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国債利払費の推計および利払費を低減させるための方策に関する質問主意書

衆議院 第171回 第642号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2009年7月3日
内閣転送 2009年7月8日
答弁書受領日
2009年7月14日
提出から11日
答弁の項目数
3
質問 1,793字/答弁 1,011字

質問本文

昨年十一月十日提出の質問第二一八号において、

「三 国債の利払費は、二〇〇七年度は八・六兆円、二〇〇八年度は九・三兆円(財務省「債務管理リポート2008」内の一般会計利払費)であるが、今後の利払費の金額の推計とその推計の根拠としている金利水準をお示し願いたい。

四 財務省は「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」(以下、仮定計算)という推計を発表している。この推計は、税収等と歳出の差額を新規国債の発行額としているが、二〇一二年度以降、すべての年についての国債発行額を、二〇一一年度の三十二・三兆円と仮定して推計している。

また、金利は二・〇%を前提にしているが、昨今の金融危機の状況からすると金利は低下することが見込まれる一方、国債発行額の増加が想定される。

このような状況の下、仮定計算の推計とは別の推計を行う予定はあるか。」との質問に対し、

「仮定計算は、毎年、翌年度予算審議の用に供するため国会に提出している後年度歳出・歳入への影響試算に関連して作成しているものであり、現時点において別の推計を行う予定はない。」旨の答弁を受領した。

また、与謝野馨財務・金融・経済財政相は昨月三十日の記者会見において、一般歳出が過去最大となる二〇一〇年度予算の概算要求基準案に関連し、「国債依存度の高い財政で一番心配なのは長期金利」と述べ、長期金利は現在、一・三五%程度の水準で推移していることにつき「いつまでもこんないい状況が続くと考えるのは楽観的過ぎる」と指摘し、その上で、「中期的には歳入改革を断行しないといけない時期が来る」と語り、消費税増税に意欲を示したとのことである。

これに関連して以下質問する。

一 長期金利の積算の状況につき、平成二十年度は内閣府が一・五%、財務省が二・〇%、本年度は、それぞれ一・一%、二・〇%としている。

この点、数値が異なること自体は試算方法の違い等に起因するものであると考えられるが、関係省庁間で協議・相互のデータの分析・活用はなされているか。

二 平成二十年度補正予算案では、国債の利払費が一兆円を超えて当初予算を下回ったことについては、「既定経費の節減」の項目に計上されているが、これは金融危機に伴って国債マーケットの長期金利が低下したことを主たる要因とするものである。

この点、節減とは「きりつめて費用や物の使用量をへらすこと。」(大辞林 第二版)をいうが、右項目において計上することは適当か。

三 二〇〇六年以降、政府は、利払費の増大に対処するため、市場で人気の高い国債を追加発行することや、金利スワップ取引を増やすなどの対策を行っている。

右のような方策に効果が全く存しないわけではないものの、あくまで会計上の数値を低減させるものであり、本質的な対策として歳出の効率化が必要である。

平成二十年度予算案の「平成二十年度予算のポイント」には、「会計検査院指摘事項の反映の徹底・強化」と明記されているが、会計検査院自体の権限強化も必要と考える。

この点、アメリカの会計検査院(以下、GAO)は、質量共に充実した情報を議会に提供している。これは、GAOが検査手法の高度化という方向で役割を拡張していることにより可能となっているとされる。また、イギリスの会計検査院(以下、NAO)は、下院決算委員会の連携の下、行政府からの回答も審議日程に組み込んでいる。さらに、ドイツの会計検査院(以下、BRH)は、憲法上の規定に基づき、執行中や予算編成中でも予算や経済運営に関する助言を行うことを通じて、予算循環過程のより早期の段階に関与する方向で、役割を拡張している。

右のように、各国の会計検査院の法的な位置づけや組織の規模、検査対象の規模は、GAOは議会に付属する機関、NAOは全中央政府機関の監査人としての独自の地位を有する機関、BRHは独立した機関であるなど、各々異なっているが、いずれの国においても、会計検査院の報告や情報を議会の審議において積極的に活用する工夫がなされている。

この点、日本においても効率的な行政が行われているかをチェックするために、公会計を民間企業と同様の複式簿記に基づく会計とすることや、会計検査院の報告や情報を議会審議において積極的に活用するシステムの構築が必要と考えるが、これらにつき政府の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の内閣府の長期金利は、中長期の経済財政の姿を展望する際に、計量経済モデルを用いた推計により算出されるものである。一方、御指摘の財務省の予算積算金利は、毎年度の予算編成時において、国債の利払費等の見積りを行うために用いるものであり、直近一定期間の実勢金利の水準等を総合的に判断して設定しているものである。

こうした金利の算出及び設定に当たっては、内閣府と財務省との間で必要な情報の共有及び意見の交換を行ってきているところである。

二について

補正予算における「既定経費の節減」とは、補正予算編成時点における執行実績及び今後の執行見込みを精査し、必要な予算額が予算計上額を下回ったものについて減額を行うことをいうものである。

なお、財務省としては、適切な国債管理政策を通じ、可能な限り低い国民負担で国債が発行できるよう努力しているところであるが、御指摘の平成二十年度補正予算における国債費の不用が、主として市場で決まる金利が予算積算金利を下回ったことによるものであることも事実であるため、説明の仕方については今後工夫をしてまいりたい。

三について

政府としては、企業会計の慣行を参考とした公会計の整備を進めてきたところであり、平成十四年度決算分から、省庁別に資産及び負債の状況その他の決算に関する財務情報を開示する「省庁別財務書類」を作成・公表しており、さらに、平成十五年度決算分から、国全体の財務情報を開示する「国の財務書類」を作成・公表しているところである。

また、お尋ねの「会計検査院の報告や情報を議会審議において積極的に活用する」ことについては、国会と会計検査院との関係に関する事項であり、政府としてお答えは差し控えたい。

なお、憲法第九十条第一項の規定により会計検査院の検査報告が国会に提出されるほか、会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)第三十条の二の規定により「会計検査院は、第三十四条又は第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項その他特に必要と認める事項については、随時、国会及び内閣に報告することができる」とされており、また、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百五条の規定により「各議院又は各議院の委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、会計検査院に対し、特定の事項について会計検査を行い、その結果を報告するよう求めることができる」とされていると承知している。

衆議院の原文

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