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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する質問主意書

衆議院 第180回 第163号

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2012年3月30日
内閣転送 2012年4月4日
答弁書受領日
2012年4月10日
提出から11日
答弁の項目数
12
質問 1,625字/答弁 2,965字

質問本文

今次通常国会に内閣から提出されている「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」については、平成二十一年十月七日の地方分権改革推進委員会「第三次勧告」を踏まえた地方自治体に対する義務付け・枠付けの見直しの第三次法案であり、この間の関係者の取り組みを評価するものである。ついては、個々の法律の改正に関し、趣旨を確認する観点から、以下十三項目にわたり質問する。

一 消防組織法第十五条第二項の改正により、消防長及び消防署長の資格に関する基準について、政令で定める基準を参酌して市町村が条例で定めることとされるが、全国一律の基準でなくても良いとする理由を伺う。

二 消防組織法第三十三条第五項の削除により、広域化対象市町村が、都道府県知事からの消防の広域化に関する協議の推進に関し必要な措置を講じなければならない旨の勧告に基づいて講じた措置について、都道府県知事へ報告する義務を廃止する理由を伺う。

三 地方公務員法第二十六条の二第一項の改正により、修学部分休業の休業期間について、「二年を超えない範囲」という法定要件を外し、「当該修学に必要と認められる期間」を条例で定めることができることとする理由及び背景事情を伺う。

四 地方公務員法第二十六条の三第一項の改正により、高齢者部分休業の休業期間について、「定年退職日から五年を超えない範囲」という法定要件を外し、休業の対象となる高年齢職員の年齢を条例で定めることができることとする理由及び背景事情を伺う。併せて、年齢の下限は法で定めないのか、確認する。

五 地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律第三条第四項及び第四条第三項の改正により、地方公共団体が特定の事務を郵便局に取り扱わせるため郵便局を指定したとき又は指定を取り消したとき若しくは郵便局取扱事務の停止を命じたときの告示の義務を外し、周知するよう努めることとする理由及び具体的な周知の方法として想定しているものを伺う。

六 地方独立行政法人法第八条の改正により、特定地方独立行政法人を一般地方独立行政法人とする定款の変更を認め、非公務員化を可能にする理由を伺う。

七 労働関係調整法第三十一条の改正により、労働委員会による労働争議の仲裁の際の仲裁委員会の定数を「三人」から「三人以上の奇数」に弾力化する理由を伺う。

八 民生委員法第八条第二項の改正により、市町村の民生委員推薦会の委員の資格及び資格ごとの定数の定めを外す理由を伺う。

九 建築物における衛生的環境の確保に関する法律第五条第四項の削除により都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)が特定建築物のうち政令で定めるものに係る届出を受けた場合における都道府県労働局長への通知の義務を廃止する理由を伺う。

十 介護保険法第四十七条第二項第二号の新設に関し、指定居宅介護支援事業の運営に関する基準を都道府県が条例で定める際に、厚生労働省令で定める基準に従わなければならない事項として厚生労働省令で定める内容を伺う。

十一 介護保険法第五十九条第二項第二号の新設に関し、指定介護予防支援事業の運営に関する基準を市町村が条例で定める際に、厚生労働省令で定める基準に従わなければならない事項として厚生労働省令で定める内容を伺う。

十二 介護保険法第七十九条第二項第一号の改正により、指定居宅介護支援事業者の申請者は法人に限らず「都道府県の条例で定める者」に拡大されるが、その理由及び申請者として想定される対象を伺う。

十三 卸売市場法第十六条第二項の改正により、中央卸売市場の開設者による卸売業務の許可に係る申請書を受理した際の農林水産大臣への意見添付義務を廃止する一方、地方卸売市場の開設者による卸売業務の許可に係る申請書を受理した際の都道府県知事への意見添付義務は存続させる理由を伺う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

消防長及び消防署長の資格については、消防に関する知見の蓄積や教育訓練の充実により、市町村によってはこれらの職に必要な消防に関する知識及び経験を市町村の消防長及び消防署長の任命資格を定める政令(昭和三十四年政令第二百一号)で定める資格の期間より短期に取得できる環境にあることに鑑み、政令で一律に定めるのではなく、政令で定める基準を参酌すべき基準として地域の実情にあった資格を条例で定めることにより、それぞれの市町村において適当な者を消防長及び消防署長に任命することができると考えられることから、第百八十回国会提出の地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(以下「第三次一括法案」という。)による改正後の消防組織法(昭和二十二年法律第二百二十六号)第十五条第二項において、市町村の条例で定めることとしたものである。

二について

消防組織法第三十三条第五項の規定については、都道府県知事が同法第三十八条の規定により広域化対象市町村に対し市町村の消防の広域化に関する協議の推進に関し必要な措置を講じなければならない旨を勧告したときは、当該都道府県知事は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項の資料の提出の要求により、当該勧告に基づいて広域化対象市町村が講じた措置を把握することが可能であることから、市町村の事務の簡素化という観点から、削除することとしたものである。

三について

第三次一括法案による改正後の地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十六条の二第一項の規定については、修了までに二年を超える期間を必要とする大学院の課程が増えていることに鑑み、二年を超えない範囲内において条例で定める期間としていた修学部分休業の期間について、条例で定められる余地を拡大し、地方公共団体が地域の実情に応じ弾力的に定められるようにするため、二年を超えない範囲内という当該期間の上限を廃止し、条例で定めることとしたものである。

四について

第三次一括法案による改正後の地方公務員法第二十六条の三第一項の規定については、定年まで五年を超える期間を有する職員についても職務外における社会的貢献や定年退職後の人生設計のために高齢者部分休業の利用を可能とすることに関する要望があることに鑑み、定年退職日から五年を超えない範囲内において条例で定める期間遡った日後の日で申請において示した日から定年退職日までの期間としていた高齢者部分休業の期間について、条例で定められる余地を拡大し、地方公共団体が地域の実情に応じ弾力的に定められるようにするため、五年を超えない範囲内という当該期間の上限を廃止し、条例で定めることとしたものである。

なお、高齢者部分休業の対象となる高年齢である職員の年齢の下限については、法律では規定していない。

五について

第三次一括法案による改正後の地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成十三年法律第百二十号)第三条第四項及び第四条第三項の規定については、地方公共団体の自主性を強化し、自由度を拡大する見地から、郵便局の指定等を行った際の告示の義務を廃止するとともに、住民の利便性を確保するため周知の努力義務を規定することとしたものであり、具体的な周知の方法としては、例えば、広報誌又はインターネットの利用を想定している。

六について

第三次一括法案による改正後の地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第八条第二項及び第三項の規定については、国において特定独立行政法人から特定独立行政法人以外の独立行政法人への移行が進められてきたこと及び地方公共団体からの要望を踏まえ、地方独立行政法人においてもその組織体制を見直すことができるようにするため、特定地方独立行政法人を一般地方独立行政法人とする定款の変更を行うことができることとしたものである。

七について

第三次一括法案による改正後の労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)第三十一条の規定については、労働委員会が、地域の実情や個々の事件の性質等を考慮して仲裁委員の数を決定できることとすることにより、より慎重に労働争議の仲裁を行うことが可能となるようにしたものである。

八について

第三次一括法案による改正後の民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)第八条第二項の民生委員推薦会の委員の委嘱の要件については、市町村長(特別区の区長を含む。)が地域の実情に応じて民生委員推薦会の委員を委嘱する方が、地域の特色を生かした民生委員の活動が実施されることにより資することとなるものと考えられるため、緩和することとしたものである。

九について

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和四十五年法律第二十号)第五条第四項の規定については、各労働基準監督署等において労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく適用事業報告により、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令(昭和四十五年政令第三百四号)第二条の二で定める専ら事務所の用途に供される特定建築物に係る事業所の把握が可能であるため、地方公共団体の事務の簡素化という観点から、削除することとしたものである。

十及び十一について

第三次一括法案による改正後の介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第四十七条第二項第二号又は第五十九条第二項第二号の厚生労働省令で定める事項は、利用者及びその家族に対する人権侵害の防止等に係る事項とする予定である。

十二について

第三次一括法案による改正後の介護保険法第七十九条第二項第一号の規定については、各都道府県において、地域の実情に応じて指定居宅介護支援事業者を指定できるようにする観点から、申請者の法人格の有無に係る基準について都道府県の条例に委任することにしたものであるが、当該条例を定める際の基準となる同条第三項に規定する厚生労働省令で定める基準については、利用者にとって良質な介護サービスを安定的かつ継続的に確保するという観点から、適切に定めてまいりたい。

十三について

卸売市場法(昭和四十六年法律第三十五号)第十六条第二項の規定に基づく卸売業務の許可に係る申請書が中央卸売市場の開設者を経由して農林水産大臣に提出される場合の当該開設者による意見の添付については、中央卸売市場においては都道府県の区域を越えて卸売業者間の合併等が行われる事例があり、当該開設者に対し、広域的に業務を行う卸売業者に関する情報を調査させることは、多大な事務負担を課するものであることから、任意とすることとしたものである。

他方、卸売市場法第五十八条第三項において読み替えて準用する同法第十六条第二項の規定に基づく卸売業務の許可に係る申請書が地方卸売市場の開設者を経由して都道府県知事に提出される場合の当該開設者による意見の添付については、地方卸売市場において都道府県の区域を越えて卸売業者間の合併等が進展している状況にあるとは言い難く、中央卸売市場の場合と異なり当該開設者が意見の添付を行うことが可能であると判断したことから、引き続き義務付けることとしたものである。

衆議院の原文

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