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家畜伝染病「口蹄疫」への政府の対応に関する質問主意書
衆議院 第174回 第520号
質問本文
本年四月二十日に宮崎県都農町において一例目の感染が確認された「口蹄疫」については、確認後一ヶ月以上がたつ現在においても歯止めがかからず、拡大の一途をたどっている。宮崎県口蹄疫防疫対策本部(宮崎県農政水産部)の五月二十七日付けの発表によると、牛・豚合わせて十五万二千三百八十七頭が殺処分対象になり、畜産農家にとって生活基盤が失われると同時に、生活を共にし、愛情をこめて育ててきた家畜を、目の前で殺処分しなければならない精神的ショックは計り知れず、未だに深刻な状況が続いている。
かつて平成十二年に北海道、宮崎県で口蹄疫の発生が確認され、七百四十頭の牛が処分された際の教訓が、今回の第一例目発生時においての初動対策に対して活かされていない。まさしく政府の危機管理の欠落と初動の遅れが、今日の被害拡大の大きな原因であると考える。
また、補償対策も大切ではあるが、被害を受け不安を感じている畜産農家に対し、発生が確認された直後、対策本部長であった赤松農林水産大臣が現地に赴き、まずは政府としての対策への意気込みを示すことが肝要だったのではないか。
これらを踏まえ、次の事項について質問する。
一 五月十一日の衆議院農林水産委員会において、赤松大臣は「農林水産省は、第一例目の発生を四月二十日未明に確認したため、同日九時に私が本部長である口蹄疫防疫対策本部を立ち上げたところであります」と発言したが、宮崎県都農町から農林水産省に第一例目の発生が報告された時刻、及び農林水産省から大臣、副大臣、大臣政務官に報告された時刻、更に大臣、副大臣、大臣政務官の登庁時刻を詳細にお知らせ願いたい。
二 四月二十九日現在、移動・搬出制限区域内(半径二十キロメートル以内)の畜産農家戸数は、四市七町で二千六百六十八戸、飼養頭数は、牛・豚合わせて三十七万三千四十一頭であり、四月三十日には、殺処分対象が四千三百六十九頭(宮崎県口蹄疫防疫対策本部の資料)等と被害が広がり、同日、新たな畜産農家への追加支援が発表された。しかし、被害の拡大が予想される中、赤松大臣が外遊へ出発し、代わって、内閣府特命担当大臣である福島大臣(当時)が農相臨時代理・口蹄疫防疫対策本部長となった。この時、赤松大臣から福島臨時代理に対し、口蹄疫に関する情況説明及び充分な対策についての話し合いは持たれたのか。
三 福島臨時代理から外遊中の赤松大臣に対し、現地の状況について報告はなされていたのか。また、その報告に対し、赤松大臣は福島大臣(当時)とどのような協議を行い、また、対応をしたのか。その内容を詳細にお知らせいただきたい。
四 赤松大臣外遊中、臨時代理と本部長に就任した福島大臣(当時)から鳩山総理に対し、どのような報告がなされたのか。また、総理からはどのような指示がなされたのか。
五 五月十日、宮崎県を訪れた赤松大臣に対し、JAグループ宮崎や酪農生産者団体関係者から、国の対策本部を宮崎県に移設するよう提案がなされた。しかし、政府は五月十七日にようやく宮崎県に国直轄の対策本部を設置した。口蹄疫が蔓延する中、迅速な対策と一日も早い収束と、政府対策本部と連携を取るためにも必要不可欠である現地対策本部の設置が、なぜ要望から一週間もかかったのか。また、赤松大臣から初動対策段階において最も重要である政府直轄の現地対策本部設置の提案はなされなかったのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十二年四月十九日午前十一時頃に、宮崎県から農林水産省に対し、同県児湯郡都農町の農場の飼養牛について、口蹄疫の疑いがある旨の連絡があった。このため、同日、当該飼養牛の検体を同県から独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所に送付させ、口蹄疫に関する遺伝子検査を行ったところ、同月二十日午前四時三十五分に、同研究所から同省に対し、同検査において陽性が確認されたとの連絡があった。同検査の結果及び同検査についての専門家の意見を踏まえ、当該飼養牛について口蹄疫の疑似患畜と確認し、その後速やかに同省の政務三役への報告が行われた。
同日における同省の政務三役の同省への登庁時刻は、それぞれ、赤松農林水産大臣(当時。以下同じ。)が午前九時、山田農林水産副大臣(当時。以下同じ。)及び舟山農林水産大臣政務官(当時)が午前八時三十分、佐々木農林水産大臣政務官(当時)が午前七時五十五分であった。なお、郡司農林水産副大臣(当時)は海外出張中であった。
二について
赤松農林水産大臣は、海外出張前に、農林水産大臣臨時代理となった福島国務大臣(当時。以下同じ。)に対し、口蹄疫の発生及び防疫措置の状況について説明を行うとともに、同大臣との間で口蹄疫の発生状況に応じ防疫措置を的確に講ずることができるよう事前の打合せを行った。
三について
赤松農林水産大臣は、海外に出張していた平成二十二年四月三十日から同年五月八日までの間、口蹄疫の発生及び防疫措置の状況について、毎日、農林水産省事務方から報告を受けるとともに、同省事務方に対し、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会を開催することその他の必要な指示を行った。
四について
鳩山内閣総理大臣(当時。以下同じ。)に対しては、平成二十二年五月六日に、農林水産省口蹄疫防疫対策本部の本部長代理である山田農林水産副大臣から、口蹄疫の発生状況及び防疫措置の状況について報告を行った。これを受け、鳩山内閣総理大臣は、引き続き関係各省で連携し防疫措置を的確に実施するよう指示した。
また、農林水産大臣臨時代理となった福島国務大臣は、同月七日の閣僚懇談会において、口蹄疫の発生状況及び防疫措置の状況について報告するとともに、関係各省と連携し、防疫措置を的確に実施すること、国民への正確な情報提供を徹底し、風評被害が広がらないよう冷静に対処したいと考えていること等について表明した。
五について
赤松農林水産大臣は、平成二十二年四月二十日の口蹄疫の発生確認直後から、農林水産省の職員を宮崎県口蹄疫防疫対策本部に常駐させていたところである。その後口蹄疫が広範な地域に拡大するおそれが生じ、現地との連絡体制を強化する必要が生じたことから、同年五月十七日の政府の第一回口蹄疫対策本部において、赤松農林水産大臣より、山田農林水産副大臣を本部長とする現地対策本部の設置を提案した。これを受け、同日中に現地対策本部が設置された。
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