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嘉手納基地所属セスナ機の墜落事故に関する質問主意書

衆議院 第170回 第174号承知していない ×1

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2008年10月30日
内閣転送 2008年11月5日
答弁書受領日
2008年11月11日
提出から12日
答弁の項目数
6
質問 1,551字/答弁 1,800字

質問本文

二〇〇八年十月二十四日、米空軍第十八航空団第八十二偵察中隊所属のセスナ機が名護市真喜屋のサトウキビ畑に墜落した。以下、本件事故という。墜落した事故機のセスナには、米兵四人が乗り込んでおり、うち二人が重軽傷を負ったという。墜落現場付近には、小学校や民家があり、国道からわずかに離れた場所である。大惨事になりかねない墜落事故であり、強い怒りを禁じえない。

本件事故後の事故処理や捜査においても、日米地位協定の壁に阻まれ、住民の安全よりも米軍の機密保全が優先されており、日米地位協定の全面改正なしに、主権国家としての警察権の十分な行使などありえないことを痛感した。いや、沖縄から全ての米軍基地の撤去なくして、県民の生命・身体の安全を守ることは不可能だ。

以下、質問する。

一 本件事故機は、嘉手納基地内の航空愛好会「嘉手納エアロクラブ」所属とも報道されている。嘉手納エアロクラブとは、どのような者が加入しているのか。入会資格、会員数、入会者は、パイロット資格を有する者のみか、嘉手納エアロクラブと在日米軍との関係、嘉手納エアロクラブは独立採算の組織かなどについて、具体的に政府の認識を明らかにされたい。

二 本件事故機は、嘉手納エアロクラブが運用するが、機体の所有権は米軍にあると言われている。その法的根拠は何か。また、嘉手納エアロクラブは何機のセスナ機を運用しているのか、セスナ機は米軍のどの機関の予算で購入されたものかについて、具体的に政府の認識を明らかにされたい。

三 本件事故のセスナ機運航は、公務中か、公務外か。また、嘉手納エアロクラブ所属のセスナ機航行で、公務中と公務外とを識別判断する基準、根拠を明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

四 本件事故を起こしたセスナ機は、航空法第九十七条に定める飛行計画を国土交通省に提出していなかったと報じられている。航空法第九十七条の飛行計画の提出、承認及び通報は、いかなる手続きでなされるのか、過去の事例を踏まえ、米軍基地と民間空港間の移動の際の書面または口頭による通報の具体的なシステムを詳細に明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

五 本件事故に関し、沖縄県警が事故機体の差し押さえを求めたが、米軍によって拒否されたという。沖縄県警は、いつ、どのような法的根拠に基づき、いかなる手続きで、機体の差し押さえを求めたのか。また、米軍が拒否した理由を明らかにした上で、米軍の対応について政府の見解を示されたい。

六 本件事故に関し、ケビン・メア在沖米総領事とケビン・R・ビショップ在沖四軍調整官事務所長が、事故機の運航は公務外との認識を示したと報道されている。本件事故について、米軍から政府宛に「公務証明書」は発給されているのか及び公務中、公務外についての政府の認識を示されたい。また、本件が公務外事故の場合の被害者に対する損害賠償の手続き、範囲、支払い責任者等について、法的根拠を示した上で、政府の見解を示されたい。

七 本件事故に関し、沖縄県警が捜査の必要性に基づき、国土交通省にセスナ機の飛行計画書の提供を求めたのに対し、国土交通省航空局は、「事故が、日米地位協定の特例にあたるケースで、飛行計画書を公表すれば、アメリカ軍の運用に関わるおそれがある」との理由で、沖縄県警への飛行計画書提供を拒んでいるとNHKは報道している。

国土交通省航空局は、何を根拠に日米地位協定の特例にあたるケースとの判断をしているのか。また、本件事故機に関する飛行計画書の提出の有無、提出された飛行計画書を沖縄県警に提供することが米軍の運用上の何に支障をきたすというのかを具体的に明らかにした上で、国土交通省の対応の是非について、政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの嘉手納飛行クラブは、米側の説明によれば、嘉手納飛行場第十八任務支援群に属する機関であり、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第十五条に定める歳出外資金による諸機関であるとのことである。

米側の説明によれば、当該飛行クラブには、米軍の構成員及びその家族並びに米軍の軍属等が入会することができ、入会者はパイロットの資格を有する者に限られないとのことであり、また、当該飛行クラブの会員数は、平成二十年十月末現在、約百五十名であるとのことである。

二について

お尋ねの本件事故とは、平成二十年十月二十四日の沖縄県名護市における嘉手納飛行クラブ所属のセスナ機の事故(以下「本件事故」という。)を指すものと考えるが、本件事故に係るセスナ機は、米側の説明によれば、米空軍規則に基づき、米空軍の財産として登録されているとのことである。また、米側の説明によれば、平成二十年十月末現在、嘉手納飛行クラブは五機のセスナ機を運用しているとのことである。

三及び六について

お尋ねの嘉手納飛行クラブ所属のセスナ機の航行が、公務中であるか公務外であるかについては、個別具体の状況に即して判断する必要があり、一概にお答えすることはできない。

本件事故の公務性については、現在捜査中の具体的事件に係るものでもあることから、答弁を差し控えたい。

日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行われたものでないものから生ずる合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する請求権については、加害者本人が責任を負うべきものであり、当事者間において解決されることが原則であるものの、かかる方法で解決されない場合には、日米地位協定第十八条6の規定に基づき、適切に処理されることとなる。

四について

お尋ねの本件事故を起こしたセスナ機等の有視界飛行方式により飛行しようとする航空機に係る航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第九十七条第二項に規定される飛行計画の通報については、航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)第二百三条第一項各号に掲げる事項(ただし、第十号に掲げる事項を除く。)を同条第二項の規定に基づき口頭(無線電話によるものを含む。)又は文書により、空港事務所長又は空港出張所長(空港・航空路監視レーダー事務所長を含む。)に対し、原則として事前に行うこととされており、その取扱いは米軍施設及び区域と民間空港との間を飛行する場合も同じである。

五について

沖縄県警察によると、お尋ねの本件事故に係る機体の差押えについては、平成二十年十月二十五日、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法(昭和二十七年法律第百三十八号)第十三条の規定に基づき、沖縄県名護警察署長から合衆国軍隊の権限ある者である嘉手納飛行場第十八任務支援群司令官に対して同意を求めたところ、同司令官の同意は得られなかったとのことである。

政府としては、同司令官が同意しなかった理由を承知していないが、米側は、日米地位協定についての合意された議事録の第十七条10(a)及び(b)に関する規定2において、日本国の当局は、通常、合衆国軍隊の財産について、捜索、差押え又は検証を行う権利を行使しないこととされていることを踏まえ、機体については合衆国軍隊の財産であるとして回収したものと認識している。

七について

お尋ねの本件事故に係るセスナ機に関する飛行計画書の提出の有無については、嘉手納飛行場から奄美空港への飛行計画の通報を受理しておらず、奄美空港から嘉手納飛行場への飛行計画の通報を受理したところである。

沖縄県名護警察署から国土交通省大阪航空局奄美空港出張所に対して、平成二十年十月三十一日付けで本件事故に係るセスナ機の飛行計画書の内容に関する照会があり、同出張所は同日付けで回答した。

なお、国土交通省航空局として、御指摘のあった「事故が、日米地位協定の特例にあたるケースで、飛行計画書を公表すれば、アメリカ軍の運用に関わるおそれがある」との回答を日本放送協会に対し行った事実はない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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