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「ヒートポンプ」導入を含む環境対策に関する質問主意書

衆議院 第169回 第137号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2008年3月4日
内閣転送 2008年3月10日
答弁書受領日
2008年3月14日
提出から10日
答弁の項目数
8
質問 1,544字/答弁 2,007字

質問本文

従来まで冷暖房の調整には、燃料エネルギーをもっぱら利用するものが主流であった。しかしながら、近年は一層の環境エネルギー利用促進や地球温暖化防止のためのCO2削減の要請から、より効率的で環境に優しい加熱装置が待望されている。中でも「ヒートポンプ」は、需要側の有力な省エネルギー・温暖化対策である。よって、環境対策をより効果的なものとするために、「ヒートポンプ」による家庭用冷暖房の普及を図ることは、緊急を要すると考える。この問題を含め、政府の環境問題への取り組みについて質問する。

一 現在日本国内の企業ではヒートポンプの技術が企業各社異なっているようだが、規格を統一させるなど国が主導でルールを作成する考えはあるのか。

二 「ヒートポンプ」同様、二酸化炭素排出量削減に向けて極めて効果的な先進技術を積極的に取り入れる仕組みを国として把握しているのか。把握しているのならば、具体的に示されたい。

三 「ヒートポンプ」に限らず、環境対策には多種にわたる関係業態が存在している。そのために、従来の縦割り行政では処理できない問題が、いくつか存在しているように考える。そこで、「ヒートポンプ」普及に向けて各省庁と民間企業との連携の現状はどうなっているのか、また現在推し進めようとしている連携の形があれば、示されたい。

四 環境省から出されている「平成二〇年度 環境省重点施策」によると、日本政策投資銀行や中小企業金融公庫、及び国民生活金融公庫より、企業が行うエコアクションに対して投融資がなされている。一方で、温室効果ガス削減が特に難しいのは、「業務」「家庭」部門である。これらに対しての投融資は、現在どこまで行われているのか。またその財源はどこから賄われているのか、示されたい。

五 先の「平成二〇年度 環境省重点施策」では、「環境税」導入の提案がなされている。すでに「環境税」が導入されている欧州では、税制改革の一環で所得税の減税が対で行われている。日本に「環境税」導入を検討するならば、それは現状の税制への上乗せであるのか、もしくは減税を伴うものであるのか。政府の見解を示されたい。

六 省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)のトップランナー規制は企業に技術の向上を要求するものであり、また日本が世界に先駆けて導入した方式ということで大変評価できる。この他にも日本が世界に先駆けて新基準を設けている政策は具体的に存在するか。またそれらを今年七月に行われる洞爺湖サミット等の国際会議の場で示していく予定はあるか、示されたい。

七 「総合資源エネルギー調査会需給部会 二〇三〇年のエネルギー需給展望(中間とりまとめ)」では、エネルギー需要が二〇二一年には頭打ちになり、以降減少に転ずると予測されている。これは人口減少や産業構造の高度化、経済の成熟化を根拠としたものだとされている。二〇〇八年現在でもこの見解に相違はないか。仮に修正したものがあるならば示されたい。

八 二〇〇五年四月に取りまとめられた京都議定書目標達成計画において、二〇三〇年までにCO2冷媒給湯器(エコキュート)の普及目標五二〇万台、高効率空調機一万二〇〇〇台を掲げている。一方で、現在エコキュート補助金制度により家庭用は新設・既設ともに四.五万円、業務用については小型が一七万円、大型が二六万円の補助がなされている。CO2冷媒給湯器(エコキュート)の希望小売価格が六〇万円〜八〇万円であることを考えるならば、決して大幅な普及促進につながる額ではないと考える。現在の補助金の金額設定で十分二〇三〇年までの目標達成は可能であると考えるか。補助金以外にも普及促進につながる要因・対策があるならば、示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

ヒートポンプの技術は、現状において、関係企業が技術開発の競争を行うことにより普及が進んでいると考えており、規格の統一がされていないことが普及の阻害要因になっているとは認識しておらず、技術の規格を統一すると、かえってこうした技術開発の進展を妨げてしまうおそれがあると考える。したがって、現時点では、技術の規格の統一を行う考えはない。

二について

例えば、廃熱回収技術を活用した高性能工業炉等の省エネルギー技術や、そもそも二酸化炭素を排出せずに発電をする太陽光発電等の新エネルギー技術等、二酸化炭素排出量削減に極めて効果的な先進技術が民間において開発されていると認識しており、政府としては、こうした技術の積極的な導入を促進するために、補助金の交付等の施策を講じているところである。

三について

政府においては、ヒートポンプを利用した機器を含め、省エネルギーに資する機器の普及に向けた取組を行っているところである。

具体的には、省エネルギー・省資源対策を総合的かつ効果的に推進するために設けられた、全府省庁が参加する省エネルギー・省資源対策推進会議において、特に強化すべき家庭部門における省エネルギー国民運動として、省エネルギー性能の高い機器の選択を行うことを掲げている。

また、エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)に基づき、機器の省エネルギー性能や一年間使用した場合の目安となる電気料金の表示などによる情報提供の努力義務を小売事業者等に課すとともに、製造事業者、小売事業者、消費者団体等から成る「省エネ家電普及促進フォーラム」を通じて、省エネルギー性能の高い製品の普及促進を図っているところである。

このほか、財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターでは、新聞や雑誌を通じて、ヒートポンプの高効率性や環境保全性に関する広報事業を行っている。

四について

環境省が要望し平成十九年度までに実施された日本政策投資銀行による「京都議定書目標達成計画促進事業」では、京都議定書目標達成計画(平成十七年四月二十八日閣議決定。以下「目標達成計画」という。)に記載された施策にのっとった事業を行う事業者等に対して、日本政策投資銀行が低利の融資を行っており、平成十九年度までに、業務部門の温室効果ガスの排出削減に資する一件の案件において、三億五千万円の融資が行われている。当該融資に対して特定の財源が充てられているわけではないが、日本政策投資銀行は、政府保証債や財政融資資金からの借入金等により資金調達を行っている。

五について

環境税については、国民に広く負担を求めることになるため、地球温暖化対策全体の中での具体的な位置付け、その効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、諸外国における取組の現状等を踏まえて、既存の税制との関係に考慮を払いつつ、国民、事業者等の理解と協力を得るように努めながら、真摯に総合的な検討を進めていくべき課題であると認識している。

六について

我が国は、世界に誇る環境・エネルギー技術や深刻な公害克服の経験と知恵を有しており、これらをいかして世界で最も厳しい水準の自動車排出ガス規制などの環境政策を実施している。今後、北海道洞爺湖サミット等の場を活用し、低炭素社会の構築や革新的技術開発など、「環境立国・日本」としての日本の優れた取組を世界に発信していく考えである。

七について

総合資源エネルギー調査会需給部会は、平成十七年三月に「二〇三〇年のエネルギー需給展望」を答申し、この中で、現行の技術体系と既に実施済の施策を前提とした上で、経済社会や人口構造、マーケットや需要家の嗜好及び民間における取組が今後ともこれまでの趨勢的変化で推移した場合を想定して試算を行い、最終エネルギー消費の見通しは二千二十一年度には頭打ちとなり、その後減少に転ずるとしている。現在、同部会において、平成十七年三月の答申時からのエネルギーをめぐる内外の情勢の変化を踏まえ、エネルギー需給に関する長期の見通しについて審議を行っているところである。

八について

家庭における省エネルギー対策を進めるため、平成十四年度より二酸化炭素冷媒ヒートポンプ給湯器の補助金を創設し、加速的普及を図っているところであり、平成十四年度から平成十八年度までの間に累計導入台数は約四万台から約八十三万台に拡大しており、市場価格は約六十万円から約五十万円と低下している。また、狭小地向けの小型化、寒冷地向けの高性能化等の技術開発の成果を取り入れた製品が市場に投入されつつあるところであり、今後も量産効果による市場価格低下と技術開発の成果による市場拡大によって一層の自立的普及が見込まれている。政府としては、引き続き、導入補助金の交付や技術開発に対する支援を通じて目標達成計画の目標達成に向け取り組んでまいりたい。

衆議院の原文

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