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自衛隊における装備強化の必要性に関する質問主意書

衆議院 第177回 第301号

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2011年7月7日
内閣転送 2011年7月11日
答弁書受領日
2011年7月15日
提出から8日
答弁の項目数
7
質問 1,577字/答弁 1,556字

質問本文

東日本大震災発生から四か月を迎えようとしているが、今月一日、震災統合部隊を解散したものの、自衛隊は現在もなお四万人を超す態勢で献身的に被災地における行動を展開している。また、震災発生直後には、米国は太平洋艦隊ウォルシュ司令官が指揮する異例の態勢でトモダチ作戦を展開した。このことは国内外に、日本の緊急事態において米軍が最高のレベルで臨むことを示したものであり、世界に冠たる「日米同盟」の固い絆の象徴となった。

しかし、震災直後から被災地は深刻な燃料不足に襲われ、救助活動に当たる自衛隊車輌の燃料も侭ならない状況の下、海自の大型輸送艦の配備が遅れるなど海上輸送力の脆弱さが指摘されたところである。また、福島原発では、サプレッションチェンバー型の原子炉・マーク�Tの機能は米軍だけが知っており、ブラックボックスになっているところへ、空自偵察航空隊の偵察機RF4Eを出動させたものの、偵察機材が古く画像を電送するなどの情報が遅延し、米空軍の無人偵察機グローバルホークの情報量と正確性に頼らざるを得ない結果となった。

沖縄・南西諸島など島嶼部での有事を想定した場合に、自衛隊の海上輸送力を満たせるのか、また常時警戒監視が可能なのか、装備において甚だ疑問である。現政府による新たな「防衛計画の大綱」に基づく中期防衛力整備計画においては、海上輸送力の強化、無人偵察機の整備については触れていない。いずれも自衛隊の統合運用上における必要不可欠な能力と装備であり、防衛省改革の根本的な問題として捉え、従来陸・海・空毎に予算の定率配分がなされていることを見直し、大型でしかも高額予算を必要とする装備の拡充を図ることが喫緊の課題と考える。

従って、次の事項について質問する。

一 東日本大震災直後から被災地は深刻な燃料不足に襲われ、救助活動に当たる自衛隊車輌の燃料も侭ならない状況の下、海自の大型輸送艦の配備が遅れるなど海上輸送力の脆弱さが指摘されたことについてどのように分析しているのか、菅内閣の見解如何。

二 一に関連し、海自の大型輸送艦の配備に手を拱いている際、民間フェリーに救援を依頼したが、「危険物船舶運送及び貯蔵規則」において緊急時の例外規定がなく、揮発性の高いガソリンは積載できなかったことについて、今後どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。

三 一及び二に関連し、有事の際、海自艦はもとより民間フェリーにも協力を依頼しなければならないと考えるが、今後輸送力をどのように担保していくのか、菅内閣の見解如何。

四 福島原発では、原子炉・マーク�Tの機能は米軍だけが知っており、ブラックボックスになっていたため注水作業が遅れた。自衛隊のヘリは命がけで注水を行ったが、今後自衛隊に対して、原子力災害を克服しうる情報と装備について明らかにしておくことが最も重要と考えるが、菅内閣の見解如何。

五 四に関連し、空自偵察航空隊の偵察機RF4Eを出動させたものの、偵察機材が古く画像を電送するなどの情報が遅延し、米空軍の無人偵察機グローバルホークの情報量と正確性に頼らざるを得なかったことについてどのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。

六 現政府による新たな「防衛計画の大綱」に基づく中期防衛力整備計画においては、海上輸送力の強化、無人偵察機の整備については触れていないが、今後どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。

七 一〜六に関連し、自衛隊の統合運用上における必要不可欠な能力と装備について、防衛省改革の根本的な問題として捉え、従来陸・海・空毎に予算の定率配分がなされていることを見直し、大型でしかも高額予算を必要とする装備の拡充を図ることが、我が国の平和と安全、さらには国民生活における安心に資するものと考えるが、菅内閣の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

東日本大震災への対応において、自衛隊は、陸海空各自衛隊の保有する輸送手段を適切に組み合わせ運用するとともに、必要に応じ、民間の輸送手段も活用してきたところである。そのうち海上輸送については、海上自衛隊が保有する大型輸送艦三隻のうち年次検査中の一隻を除く二隻を速やかに被災地へ派遣し、年次検査中の一隻についても年次検査を繰り上げて終了し直ちに被災地へ派遣するとともに、民間の輸送船も活用し、救援物資や人員などを効果的に輸送したものと認識している。

二について

ガソリンは揮発性が高く爆発の危険性が高いため、ガソリンを輸送する船舶については、防火等の措置を講じる必要があるなど、安全確保のため法令による一定の規制が課せられている。お尋ねについては、このような法令による規制を踏まえつつ、自衛隊の艦艇で所要を満たせない場合には、ガソリン輸送に対応可能な民間の船舶を活用することを含め、最適な輸送体制を構築して対応してまいりたいと考えている。

三について

有事においては、海上輸送に関し自衛隊の艦艇で所要を満たせない場合、二についてで述べた法令による規制を踏まえつつ、安全確保に十分留意した上で民間の船舶を活用することを含め、自衛隊の任務遂行等に最適な輸送体制を構築する必要があると考えているが、今般の東日本大震災の教訓も踏まえ、対応可能な船舶についての情報把握に努めるなど、海上輸送が確実かつ円滑に行えるよう適切に対処していく必要があると考えている。

四について

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「本件事故」という。)において、自衛隊は、東京電力株式会社、関係省庁、米軍等と連携し、必要な情報を得ながら、保有する能力をもって適切に対応しているところであるが、今後とも、原子力防災訓練等を通じ、東日本大震災の教訓も踏まえつつ、必要な態勢の維持・構築に努めてまいりたい。

なお、東京電力株式会社福島第一原子力発電所第一号機から第四号機までの原子炉格納容器形式「マークI」の機能や構造等については、原子炉設置許可申請書等において記載されており、既に公知の情報である。

五について

政府としては、本件事故に対処するため、自衛隊が収集した情報はもとより、米国から提供されたグローバル・ホークによる情報を含め、その時々において最も有用な情報を利用したところであるが、東日本大震災の教訓も踏まえつつ、自衛隊の情報収集能力については、その向上に努めてまいりたい。

六について

「中期防衛力整備計画(平成二十三年度〜平成二十七年度)」(平成二十二年十二月十七日閣議決定)においては、部隊の迅速な展開に資するヘリコプター搭載護衛艦を整備するほか、各自衛隊が保有する機動力、輸送能力等を高めることとし、また、無人機を含む新たな各種技術動向等を踏まえ、広域における総合的な警戒監視態勢の在り方について検討することとしており、政府としては、東日本大震災の教訓も踏まえつつ、適切な防衛力の整備を行ってまいりたい。

七について

「平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成二十二年十二月十七日閣議決定)においては、統合幕僚監部の機能の強化を始め、指揮統制、情報収集、教育訓練等の統合運用基盤を強化することとしている。また、自衛隊全体にわたる装備、人員、編成、配置等の抜本的見直しによる思い切った効率化・合理化を行った上で、真に必要な機能に資源を選択的に集中して防衛力の構造的な変革を図るほか、各自衛隊に係る予算配分についても、安全保障環境の変化に応じ、前例にとらわれず、縦割りを排除し総合的な見地から思い切った見直しを行うこととしており、政府としては、このような考え方に基づいて適切な防衛力の整備を行ってまいりたい。

衆議院の原文

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