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東京電力福島第一原子力発電所事故に係る原子力損害賠償及び当該事故を起因とするエネルギー政策の見直し等に関する質問主意書

衆議院 第177回 第215号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×1

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2011年5月30日
内閣転送 2011年6月1日
答弁書受領日
2011年6月7日
提出から8日
答弁の項目数
8
質問 2,298字/答弁 2,577字

質問本文

三月十一日に発生した東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下「福島原発事故」という。)が発生し、収束の見通しが未だ不透明な中、多大な被害を受けている周辺住民をはじめ当該事故の被害関係者に対する賠償は喫緊の課題である。これに対して、政府は五月十三日に原子力発電所事故経済被害対応チーム関係閣僚会合において新たな損害賠償支援スキーム(以下「損害賠償支援スキーム」という。)を決定したが、その過程においても与党内から異論が出るなど、大きな混乱を生じている。特に、政府と東京電力の責任のあり方については曖昧との印象を拭えず、我が国の電力事業や金融市場、ひいては経済活動への影響も小さくない。更に、当該事故を発端として、我が国の原子力政策を含むエネルギー政策の見直しについても言及されているが、その具体的内容等は未だはっきりしない状況にある。被害者保護の観点から、又、我が国の経済活動への影響の観点からも、これら問題への対策は緊急を要するものであり、政府の混乱による遅れは到底許されるものではないと考える。

このため、次の事項について質問する。

一 エネルギー政策および原子力政策の見直しについて

1 我が国に必要な電力量につき、現状と将来予測(二十年後)について、それぞれ明らかにされたい。

2 今回の震災を受けて必要な電力量に変化があったと考えているか。また、今回の震災は、将来(二十年後)の電力量予測にも影響を与えるものと考えているのか、明らかにされたい。

3 日本の必要電力量を満たすために引き続き原子力は必要と考えているか。現状と将来予測(二十年後)について、それぞれ明らかにされたい。

4 政府のエネルギー基本計画を見直すべきと考えているのか。見直しを行う場合は、誰の権限において、また、どのような段取りで決定するのか明らかにされたい。

5 電力量をセーブすることが我が国の産業育成のボトルネックになると考えているのか。その場合、これをボトルネックとしないためにも政府としてのサポートが不可欠であると考えるが、具体的にどのような対策を想定しているのか明らかにされたい。

6 発送電の分離が九電力体制や事実上の地域独占を崩壊させることにつながるとの指摘があるが、これに対する見解如何。その場合、電気事業法を含め電気事業全体の抜本的な見直しが必要になると考えるが如何か。

二 原子力損害の賠償に関する法律(原子力損害賠償法)の解釈について

1 政府は今回の福島原発事故について、原子力損害賠償法三条但し書きの「異常に巨大な天災地変」を適用せず、東京電力が免責にならないとの立場であると認識しているが、そのように判断する明確な根拠を明らかにされたい。

2 今回の事故に対しては、現行の原子力損害賠償法を適用して対応にあたるべきと考えるが、改正や新たな立法により、新たなルールを策定した場合において、これを遡及適用することは被害者をはじめとする関係者の間において不満が起こりやすい危険性を孕むと考えられる。そのため、既に発生した事故に対して新たなルールを遡及適用することには問題が多いと考えるが如何か。

3 東京電力が免責とならないと仮定した場合、原子力賠償制度に基づいて、東電と国の負担は具体的にどうなるか。又その根拠についても明らかにされたい。

三 損害賠償支援スキームについて

1 損害賠償支援スキームに関し、銀行の債権放棄が要請される旨の発言がなされたとの報道がある。これは債権支払いの順位を無視したものである上、銀行の債権放棄の要件なども無視したものであり、これを正当だとする根拠は心情的なものを除くと何もないと考えられる。その後、当該発言は政府の支援の条件ではない、という曖昧な言い方で撤回された節もあるが、こうした債権支払いの順位についての政府の理解はあるのか。理解があるとした場合に、何の狙いがあって、金融市場のルールを無視する意見を発言するのかその理由を明らかにされたい。

2 そうした決断をした場合に、海外から日本への投資マネーが流入しなくなるリスクがある。こうしたリスクに対して政府としていかに対処するのか。

3 当事者、国(納税者)、契約者以外の支払者(たとえば、他電力会社)を認定することは妥当と考えるのか。その場合、その論拠について明らかにされたい。

4 銀行の債権放棄や社債のヘアカット(担保の掛け目の削減)が実際に起きてしまえば、東京電力のみならず他電力の資金調達は事実上不可能になる。その場合の資金調達をどうするのか、政府としての手当ては考えているのか。

四 一般担保付の電力債について

1 電力会社は電気事業法に基づき一般担保付債(電力債)を発行でき、一般担保付債(電力債)は先取特権が認められた特殊なものであると認識している。しかしながら、投資家と納税者という構図でとらえ、あたかも株主と同等の投資家として投資家責任を社債権者にも問う流れも見られる。法律で規定されたものをあえて超法規的措置として社債権者にもヘアカットを求めていいと考えるか。

2 現状において東京電力は社債市場での資金調達が極めて困難な状況にあると考えられる。このままでは低金利で多額の資金調達を可能にするスキームを変更、すなわち現状のビジネスモデルを変更せざるを得ないこととなり、これに代わる資金調達手段が必要となるが、政府として新たな手段を電力会社に提供する予定はあるのか。例えば、自律的な資金調達のために、政府保証による債券発行などを視野に入れているのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から4まで及び6について

平成二十一年度における我が国の発電電力量は、九千五百六十四億キロワットアワーである。また、平成四十二年度における発電電力量は、経済産業省が平成二十二年六月に公表した「二〇三〇年のエネルギー需給の姿」においては一兆二百億キロワットアワーと試算している。東日本大震災が電力需要に直接与える影響についてお示しすることは困難であるが、現在基幹電源として年間発電電力量の約三割を担っている原子力発電の在り方や電気事業の在り方を含めた今後のエネルギー政策の在り方については、東日本大震災を踏まえ、国民各層の御意見を伺いながら、予断なく議論を行うこととしており、「エネルギー基本計画」(平成二十二年六月十八日閣議決定)の見直しや将来の電力需給については、そうした議論の中で検討してまいりたい。

なお、「エネルギー基本計画」の見直しに当たっては、エネルギー政策基本法(平成十四年法律第七十一号)第十二条の規定に基づき、経済産業大臣が関係行政機関の長及び総合資源エネルギー調査会の意見を聴き、見直しの案を作成した上で、閣議決定することとなる。

一の5について

「夏期の電力需給対策について」(平成二十三年五月十三日電力需給緊急対策本部決定)においては、電力需要の抑制に当たっては、経済活動への影響を最小化するため、使用最大電力を抑制することを基本とし、需要家が創意工夫を凝らして操業・営業時間の調整及び変更、休業日及び夏季休暇の分散化等に計画的に取り組むことにより、企業活動に極力支障の出ないようにすることとしている。

二の1について

原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号。以下「原賠法」という。)第三条第一項ただし書の「異常に巨大な天災地変」については、昭和三十六年の法案提出時の国会審議において、「人類の予想していないような大きなもの」であり、「全く想像を絶するような事態」であるなどと説明されており、これは、原子力損害については、一義的に原子力事業者が責任を負うべきであるという趣旨であると理解している。

このため、政府としては、今回の東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故(以下「福島原子力発電所事故」という。)に係る原子力損害については、同項ただし書ではなく、原子力事業者がその賠償責任を負うとする同項本文が適用されることを前提に対応を進めているところである。なお、平成二十三年五月十日には、東京電力から海江田原子力経済被害担当大臣に対し、原子力事業者が原賠法第三条に基づき損害賠償を行うために必要な援助について規定した原賠法「第十六条に基づく国の援助の枠組みを策定していただきた」いとの要請がなされているところである。

二の2、三の4及び四の2について

東京電力は、福島原子力発電所事故の収束に向けた対応に係る費用の増大や火力発電に必要な化石燃料の価格の高騰等により、賠償に係る費用に加え相当な資金が必要となる見込みである一方、資金調達の面で厳しい状況に置かれており、二の1についてで述べたとおり、平成二十三年五月十日には、東京電力から海江田原子力経済被害担当大臣に対し、原子力事業者が原賠法第三条に基づき損害賠償を行うために必要な援助について規定した原賠法「第十六条に基づく国の援助の枠組みを策定していただきた」いとの要請がなされたところである。これを受け、政府としては、同条に規定する必要な援助として、「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて」(平成二十三年五月十三日原子力発電所事故経済被害対応チーム決定。以下「政府の支援の枠組み」という。)を決定したところであり、これを具体化することにより、東京電力その他の原子力事業者の資金調達が困難となることは避けられるものと考えている。

なお、政府の支援の枠組みは、原子力事業に係る巨額の損害賠償を負う可能性がある全ての原子力事業者が、相互扶助の観点から、本来あるべき原子力発電のコストを負担するという考え方に基づいたものである。

二の3について

お尋ねの「東電と国の負担」の意味するところが必ずしも明らかではないが、福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に要する費用については、原賠法に基づく原子力損害賠償補償契約により政府から東京電力に補償される額を超える分は、原賠法に基づき一義的に賠償責任を負う東京電力が負担すべきものと考えている。

三の1及び2について

政府としては、政府の支援の枠組みの決定に先立ち、平成二十三年五月十日に、東京電力が「全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと」を、東京電力に確認している。御指摘の発言は、「金融市場のルールを無視」し、政府が金融機関に東京電力に対する貸付債権の放棄を法的に求めることを意図したものではなく、当該確認事項を踏まえ、政府が東京電力に公的資金の注入等の支援を行うに当たっては、国民的な理解が必要であるとの見解を示したものである。政府としては、こうしたことも踏まえ、東京電力が「全てのステークホルダーに協力を求め」ることが必要であり、東京電力及び東京電力の「全てのステークホルダー」は、それぞれ民間の立場で、必要な協力について判断するものと考えている。

三の3について

お尋ねの「当事者、国(納税者)、契約者以外の支払者(たとえば、他電力会社)を認定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府の支援の枠組みにおいては、東京電力を含む原子力事業に係る巨額の損害賠償を負う可能性がある全ての原子力事業者の相互扶助の観点から、本来あるべき原子力発電のコストを負担することとしている。また、東京電力のその他の「ステークホルダー」については、それぞれ民間の立場で、必要な協力について判断するものと考えている。

四の1について

電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十七条に規定する一般電気事業者の社債権者の法的地位については、政府の支援の枠組みにおいても変更されるものではなく、お尋ねの「超法規的措置」を採ることは考えていない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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