ことばで探す › 衆議院 第170回
自衛官の自殺を巡る訴訟並びにご遺族に対する防衛省の対応等に関する再質問主意書
衆議院 第170回 第261号
質問本文
「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第二二一号)を踏まえ、再質問する。
一 一九九九年に発生した、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦さわぎり艦内で当時二十一歳の三等海曹が自殺した事件(以下、「三等海曹自殺事件」という。)に関し、先の答弁書で防衛省が「遺族が訴訟において求めていた『組織的に自殺に追いやったことを個人的な自殺にすり替え、公表したことについて、謝罪せよ。』については、福岡高裁判決において棄却されたと承知している。」と述べていることに対して、防衛省として、「三等海曹自殺事件」の具体的にどの点について責任を負うと考えているのかと問うたところ、「前回答弁書」では「国としては、先の答弁書(平成二十年十月三十一日内閣衆質一七〇第一四四号)一及び二についてで述べたとおり、御指摘の本年八月二十五日の福岡高等裁判所における判決においては、国の主張について裁判所の理解が得られなかったところであるが、判決内容を検討した結果、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三百十二条第一項に規定する上告の理由及び同法第三百十八条第一項に規定する上告受理申立ての理由に該当する事由とは認められないことから、同年九月八日、上告及び上告受理申立てを行わないこととしたものであり、その結果、国に損害賠償義務があることが確定した。」と、従前と何ら変わりのない答弁がなされている。では、右答弁にある「国の主張」の具体的内容は何か。「三等海曹自殺事件」を巡る訴訟において、政府はどの様な主張をしていたのか説明されたい。
二 一の答弁にある「損害賠償義務」とは具体的にどの様な義務か。
三 防衛省は一の答弁にある「損害賠償義務」をいつ履行したか。
四 本年十月二十三日、三等海曹のご遺族が、「三等海曹自殺事件」の様な悲しいことが二度と起こらない様、再発防止の申し入れを行うのと同時に、「三等海曹自殺事件」発生についての謝罪を求めて防衛省を訪問した際に、防衛省のトップである防衛大臣ではなく、人事教育局長が対応したことについて、「前回答弁書」では「平成二十年十月二十日、遺族から防衛省に対して、来省の上、再発防止等を求めたいという申入れを受けて、同月二十三日、防衛省として、防衛大臣が公務により外出していたことから、人事教育局長が対応したものである。」との答弁がなされているが、ご遺族からの申し入れに対して直接対応をした職員の官職氏名を明らかにされたい。
五 「前回答弁書」では、「防衛省として、二から六まで及び十についてで述べた要請の申入れを受けて、口頭で、防衛大臣へ報告した上で、遺族が来省する際に、御子息が亡くなられたことについておわびを申し上げることとしたものである。」との答弁がなされているが、ご遺族からの申し入れを防衛大臣に報告した日にち、場所、並びに報告した人物の官職氏名をそれぞれ明らかにされたい。
六 本年十月二十三日、防衛省に来省されたご遺族に対して、人事教育局長が対応することとなった理由は何か。
七 本年十月二十三日、防衛省に来省されたご遺族に対して、人事教育局長が対応し、謝罪することを決めた決裁書は、防衛省において作成されているか。
八 浜田靖一防衛大臣は、ご遺族が来省されること並びに、当日人事教育局長が対応し、謝罪することを事前に承知していたか。
九 人事教育局長は具体的にどの様な文言でご遺族に謝罪をしたのか明らかにされたい。
十 九の人事教育局長による謝罪の文言は、事前に防衛省において作成されていたか。
十一 自衛官の自殺という事案の重さから鑑みても、浜田大臣が不在であったのなら、人事教育局長ではなく、北村誠吾防衛副大臣、もしくは武田良太、岸信夫両大臣政務官のいずれかが対応するのが本来の正しい対応のあり方であると考えるが、北村副大臣、武田、岸大臣政務官が対応しなかったのはなぜか。その日、何らかの公務が入っていたのか。
十二 人事教育局長による謝罪は、防衛省を代表しての、防衛省という組織としての、三等海曹のご遺族に対する公式な謝罪であるか。確認を求める。
十三 前回質問主意書で、今回の人事教育局長による三等海曹のご遺族への謝罪をもって、「三等海曹自殺事件」に対する防衛省の対応は終了したと認識しているかと問うたところ、「前回答弁書」では「防衛省としては、前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことがないようにするべく、今後とも隊員の自殺防止に全力で取り組んでまいりたい。」との答弁がなされているが、年百人近い自衛官が自殺している現状を見る時、防衛省として右答弁にある様に自殺防止に全力で取り組むことは当然であり、当方が問うているのは、「三等海曹自殺事件」という個別具体的な事件に対する防衛省の対応である。自衛官の自殺防止に向けた取り組みとは別に、「三等海曹自殺事件」という個別具体的な事件に対しては、本年十月二十三日の人事教育局長によるご遺族への謝罪をもって、防衛省としての対応は終了したと認識しているのか、それとも、今後更に浜田大臣、または北村副大臣、武田、岸大臣政務官により、改めて正式な謝罪を行う考えでいるのかどうか明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十年八月二十五日の福岡高等裁判所の判決において同高等裁判所の理解が得られなかった国の主張の要旨は、次のとおりである。
1 自殺した三等海曹(以下「当該隊員」という。)の上官の言動の違法性については、一般に、言葉による職務上の厳しい指導は行為者の意図や認識を考慮せずに直ちに違法となるものではないとした上で、違法となるような上官の言動はなかった。
2 上官の行為と当該隊員の自殺との間の相当因果関係の有無については、当該隊員の自殺原因は、三曹という階級とそれに見合う自己の技能練度との乖離に苦悩し、焦りを徐々に募らせていったことにあるというべきであり、上官から受けた行為によるストレスによってうつ病にり患し、自殺に至ったものとはいえない。
二及び三について
福岡高等裁判所は、国に対し、控訴人である当該隊員の父に百五十万円を、当該隊員の母に二百万円をそれぞれ支払えとの損害賠償義務を課し、国は、控訴人らに当該損害賠償金を既に支払ったところである。
四について
お尋ねの平成二十年十月二十日の申入れについては、大臣官房文書課の職員が対応した。
五、七、八及び十二について
遺族が来省することの申入れについては、平成二十年十月二十日に、防衛省内において、地方協力局地方協力企画課の職員が大臣官房秘書課の職員を通じて、遺族の来省時の防衛省としての対応については、同月二十三日に、国会内において、三輪恒佳人事教育局服務管理官及び大村幹彦大臣官房訟務管理官が、あらかじめ口頭で防衛大臣へ報告し、了解を得たものである。
六、十一及び十三について
遺族からは、防衛大臣による対応が困難な場合には担当局長に対応してもらいたいとの意向があり、防衛大臣が公務により外出していたことから、人事教育局長が対応したものである。
九について
人事教育局長は、御子息が亡くなられたことについておわび申し上げる旨の発言をしている。
十について
お尋ねの原稿については、事前に作成はしていない。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。