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米軍横田基地に関する質問主意書

参議院 第154回 第47号

提出者
参議院
提出日
2002年7月29日
内閣転送 2002年7月31日
答弁書受領日
2002年9月6日
提出から39日
答弁の項目数
6
質問 1,545字/答弁 1,397字

質問本文

米軍横田基地は、米第五空軍司令部や在日米軍司令部等が置かれ、輸送や補給のための約三三〇〇メートルの滑走路を持つ北東アジアにおける米軍の兵站拠点基地になっている。

また、横田基地は、米空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)の基地にも使われることもあるため、軍用機の年間飛行回数は一五〇〇〇回を超えることが確認されており、基地周辺の数十万人が騒音被害を受けている。

今年、滑走路の強化工事が終わり、基地機能は一層強化された。横田基地は、首都の人口密集地の中にあるため、軍用機の騒音に加え、基地内で行われる軍事演習によって基地周辺住民は様々な被害を受けている。

このような状況にある米軍横田基地は撤去すべきであると考える。

よって、以下質問する。

一、横田基地の航空機騒音に苦しむ周辺住民が国を相手取り航空機の夜間・早朝の飛行差止めを求めて起こした訴訟で、最高裁判所は本年四月十二日、我が国と合衆国との間に民事裁判権免除と異なる取決めがないことを理由に上告を棄却し、横田基地周辺住民が夜間・早朝の航空機騒音による人格権の侵害から逃れるためには、日本政府が合衆国政府と何らかの取決めをする必要があるとの判断を示した。

1 政府は、横田基地での航空機の夜間・早朝の飛行禁止について、合衆国政府と協定を結ぶべきではないか。

2 政府は、夜間・早朝の飛行禁止について、我が国の裁判所が住民を救済するための司法判断を下すことができるよう、これを民事裁判権免除の対象外とする取決めを結ぶべきではないか。

3 横田基地における米軍機の夜間・早朝の飛行活動が不法活動であることは、最高裁判決により司法判断として確定している。この司法判断に基づき、夜間・早朝の航空機飛行による騒音被害から住民を救済するために、政府はいかなる方策を採るつもりなのか明らかにされたい。

二、防衛施設庁は、横田基地騒音訴訟判決に基づいて、これまでに損害賠償金を原告住民に支払っている。日米地位協定上、騒音損害賠償金は米側が七五%、日本側が二五%になっている。それにもかかわらず、米側は日本側が立て替えて支払った米側の負担分を日本側に返済していない。

政府は、これまでに日本側が立て替えて支払った損害賠償金の返済について、米側とどのような交渉を行い、どのような回答を得ているのか明らかにされたい。

三、横田基地で今年五月一五日、夜九時三〇分頃、異様な大音響のサイレンが約五分間続き、閃光も目撃された。これは横田基地内の訓練であるジャイアントボイス(拡声器放送)であったが、これに驚いた横田基地周辺住民から、周辺自治体に対して二二三件以上の問い合わせがあったということである。このような周辺住民に多大な迷惑を掛けた訓練があったばかりであるにもかかわらず、在日米空軍横田基地第三七四空輸団指令官は、横田基地周辺自治体に対して、横田基地での演習計画を連絡している。

その演習計画によると、六月一七日から七月三日まで「運用即応演習」、八月一二日から一六日まで、九月九日から一三日まで及び一〇月七日から一一日までが「戦闘投入即応演習」、一一月一一日から一五日まで「戦闘投入即応監査」が行われるということである。これらの演習の内容を米軍から聞くなどして、詳しく明らかにされたい。

四、横田基地は、アメリカが海外で介入戦争を行う際、米軍の重要な拠点基地となるもので、日本の平和と安全を守る基地となるものではないと考える。また首都東京の人口密集地に存在するため軍用機の騒音問題などもあり、周辺住民、隣接自治体からも返還要求が出されている。

政府は横田基地を返還させ、跡地を、騒音のない国民のための非軍事施設として使う措置を採るべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

政府は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第二十五条第一項に基づき設置される合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)において、アメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)政府との間で、横田飛行場における合衆国軍隊の航空機による午後十時から午前六時までの間の飛行及び地上での活動は、合衆国軍隊の運用上の必要性から緊要と認められるものに制限すること、夜間訓練飛行は、合衆国軍隊の任務の達成及び乗組員の練度維持のために必要とされる最小限に制限すること、合衆国軍隊の司令官は、夜間飛行活動をできるだけ早く完了するようすべての努力を払うこと等を合意している。合衆国軍隊は、この合意に基づき横田飛行場に係る運用上の所要を勘案した上で騒音の軽減についてできる限りの努力を行っているものと承知していること等から、政府として、御指摘のような協定を合衆国政府と結ぶことは考えていない。

一の2について

合衆国軍隊の航空機による飛行は、平素から合衆国軍隊の円滑かつ効果的な活動を確保し、もって日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の目的を達成する上で極めて重要な合衆国軍隊の活動であること、合衆国軍隊は一の1についてで述べた騒音軽減のための努力を行っていること、公務執行中の合衆国軍隊の構成員又は被用者が我が国において政府以外の第三者に損害を与えたものから生ずる請求権は、日米地位協定第十八条第五項に基づき、関係国内法令に従って適切に処理されていること等にかんがみ、政府として、御指摘のような取決めを結ぶことは考えていない。

一の3について

政府としては、合衆国政府との間で、一の1についてで述べた日米合同委員会合意を取りまとめるとともに、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条等の規定に基づき、横田飛行場周辺の一定の区域の住宅等について、防音工事に関する助成の措置等を講じてきているところである。

二について

御指摘の「日本側が立て替えて支払った損害賠償金」については、日米地位協定に基づき合衆国政府に対して分担を要請してきており、合衆国政府との間で協議を継続しているところであるが、具体的な協議の内容については、これを公にすると合衆国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から答弁を差し控えたい。

三について

御指摘の「運用即応演習」とは仮想の戦闘環境へ部隊を展開した後、部隊を運用する能力を試すもの、「戦闘投入即応演習」とは仮想の戦闘環境において部隊を運用する能力を試すもの、「戦闘投入即応監査」とは上級部隊がこれらの演習の成果を評価するものであると承知している。

四について

横田飛行場は、我が国に駐留する合衆国軍隊の総司令部及び第五空軍司令部の所在地であるとともに、輸送部隊である第三百七十四空輸航空団が配置され、輸送中継の拠点ともなっており、合衆国軍隊の中枢の施設・区域として、日米安保条約の目的を達成するため、重要な役割を果たしていると考えていることから、政府としては、合衆国政府に横田飛行場の返還を求める考えはない。

参議院の原文

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