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四国剣山山系における国設鳥獣保護区の継続と拡大に関する質問主意書
衆議院 第169回 第161号
質問本文
四国のツキノワグマは、高知県と徳島県にまたがる剣山山系にわずか十数頭から多くても数十頭が生息するのみと推定されている。ここに生息するツキノワグマが姿を消せば、九州に続き、四国のツキノワグマは絶滅することになり、危機的な状況にある。
主要な生息域は、標高の高い天然林の広がるところ(落葉広葉樹林帯)にあり、同地域では、人との軋轢を生じていない。したがって、四国のツキノワグマに関しては、保護を最優先させた取り組みとなるべきである。
ツキノワグマの生息域は、食糧を供給する天然林の広がるエリアにほぼ限定されているとの見方が妥当である。
しかるに、ツキノワグマの将来に渡る生息域に対する法的な保護策は十分ではない。同地には、環境省所管の「国指定鳥獣保護区」と林野庁所管の「緑の回廊」が設けられているものの、生息域を部分的に覆うのみである。
現地のNPO法人四国自然史科学研究センターおよび共同研究団体である(財)世界自然保護基金ジャパンは、電波発信器などを用いた科学的調査を実施し、四頭の行動圏を明らかにしている。
それによれば、国指定鳥獣保護区からも緑の回廊からもはずれたところに、ツキノワグマの主要な活動地域があることが判明した。特に、繁殖・生命維持に欠かせない越冬穴の存在する場所が明らかになっており、極めて科学的情報としての価値が高い。
科学的調査から明らかになった、その他のことを左記に示す。
・追跡個体は標高八百メートルから千六百メートルの落葉広葉樹林帯を中心に活動していること。
・剣山の落葉広葉樹林帯は標高千メートル以上に二百六十平方キロメートル程度しかなく、ツキノワグマが存続するには不十分であること(今後、人工林を広葉樹林に置き換えていく必要性がある)。
・さらに鳥獣保護区、緑の回廊は百平方キロメートル程度で、それらがほとんど重複しており、生息地の保全には不十分であること。
・越冬は繁殖や生命維持に重要で、その越冬環境の保護を重視すべきであるが、保護区や緑の回廊から外れて確認されていること。
こうした状況にも関わらず、平成二十一年十月三十一日に更新を迎える国指定鳥獣保護区の継続が不確かである。高知県、徳島県とも国指定鳥獣保護区を意識した保護施策を講じていることから、万一、国指定鳥獣保護区が継続されないとなると、四国のツキノワグマの将来が危ぶまれる事態となる。
国指定鳥獣保護区が継続されることはもちろん、範囲を拡大して、天然林を広く覆う保護区の設定が望まれるところである。
平成十八年四月二十七日の参議院環境委員会において、民主党・新緑風会の岡崎トミ子委員が、本件に関して保護施策の不足について質問したところ、南川秀樹環境省自然環境局長(当時)は、鳥獣保護区が設けられていることを保護施策のひとつとして認識している旨の答弁をしている。
以上に鑑みて、次の質問をする。
一 四国のツキノワグマの保護に不可欠な「剣山山系国指定鳥獣保護区(特別保護地区も含む)」を平成二十一年十一月一日以降も継続する意志はあるか。
二 継続指定する場合、その期間は現行の指定通り十年間か。ツキノワグマを将来にわたり存続させるための保護区の設定期間は、何年が適当と考えるか。
三 鳥獣保護区および緑の回廊といった保護区をはずれて生息するツキノワグマのために、国指定鳥獣保護区(現在一万百三十九ヘクタール)を「適正な範囲に拡大」する意志はあるか。
また、民有林にかかる場合、地権者に対して保護区拡大について同意を得る意志はあるか。
四 仮に三の質問に対して否である場合、同個体の保護のために具体的にどのような施策を講じるのか。
五 剣山山系に点在する国有林のうち、緑の回廊になっていないものを緑の回廊に指定することは有効な保護施策と考えられるが、その意志はあるか。間伐等がなされ、野生生物の生息空間に適した森林は、京都議定書におけるCO2吸収源として扱われる。この観点からも、ツキノワグマが生息するエリアに散在する国有林を緑の回廊にすることは意義があると思われるが、いかがか。
右質問する。
政府答弁書
一から四までについて
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号。以下「法」という。)第二十八条第一項の規定に基づき指定を受けた国指定剣山山系鳥獣保護区(以下「本鳥獣保護区」という。)及び法第二十九条第一項の規定に基づき指定を受けた国指定剣山山系鳥獣保護区特別保護地区(以下「本特別保護地区」という。)は、いずれもその存続期間が平成元年十一月一日から平成二十一年十月三十一日までの二十年間とされているところであり、平成二十一年十一月一日以降の本鳥獣保護区及び本特別保護地区の区域や存続期間等の取扱いについては、今後、ツキノワグマを始めとする鳥獣の生息の状況を勘案し、適切に検討を行うこととしている。
なお、法第三条第一項に基づき定められた「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」において、鳥獣保護区の存続期間については、二十年以内で極力長期間とすることとしている。また、鳥獣保護区の指定又は変更を行う場合には、主な土地所有者等の利害関係人の意見を聴取し、十分調整を図ることとしている。
五について
剣山周辺地域をその区域とする四国山地緑の回廊については、ツキノワグマを含む野生生物の自由な移動の場の確保等の観点を踏まえ、平成十五年三月に設定したところであるが、効果的な森林生態系の保護に向け、必要に応じて区域を変更することも含め、適切に対応してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。