、適切な報告を行わず、当該誤りに係る訂正の措置をとらなかった。
一方、平成十五年五月八日、防衛庁防衛局防衛政策課の担当者は、米補給艦ペコスが我が国から補給を受けた直後に米空母キティホークに補給したことに係る問題に関する防衛庁としての応答要領を前記の当時の石川統合幕僚会議議長の記者会見の内容を踏まえて作成した。この結果、当時の福田内閣官房長官が同月九日の記者会見において、また当時の石破防衛庁長官が同月十五日の参議院外交防衛委員会において、それぞれ海上自衛隊補給艦から米補給艦への給油量は約二十万ガロンである旨の説明をすることとなった。
七について
現在、当時の海上幕僚監部及び防衛庁内部部局等に所属していた関係者について、事実関係の調査を行っているところであり、関係者に対する処分については、当該調査により認められた事実関係を踏まえ、厳正かつ適切に行うことを考えている。
八及び十について
平成十五年当時、一から六までについてで述べた取り違えによる誤りが生じていたことについて、海上幕僚監部防衛部防衛課長等が気付いていたにもかかわらず、適切な報告を行わず、当該誤りに係る訂正の措置やその旨を公表するための措置をとらなかったことは、防衛省や自衛隊の事務処理の在り方に対する信頼を損ねるとともに、文民統制に係る極めて重大な問題であると考えている。
九について
シビリアン・コントロールは、文民統制のことを指し、民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味するものと考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。