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米軍再編に伴う岩国基地騒音問題に関する質問主意書
衆議院 第168回 第258号お答えすることは困難 ×7趣旨が明らかではない ×2承知していない ×2検討してまいりたい ×1
質問本文
米軍再編に伴う岩国基地の騒音問題に関し、次の事項について質問する。
1 用語の意味および定義について
次の用語の意味を説明されたい。
(1) 空母着艦資格取得訓練(CQ)
(2) 陸上基地で行う昼夜の着艦訓練(FCLP)
(3) 基地の上空を旋回しながらの滑走路でタッチ・アンド・ゴウを繰り返す着艦訓練
(4) ジェット機の夜間離着陸訓練(NLP)
(5) ジェット機の夜間離着陸訓練(NLP)の時間帯
(6) NLP施設
(7) C(チャーリー)海域・R六一一六空域
(8) L(リマ)海域・空域
(9) 再編後のWECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)コンター図でいう第一種区域、第二種区域、第三種区域
2 岩国基地滑走路の沖合い移設について
(1) 移設は市街地の安全と騒音軽減が目的で、航空機騒音に係る環境基準(環境庁告示)を達成するために計画されたのではないのか。
(2) 岩国飛行場に係る航空機騒音予測コンターについて(平成十八年七月防衛施設庁)の「�@再編後のWECPNLコンターと�B環境アセス調査のWECPNLコンターの比較」なるものがあるが再編後の環境アセスは実施したのか。ここでいう環境アセスが再編後のものとなると何時どのように実施したのか、その結果と共に示されたい。
(3) 市街地の騒音はアセス調査より、再編後の方が大きいが、環境アセスの結果は、守るべき最低条件ではないのか。これを超えることは許されないのではないか。
(4) 環境アセス調査のWECPNLコンター曲線の根拠となったアセス調査データの環境基準に示す数式のdb(A)の値やN値を構成するN1、N2、N3、N4の値を明らかにせよ。
(5) 岩国基地滑走路の沖合い移設は工場上空の飛行を解消し、工場地域への飛行機事故の防止と騒音軽減のためだったはずであるが、この件に関し、国会では、どのように説明が行われたのか。
(6) 米軍再編では、岩国基地は戦闘機および軍人の増加による機能強化の内容になっているが、この件に関し、国会では、どのように説明が行われたのか。
3 岩国基地での夜間離着陸訓練(NLP)について
(1) 安倍前首相は、二〇〇六年十二月二十日中国新聞のインタビュー記事で、「NLP施設を岩国に設置しない。」と発言しているが、NLPはしないということで良いか。
(2) NLPについて旧広島防衛施設局は、住民説明会において地区毎に違った発言をしている。例えば、東地区住民説明会では低騒音機は実施するが、ジェット機は実施しない。ある地区ではNLPを実施する、と言っており食い違いがある。前号の安倍前首相発言とも矛盾している。NLPを実施するのかしないのか、低騒音機のみ実施するのか、あるいはジェット機も実施するのか。
(3) 前号でNLPを岩国で実施すると回答した場合は、(1)の安倍前首相の発言は岩国市民の反対を抑えるための意図的な発言だったのか。だとしたら、一国の首相が国民を欺くような発言をした責任は重大である。これは、重大な問題だと思うが、政府の責任のとりかたを聞きたい。
(4) 前(2)(3)号の関連で質問する。NLPはNLP施設がなくてもできるのか。
(5) NLPとは午後何時から午前何時までの訓練をいうのか。
(6) 鹿児島県沖の無人島にNLP専用滑走路を設置する件はどうなっているのか。
4 航空機騒音に係る環境基準(環境庁告示)について
(1) 航空機騒音に係る環境基準(環境庁告示)は【環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項の規定に基づく騒音に係る環境上の条件・・・以下省略】(以下、環境基準という。)によると環境基準は屋外での測定値が地域の類型�Tで七〇WECPNL以下、地域の類型�Uで七五WECPNL以下と決められている。
また、達成期間が決められていて新設飛行場は直ちに、既設飛行場は第一種から第三種の区分ごとに達成期間が決められている。再編後はこの環境基準が守れるのか。
(2) 岩国基地の移設滑走路は新設飛行場に該当するのではないか。
(3) 前号の場合、住居等の防音対策ではなく屋外での環境基準の達成が義務化されているのではないか。
(4) 岩国の市街地は概ね地域類型�Uに指定されており七五WECPNL以下でなければならないが、再編後のWECPNLコンターによると川下地区の一部と東地区全域が七五WECPNLを超えている。環境基準は屋外で七五WECPNL以下が必須条件とされているが、達成方法を示されたい。
(5) 新設飛行場の環境基準は直ちに達成することとされている。従って環境基準を達成していないと、艦載機の移駐は出来ないのではないか。
5 騒音について
(1) 最高裁は、厚木基地騒音訴訟において、「騒音は違法である」との判決を下した。これと同じ状態を岩国に持ってくるのは違法ではないか。
(2) 政府説明資料によると、航空機騒音に係る環境基準も達成出来ておらず、この状態は違法ではないか。
(3) このまま艦載機を移転すると違法状態になると思われるが、首相や防衛相、および政府に厚木基地騒音訴訟の違法判決や環境基準を無視して岩国に艦載機を移転させる権限があるのか。
(4)イ 安倍前首相は、滑走路の沖合い移設で移駐後も騒音は軽減すると発言している。また東地区住民説明会でも東地区は軽減すると説明されたが、本当に騒音は軽減されるのか。
ロ 東地区住民説明会で「再編後のWECPNLコンターの飛行経路について担保されているか。」との質問に回答がなかった。再編後のWECPNLコンターの飛行経路は担保されるか。
ハ 前号で担保がないとの回答の場合に質問する。
飛行経路が担保されないとすれば再編後のWECPNLコンターに根拠がなくなるが、なぜ根拠のないコンターで説明するのか。
ニ 再編後のWECPNLコンターと現状のWECPNLコンターとの比較(増減部分)と第一種区域の減少(一、六〇〇ha→五〇〇ha)資料は防音工事対象区域の増減を示すもので、確かに防音工事対象区域面積は減っている。しかし、これらの資料を見ると騒音が大きくなり環境基準を超える地域があるにもかかわらずそのことには意図的に触れていないのではないか。
ホ 東地区住民説明会で提示された各種コンターはB5サイズ程度に瀬戸内海海域から岩国市郊外の山地まで書き込まれているため、河川や国道はもとより街区も分らないものになっている。もっと大きな地図での提示と岩国市民への説明をするべきではないか。その際には騒音値を七〇WECPNLから九〇WECPNLの間を五WECPNL単位で示し、また環境基準で言う地域類型�Tと�Uの識別とWECPNL基準値を示し、更に再編前後の増減が一目で分るように工夫された各種コンターを示して、これらを岩国市住民に周知徹底できる方法で提示するべきではないか。
ヘ 各種コンターは本当に正しいのか。移転後に測定すると言っているが、そのような安易な考えは受け入れられない。計算根拠となった時間区分ごとのピークレベルと飛行回数を決めて算出しているのだから、その算出根拠を厳守すればいい話ではないか。
(5) 今までの質問を集約し、本当に騒音は軽減されるのか、環境基準は守れるのか、一部地域でも増加や環境基準を超えることはないと言えるのか。
(6) 騒音の増加があると認めた場合、安倍前首相は、再編後も騒音は「軽減する」と言っているが、もしも反対意見を抑えるための意図的な発言だったとしたら、一国の首相が国民を欺くような発言をした責任は重大である。3(3)と同様に、この責任は重大であると考えるが、政府の責任のとりかたを聞きたい。
(7) 艦載機移転の機数は五九機で機種は公表されているが機種毎の機数も公表すべきではないか。
(8) 近い将来、通常空母が原子力空母に変った場合でも、艦載機移転の機数や機種の構成は変わらないか。
(9) 艦載機移転の機数や機種の構成は未来永劫、現案と変わらないか。
(10) 前(8)(9)号が変わると回答した場合について質問する。
イ 機数や機種の構成が変わっても、現在説明されているコンター図の根拠となる環境基準に示す数式のdb(A)の値やN値を構成するN1、N2、N3、N4の値の何れも上回ることはないか。
ロ 「イ」で上回ると回答した場合に質問する。
コンターの根拠や騒音が軽減すると言った根拠がなくなるがどうなのか。
(11) 住民説明会用の各種コンター図を作成するもとになったWECPNL算出根拠の環境基準に示す数式のN値を構成するN1、N2、N3、N4の値を全て公表すべきではないか。
(12) 騒音値を示すdb値は六db増すごとに、騒音は二倍になるが、WECPNLの場合も六WECPNL増すごとに騒音は二倍になるとしていいか。
(13)イ アメリカにおける米軍の飛行機騒音の環境基準は、日本の環境基準より厳しいと聞いている。また、生物の生息地域での飛行は禁止されているとも聞いている。従って、飛行訓練は人間も、生物も住まない砂漠地帯で実施しているとのことだが本当か。
ロ アメリカの飛行機騒音環境基準の実態を、日本の環境基準と比較して説明されたい。また、アメリカの飛行機騒音環境基準を日本語に訳して説明されたい。
ハ この話が本当だとすれば、米軍は日本国内の住宅密集地で大きな騒音を轟かせて自由に訓練しており、大きな違いがある。米軍にアメリカの法律を適用するとか、日本の環境基準をアメリカ並みに改定し、米軍に遵守義務を負わせる考えはないか。
6 現状の防音工事について
(1) 現状の住宅防音工事は殆ど効果がない。桂町二丁目での事例でジェット機が飛ぶと、窓を締め切っていても開放していてもテレビ、電話、会話が聞こえないことには変わりがない。もっと効果的な防音対策が必要ではないか。
(2) 住宅の防音工事の性能は八〇WECPNL以上の区域で二五db以上の遮音量、七五から八〇WECPNL未満の区域では二〇db以上の遮音量とするとなっているが、これなら室内で最大でも六五db以下、最小で五五db以下になる。しかし、現状はテレビも電話も会話も聞こえない状態なので八〇db程度はあると推測される。目的の性能が出ていないと思われるがどうか。
(3) 防音工事で目的の遮音性能が出ないのは、仕様に問題があるからではないか。指定工法での遮音性能測定データを提示するべきではないか。
(4) 施工済み住宅の防音工事の遮音性能点検を早急に行い、結果を公表し、結果次第では遮音性能を満足いくものにするための改良工事を早急に実施すべきだと思うがどうか。
(5) 防音効果は部屋の密閉状態を前提にしているにもかかわらず、冷暖房器等にかかる電気代、修理費は個人負担でしかも老朽化による取替え費用は一割が自己負担と聞いている。これら諸費用は発生源者が負担すべきではないか。
(6) 冷暖房器等が故障して取替える場合は、申請の受付後に予算化されるので、取替えは通常一〜二年先になるとの回答であった。冷暖房器等がないまま一〜二年も生活しなければならないとすれば対応が遅すぎないか。
(7) 新築工事の段階から防音工事の補助が必要ではないか。
7 その他
(1) 安倍前首相は住民の理解を得る努力をするとも発言していた。また、広島防衛施設局の住民説明会では数十ページにおよぶ資料は提供されたものの、その一部を説明するだけであり、住民の要望や質問で回答できないものは上層部に伝えると言っていたが、その後何ら音沙汰がない。政府と住民の双方が、ただ一方的に話すだけで住民の要望や質問に何らの回答もない、聞き置くだけの説明会で「説明責任が果たせた。」と言えるのか。
(2) 岩国でFCLPは実施しないか。
(3) 再編後のWECPNLコンターはNLPやFCLPを含んだ値なのか。そうだとしたら感覚的ではあるが、コンター図の値が低いように感じられるがどうか。
(4) FCLPと基地の上空を旋回しながらの滑走路でタッチ・アンド・ゴウを繰り返す着艦訓練とは別の訓練か。
(5) 以前は岩国の航空機騒音は今ほど大きくなかった。航空機の性能向上に伴い騒音が大きくなったのであって、今後も航空機の性能向上は止まらないと思うが、それでも再編後のWECPNLコンターのとおり未来永劫守られるか。
(6) 政府説明の再編後のWECPNLコンターは滑走路上を飛行する経路で作成されているが、滑走路から西側の市街地側への飛行は一切ないと確約できるか。
(7) 厚木基地からのCQは、これを終えて厚木基地へ帰還する時間が深夜になるそうだが、岩国基地からCQへの飛行はあるのか。岩国基地運用時間外の深夜帰還はないと言えるか。またCQ実施海域全てを明らかにされたい。
(8) 日本政府はいつも米軍のNLPや低空飛行などの訓練に関するトラブルの多くを、「米軍の運用範囲内」と説明しており歯止めがかけられない状態である。今回の米軍再編に関しても政府説明に米軍から注文が付くことがままあり、政府説明が守られると鵜呑みにできないと岩国市民は思っているが、政府説明は厳守できると言えるか。
(9) 日本国民の安心安全を米軍から守るため、騒音、安全、事件および事故に関する全てに日本の法律で対処できるよう見直しすべきではないか。
(10) 米軍岩国海兵隊基地に対して、岩国市および岩国市民はこれまで多大な協力をしている。政府および米国は、この協力に対する評価と代償措置をどのように実施してきたのか。
8 今までの質問に関する回答全てに厳守すべき担保が付けられるか。
右質問する。
政府答弁書
1の(1)について
お尋ねの「空母着艦資格取得訓練(CQ)」については、政府として必ずしもその詳細を承知しているわけではないが、米側によれば、CQとは、空母着艦に必要な資格であり、米空母艦載機のパイロットは、最後に空母に着艦してから一定期間を過ぎると空母着艦に必要な資格を喪失することから、再度空母への着艦に必要な資格を取得するため、所要の訓練等が実施されるものと承知している。
1の(2)から(5)まで及び7の(4)について
お尋ねの各「用語」については、政府として必ずしもその詳細を承知しているわけではないが、米空母艦載機のパイロットは、練度の維持と即応性の確保のため、飛行場の周辺を旋回するなどして、車輪を滑走路に接地した後、再び上昇するタッチ・アンド・ゴーを行う訓練を実施している。当該訓練のうち、光学着陸誘導装置を使用し、着艦信号士官がタッチ・アンド・ゴーごとにパイロットを監督し、評価する訓練が米空母艦載機着陸訓練(FCLP)であり、米空母艦載機夜間着陸訓練(NLP)は、FCLPのうち日没後から所要の訓練が終了するまでの間のものを指すと承知している。
1の(6)及び3の(4)について
お尋ねの「NLP施設」が具体的に何を指すのか明らかではないが、政府としては、NLPを含むFCLPを実施するためには、光学着陸誘導装置が配置された二千メートル級の滑走路等が必要であると承知している。
1の(7)及び(8)について
チャーリー区域及びリマ区域については、日本国の領域の近傍において、船舶、航空機等の航行の安全を図る等のために米国が使用する水域及び空域として指定する区域であり、平成十四年防衛施設庁告示第五号により告示しているところである。
1の(9)について
防衛省が岩国飛行場周辺の住民への説明会で使用している資料である「岩国飛行場に係る航空機騒音予測コンターについて」(以下「住民説明会資料」という。)の第一種区域とは、岩国飛行場について、昭和五十三年から平成四年までの間に当時の防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号。以下「環境整備法」という。)第四条の規定に基づき防衛施設庁長官が指定した区域である。お尋ねの第二種区域及び第三種区域は、住民説明会資料には記載しておらず、具体的に何を指すのか明らかでなく、その意味についてお答えすることは困難である。
2の(1)について
岩国飛行場の滑走路を沖合へ千メートル程度移設する事業(以下「岩国沖合移設事業」という。)は、同飛行場の運用上、安全上及び騒音上の問題を解決し、米軍の駐留を円滑にするとともに、同飛行場の安定的使用を図ることを目的として計画したものである。
2の(2)及び(3)について
住民説明会資料における御指摘の資料にいう「環境アセス調査」は、岩国沖合移設事業の実施に当たり、山口県環境影響評価等指導要綱等に基づき実施したものであるが、米軍再編に伴う空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐等に関しては、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)等に基づく環境影響評価を要する事業に該当しないことから、政府として新たに同法等に基づく環境影響評価等を実施していない。
住民説明会資料における御指摘の資料は、防衛省が米軍再編に伴う空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐等による岩国飛行場周辺における騒音の影響について、シミュレーションにより現状と移駐後の騒音の変化を予測して作成し、住民説明会等において用いたものである。
岩国沖合移設事業の実施に当たって山口県環境影響評価等指導要綱等に基づき実施した「環境アセス調査」については、岩国沖合移設事業の実施に際し、公害の防止及び自然環境の保全について適切な配慮をするとの観点から行ったものであり、「環境アセス調査」の結果が御指摘のような「守るべき最低条件」となるものではない。
政府としては、実際に空母艦載機等が移駐した後も十分調査を行い、騒音対策等について適切に対応する考えであり、今後どのような措置を行うかについては、山口県等と相談しつつ、適切に対処してまいりたい。
2の(4)及び5の(11)について
お尋ねのdb(A)、N一、N二、N三、N四は、航空機騒音に係る環境基準について(昭和四十八年環境庁告示第百五十四号。以下「告示」という。)でのWECPNLの算出式におけるものを指すと考えられるが、防衛省においては、自衛隊等が使用する飛行場についてWECPNLを算出するに当たっては、民間の飛行場とは異なり、日ごとの飛行回数、飛行態様が大きく変動することを考慮し、防衛省において告示を基に定めている「第一種区域等の指定に関する細部要領について」(平成十六年十一月一日付け施本第千五百八十九号(CFS))に基づき、飛行回数については、一年間の日別の騒音発生回数に時間帯によるいわゆる重み付けを行った上での一年間の日別の飛行回数のうち、多い順に数えて三十六番目の日の飛行回数を一日の標準飛行回数とする等の方法でWECPNLコンターを作成しているので、お尋ねの各値についてお答えすることは困難である。
2の(5)について
これまで、国会において、岩国沖合移設事業については、岩国飛行場北側の進入表面下に石油コンビナート等の工場群があり、運用上及び安全の確保上大きな制約を受けていること、市街地が近接し、騒音問題が生じていることを理由として地元から同飛行場を沖合へ移設するようにとの強い要望があったこと、これらの問題を解決し、米軍の駐留を円滑にするとともに、同飛行場の安定的使用を図るため、同飛行場の東側の海面を埋め立て、滑走路を千メートル程度沖合に移設する事業を推進していること等を説明してきたところである。
2の(6)について
これまで、国会において、今般の米軍再編については、抑止力の維持と地元負担の軽減を図ることとしたものであること、人口密集地にある厚木飛行場から、滑走路を沖合に移設することにより安全性や騒音の問題が軽減される岩国飛行場に空母艦載機を移駐する必要があること、岩国飛行場への移駐に伴う騒音の影響は、一部を除きほとんどの区域において減少すること等を説明してきたところである。
3の(1)から(3)まで及び(6)並びに7の(2)について
恒常的な空母艦載機着陸訓練施設(以下「恒常的施設」という。)については、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編実施のための日米のロードマップ」(以下「ロードマップ」という。)において、「二〇〇九年七月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする」とされたことを受け、現在、日米間で協議を行っているところである。御指摘の安倍前内閣総理大臣の発言は、岩国飛行場を恒常的施設の整備場所とする考えはない旨を述べたものである。
他方、米側は、恒常的施設が提供されるまでの間、硫黄島を現実的に可能な限り使用するとしているが、岩国飛行場は、現在でもNLPの予備飛行場に指定されていると承知しており、硫黄島において天候不良等により十分な訓練が実施できない場合には、岩国飛行場において、NLPが実施されることがあり得るものと考えている。
また、空母艦載機のうち、いわゆる低騒音機(E二C及びC二)については、従来から厚木飛行場でNLPを実施していると承知していることから、空母艦載機が岩国飛行場に移駐した場合には、低騒音機のNLPが岩国飛行場で実施されることはあり得ると考えている。
3の(5)について
硫黄島において天候等の事情により米空母艦載機のパイロットが所要の訓練を実施できない場合に備えて、岩国飛行場は予備飛行場とされていると承知している。岩国飛行場のNLPについては、通常、十八時から二十二時までの間に訓練の一部又は全部を実施する旨、また、予知し得ない状況が生じた場合には、この時間を変更する可能性があり、その場合、所要の訓練を完了するために、二十二時以降の飛行を必要とする可能性がある旨、在日米軍からの連絡を受けている。
4について
岩国沖合移設事業において計画している滑走路は、現在の滑走路を沖合に千メートル程度移設するものであり、告示第二の一の表にいう「新設飛行場」に該当しない。
告示においては、自衛隊等が使用する飛行場の周辺地域においては、平均的な離着陸回数及び機種並びに人家の密集度を勘案し、当該飛行場と類似の条件にある飛行場の区分に準じて環境基準が達成され、又は維持されるように努めるものとする旨、また、測定は、屋外で行うものとするが、告示で定められた達成期間で環境基準を達成することが困難と考えられる地域においては、当該地域に引き続き居住を希望する者に対し家屋の防音工事等を行うことにより環境基準が達成された場合と同等の屋内環境が保持されるようにするとともに、極力環境基準の速やかな達成を期するものとする旨が、それぞれ定められているところである。
防衛省としては、現在、告示の趣旨を踏まえ、環境基準が達成された場合と同等の屋内環境が保持されるよう、住宅防音工事を実施しているところである。また、空母艦載機等の移駐は、滑走路が沖合に移設された後に実施されることから、岩国飛行場周辺の騒音の状況は、移駐後においても、一部の区域を除き、滑走路の移設前である現状よりも改善されると予測しているところである。
いずれにせよ、実際に空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した後、騒音度調査を行うなど適切に対応する考えである。
5の(1)から(3)までについて
今般の米軍再編については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)に基づき、同条約の目的達成のために我が国に米軍が駐留することを前提として、抑止力の維持と地元負担の軽減の観点から、日米間で協議されたものである。また、ロードマップにおいて、厚木飛行場の空母艦載機が岩国飛行場に移駐されることとされるに当たっては、厚木飛行場周辺における騒音や安全上の問題を改善するとともに、岩国飛行場においても、周辺住民への影響は現状より悪化することがないよう考慮されていること等から、厚木飛行場の過去における騒音と艦載機移駐後の岩国における騒音を同列に論じることは適切でないと考えている。
航空機騒音に係る環境基準については、4についてで述べたとおりであり、防衛省としては、今後とも引き続き、周辺住民に対する騒音の影響を最小限とするよう、努力してまいりたい。
5の(4)のイについて
防衛省としては、滑走路の沖合移設に伴い飛行経路が変更されること等により、岩国市東地区においては、現状の七十五WECPNL以上から七十五WECPNL未満に軽減される区域がある一方で、同地区の一部においては、現状の七十五WECPNL未満から七十五WECPNL以上に増加すると予測している。御指摘の安倍前内閣総理大臣の発言及び同地区で実施した住民説明会における説明も、この趣旨を述べたものである。
いずれにせよ、政府としては、実際に空母艦載機等の移駐後、騒音度調査を実施し、適切に対応する考えである。
5の(4)のロ及びハについて
空母艦載機等の移駐後の岩国飛行場の飛行経路については、岩国沖合移設事業に係る環境影響評価書作成の際に想定した飛行経路と同様のものとなる見込みであり、このことは、日米間で確認している。
この飛行経路は、あくまで標準的なものであり、住民説明会資料の作成に当たっては、飛行経路のばらつきは考慮されているところである。
5の(4)のニについて
御指摘の「再編後のWECPNLコンターと現状のWECPNLコンターとの比較(増減部分)」においては、騒音が減少すると予測した部分を青色で、騒音が増加すると予測した部分を赤色でそれぞれ表示し、また、御指摘の「第一種区域の減少(一、六〇〇ha→五〇〇ha)」においても、新たに七十五WECPNL以上になると予測した区域を赤色で表示しているところである。
5の(4)のホ及びヘについて
御指摘の「各種コンター」とは住民説明会資料における各コンターを指すと考えるが、住民説明会資料は、空母艦載機の移駐等に伴う岩国飛行場周辺における航空機騒音の状況の変化を分かりやすく地元の住民に説明するため、シミュレーションにより作成したものであり、予測コンターとして十分な精度を持っていると考えている。
住民説明会資料は、本年二月に岩国市で行われた住民説明会等の際に配布するなど、住民への周知に努めているところであり、地元の要望にこたえるため、地区別に拡大した資料をも作成して既に説明するなど、政府として、できるだけ分かりやすい資料により説明するよう努めてきたところである。
また、五WECPNL単位のコンターの提示等の要望については、岩国市の意見も踏まえつつ対応を検討してまいりたい。
航空機騒音等の岩国飛行場周辺への影響については、米側に配慮を申し入れるとともに、米側としても、空母艦載機等の移駐後における運用に当たっては、岩国沖合移設事業が、運用上、安全上及び騒音上の問題を解決し、米軍の駐留を円滑にすること等を目的に実施されることを踏まえて、周辺住民への航空機騒音の影響を考慮するものと考えている。
5の(5)について
4についてで述べたとおりである。
5の(6)について
空母艦載機等の移駐は、滑走路が沖合に移設された後であることから、移駐後においても、総じて騒音の状況は現状よりも改善されると予測しており、御指摘の安倍前内閣総理大臣の発言は、この趣旨を述べたものである。
いずれにせよ、政府としては、実際に空母艦載機等の移駐後、騒音度調査を実施し、適切に対応する考えである。
5の(7)について
岩国飛行場に移駐する予定である空母艦載機の機種ごとの機数については、FA一八が四十九機、EA六Bが四機、E二Cが四機、C二が二機である。
5の(8)について
厚木飛行場から岩国飛行場に移駐する予定である第五空母航空団の編成は、原子力空母への交代に伴う変更の予定がないことを米側から確認している。
5の(9)及び(10)について
米軍において配備される装備については、安全保障環境の変化や科学技術の進展等により変化し得るものであり、将来について確たることを申し上げることは困難である。いずれにせよ、政府としては、今後とも引き続き、飛行場周辺等における航空機騒音自動測定調査や騒音度調査の実施により騒音の状況を適切に把握し、対応を行ってまいりたい。
5の(12)について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、音のエネルギーが四倍になると、騒音レベルは約六デシベル増加することとなる。また、その他の条件が同一である場合、音のエネルギーが四倍になると、WECPNLも約六増加することとなる。
5の(13)について
米軍の米国内における飛行訓練の在り方や米国における米軍の航空機騒音に係る基準の詳細については、政府として承知していない。日米両国の航空機騒音に係る基準等については、日米両国では、地理的条件等様々な状況が異なることから、一概に比較することは困難であるが、政府としては、米軍の各施設及び区域周辺における航空機騒音に関しては、日米双方において、当該施設及び区域の状況に即し、航空機騒音の軽減についてできる限りの措置が引き続き講じられることが重要であると考えている。
6の(1)から(4)までについて
防衛省が助成の措置を採っている住宅防音工事は、告示の趣旨を踏まえ、屋内の環境を六十WECPNL以下に低減することを目的として、屋外の騒音状況に応じ技術的に十分検討の上定めた工法(以下「防音工法」という。)に基づき必要な工事を行うこととしているものである。
防衛省が防音工事実施済みの住宅で実施した調査において、八十WECPNL以上の区域に所在する住宅においては二十五デシベル、七十五WECPNL以上八十WECPNL未満の区域に所在する住宅においては二十デシベル以上の防音量が確認されているところであり、御指摘の桂町二丁目については、屋外の騒音状況が八十WECPNL以上八十五WECPNL未満の区域であることから、二十五デシベル以上の防音量を得るための所要の防音工事を行っているところであり、当該工事を実施することにより屋内の環境が六十WECPNL以下に低減されるものと考えている。
住宅防音工事の実施に当たっては、防音工法に基づき設計され、その設計に基づき施工が行われており、工事完了後においては、完了確認を行うなどその施工状況を確認しているところであり、防音工法で施工すれば所要の防音量が得られるものと考えていることから、現段階において改めて点検を行うことは考えていない。
6の(5)について
防衛省においては、住宅防音工事により設置した空気調和機器の使用に伴う夏場の電気料金が生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第一項に規定する被保護者(以下「被保護者」という。)にとって過大な負担となっていると考えられるため、所要の屋内環境の保持を図るという観点から、被保護者に対し、当該電気料金等について助成の措置を講じているところであるが、現段階において被保護者以外の者に対して助成の措置を講じることは考えていない。
また、空気調和機器設置後十年以上経過し、老朽化等によりその機能の全部又は一部を保持していない機器については、所要の屋内環境の保持を図るという観点から、被保護者かどうかを問わずその取替え工事に要する経費について助成の措置を講じているところである。被保護者については、その家計状況にかんがみ、当該経費の全額を国庫補助しているところであるが、被保護者以外の者については、再補助であること等を勘案し、当該経費の一割を負担していただくこととしているものである。
6の(6)について
御指摘の工事については、従来より早期になされるべく努力しているところであり、厳しい財政状況下ではあるが、今後とも、努力してまいりたい。
6の(7)について
お尋ねの「新築工事の段階から」の意味するところが明らかではないが、環境整備法第四条の規定に基づく住宅防音工事については、第一種区域に当該指定の際現に所在する住宅を対象としているところであり、当該指定後に新たに建設される住宅についてはその対象としていないところである。
他方、第一種区域の指定の際現に所在する住宅が老朽化等の理由で建て替えられる場合であって、建替え前の住宅と建替え後の住宅との間に代替性、継続性が認められる場合には、住宅防音工事の助成の対象とし得ることとしているところである。
7の(1)について
本年二月に岩国市の各地区で行われた住民説明会においては、政府として、直接住民に説明する機会をいただいたことから、米軍再編の意義や必要性、空母艦載機の移駐等の内容とともに、騒音や事故等の影響について、できるだけ分かりやすく説明するよう努めたところである。
また、住民の方々からも様々な質問や意見をいただいたところであり、政府としても、できる限り、適切な回答を行うよう努力したところである。
政府としては、本年二月に行った十六回にわたる岩国市の各地区別の住民説明会のほかにも、岩国市からの質問への回答や、岩国市議会全員協議会における説明、川下自治会や東自治会を始めとする各地区自治会や商工会議所、漁業協同組合に対する説明等、累次にわたり、できる限りの説明を行ってきたところであるが、今後とも、米軍再編に対する岩国市の方々の理解が得られるよう努力する考えである。
7の(3)について
住民説明会資料における各コンターの作成に当たっては、実際に厚木飛行場周辺で測定したデータや厚木飛行場の管制回数の実績等を使用していることから、厚木飛行場において実施されたNLPを含むFCLPも考慮されていると考えている。
7の(5)について
住民説明会資料における各コンターは、ロードマップに基づく空母艦載機の移駐等に伴う岩国飛行場周辺における航空機騒音の影響について、状況の変化を予測し、地元の方々に説明するため、シミュレーションにより作成したものである。
政府としては、現時点で、空母艦載機の移駐等の内容について変更があるとは承知していないが、5の(9)及び(10)についてで述べたように、将来について確たることを申し上げることは困難である。
7の(6)について
住民説明会資料の作成に当たり、空母艦載機等の移駐後の岩国飛行場の飛行経路については、岩国沖合移設事業に係る環境影響評価書作成の際に想定した飛行経路と同様のものとなる見込みであることを日米間で確認している。
この飛行経路は、あくまで標準的なものであり、緊急時や気象条件等により安全性を確保する場合等においては、市街地の上空を飛行する場合があると考えている。
いずれにせよ、政府としては、米側に対し、訓練に際しては、岩国飛行場周辺等の住民への騒音面や安全面における影響に最大限の配慮を行うよう申し入れてきており、今後とも、あらゆる機会に、米側に対して申し入れてまいりたい。
7の(7)について
空母艦載機の岩国飛行場移駐後の運用の在り方については、現在、米側と協議を行っているところであり、お答えすることは困難である。
7の(8)について
今般の空母艦載機の岩国飛行場への移駐等に関する説明に当たっては、政府としては、米側に確認した内容や運用の実態を踏まえて説明を行っているところである。
7の(9)について
一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、我が国に駐留する米軍についても同様である。しかしながら、同時に、外国軍隊が接受国の法令を尊重しなくてはならないことは当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務であると考えられ、米国もこの尊重義務を負っている。政府としては、米軍並びに米軍の施設及び区域をめぐる様々な問題に関しては、引き続き日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)の運用の改善等により、適切に対応していく考えである。
7の(10)について
政府としては、防衛施設の安定的な使用に当たっては、周辺地域住民等の理解と協力が重要なものと認識している。
岩国飛行場に関しては、政府として、環境整備法に基づき障害防止工事や住宅防音工事の助成、民生安定施設の助成、特定防衛施設周辺整備調整交付金の交付等を行ってきたところである。また、米軍が使用する土地、建物等の固定資産に対しては、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律(昭和三十二年法律第百四号)に基づく交付金の交付を行ってきたところである。政府としては、今後とも関係法令に基づき適切に対応してまいる考えである。
8について
お尋ねの「厳守すべき担保」の意味が必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×7趣旨が明らかではない ×2承知していない ×2検討してまいりたい ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。