Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第177回

いわゆる布川事件で容疑者とされ服役させられた人物の無罪が確定した件に対する政府の見解に関する質問主意書

衆議院 第177回 第233号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2011年6月8日
内閣転送 2011年6月13日
答弁書受領日
2011年6月17日
提出から9日
答弁の項目数
7
質問 1,249字/答弁 1,019字

質問本文

一九六七年八月、茨城県利根町布川の男性が殺害された件につき、茨城県警は別件で逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを同事件の容疑者として再逮捕した。一九七〇年、水戸地方裁判所土浦支部により無期懲役の判決を下され、また七八年には最高裁判所により上告が棄却され、二人は刑に服することを余儀なくされたものの、二〇一〇年七月から再審公判が始まり、本年五月二十四日、同支部は、桜井さん、杉山さんが犯人と証明する証拠は存在しないとして無罪判決を言い渡した。六月七日、水戸地方検察庁は上告を断念し、二人の無罪が確定した。右を踏まえ、質問する。

一 今回、桜井さん、杉山さんの無罪が確定したことに対する政府の見解如何。

二 布川事件に関し、何の罪も犯していなかった二人が犯人とされ、四十年以上もの長きに渡り、自由を奪われ、基本的人権を著しく侵害される事態が生じてしまった。政府として、このようなことが起きた原因についてどのような見解を有し、また当時の警察、検察の対応、特に取調べの方法等には具体的にどのような問題点があったのか等、布川事件についてどのような総括をしているか。

三 当時、桜井さん、杉山さんの取調べを担当した警察官、検察官のうち、現在も現職でいる者はいるか。

四 警察庁として、桜井さん、杉山さんに対し、今回の無罪確定を受け、謝罪をする考えはあるか。

五 警察庁として、桜井さん、杉山さんを取り調べた当時の警察官に対し、三の現役の者はもちろん、既に退職した者に対しても、二人に謝罪させる考えはあるか。

六 検察庁として、桜井さん、杉山さんに対し、今回の無罪確定を受け、謝罪をする考えはあるか。

七 検察庁として、桜井さん、杉山さんを取り調べた当時の検察官に対し、三の現役の者はもちろん、既に退職した者に対しても、二人に謝罪させる考えはあるか。

八 桜井さん、杉山さんの他にも、富山県氷見市の柳原浩さんが強姦などの容疑で富山県警に誤認逮捕され、二年あまり服役した後に無罪が確定した件や、二〇〇三年の鹿児島県議選において中山信一さんと志布志市の運動員ら十五人が公職選挙法違反容疑で逮捕され、強圧的な捜査等により自白を強要され、後に全員の無罪が確定した件、そして一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、一昨年六月四日、千葉刑務所から釈放され、後に無罪が確定した件等、近年、容疑者とされた人物が冤罪の憂き目に遭っていたことが次々と明らかになっている。今回の布川事件を含め、これらは警察、検察の捜査手法等に根本的な問題点があることを示しているに他ならないと考える。今こそ警察、検察の捜査手法等、その体質を抜本的に改めるべき時に来ていると考えるが、政府として今後どのような対応をとる考えでいるのか説明されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

御指摘の「布川事件」については、最高裁判所で無期懲役の判決が確定したものの、再審の判決において、櫻井氏及び杉山氏が犯人であることを推認させる間接証拠は存在せず、また、両氏の自白には信用性がなく、任意性にも疑問があるため、両氏が犯人であると証明するに足りる証拠は存在しないとして、強盗殺人につき無罪が言い渡されたものと承知しているが、お尋ねは、具体的事件の捜査手続及び刑事裁判手続における捜査機関の活動内容及び裁判所の判断に関わる事柄であるので、お答えを差し控える。

三について

お尋ねの櫻井氏及び杉山氏の取調べを担当した警察官及び検察官は、既に退職している。

四について

警察庁としては、当時、所要の捜査が尽くされたものと認識しているが、再審の無罪判決を厳粛に受け止めている。

五について

警察庁としては、お尋ねの櫻井氏及び杉山氏の取調べを担当した警察官に対し、謝罪するよう求めることは考えていない。

六について

検察当局においては、御指摘の「布川事件」の捜査・公判活動は適法に行われたものと認識しつつ、再審の無罪判決を厳粛に受け止めているものと承知している。

七について

検察当局においては、お尋ねの櫻井氏及び杉山氏の取調べを担当した検察官に対し、謝罪するよう求めることは考えていないものと承知している。

八について

政府としては、御指摘の富山県氷見市の事件、鹿児島県志布志市の事件及び「足利事件」において、司法手続を経て明らかにされた問題点について重く受け止めており、捜査当局において、今後とも、信用性のある供述の確保とその裏付け捜査の徹底、証拠物やその鑑定等の客観的な証拠の十分な収集、検討等に意を用い、事件の適正な捜査処理に努めるべきと考えている。

なお、現在、法制審議会において、時代に即した新たな刑事司法制度を構築するため、取調べ及び供述調書に過度に依存した捜査・公判の在り方の見直しや、被疑者の取調べ状況を録音・録画の方法により記録する制度の導入等、刑事の実体法及び手続法の整備の在り方について審議がなされているところであり、また、国家公安委員会委員長の研究会において、治安水準の維持という観点も踏まえて、取調べの高度化と可視化、捜査手法の高度化等について幅広く検討することとしており、諸外国の取調べ、捜査手法等について調査を行うとともに、我が国の取調べの機能等について、順次検討を進めているところである。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2011年6月24日 浅野 貴博(民主党・無所属クラブ) 答弁 2011年7月5日
衆議院 第177回 第273号
提出 2008年10月16日 鈴木 宗男(国民新党・大地・無所属の会) 答弁 2008年10月24日
衆議院 第170回 第127号
提出 2008年10月17日 松野 信夫 答弁 2008年10月28日
参議院 第170回 第57号
提出 2016年5月6日 鈴木 貴子(無所属) 答弁 2016年5月17日
衆議院 第190回 第262号個別の事案 ×1
提出 1992年12月4日 谷村啓介 答弁 1993年1月22日
衆議院 第125回 第14号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる