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道州制特別区域の設定による事務・事業の移譲及び憲法第九十五条に基づく住民投票等に関する

参議院 第165回 第39号

提出者
参議院
提出日
2006年12月14日
内閣転送 2006年12月15日
答弁書受領日
2006年12月20日
提出から6日
答弁の項目数
6
質問 1,189字/答弁 947字

質問本文

道州制特別区域の設定による事務・事業の移譲及び憲法第九十五条に基づく住民投票等に関する質問主意書

道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律(以下「本法律」という。)の審査過程において、平成十八年十一月八日の衆議院内閣委員会では、枝野幸男議員の質疑に対して、政府は、本法律については憲法第九十五条に規定する住民投票は必要ない旨を答弁するとともに、特に本法律第七条について、北海道のみ権限が拡大されることはない旨の答弁をしている。

一方、同年十二月五日の参議院内閣委員会では、私が、本法律第七条第二項第四号に関連して、民有林の直轄治山事業と開発道路に係る直轄事業は、自治事務に該当するかと質疑したところ、林芳正内閣府副大臣は、「そういうことでございます」と答弁した。また、山崎史郎政府参考人は、「つまり、現行におきましては、今申し上げましたように、この部分というのは正に国の事務として行っているわけでございますので、この法案によって実際にこれが特定広域団体の方に事務が移るわけでございますが、・・・」と答弁した。さらに、自治事務について、土屋正忠総務大臣政務官は、「自治事務か法定受託事務かというのは、それぞれの地方自治体が自立的、自主的にやる事務か、あるいは国がやるべきかという、こういう区分でございます」と答弁した。

そこで、以下のとおり質問する。

一 憲法第九十五条に規定する住民投票を実施することが必要とされる法律とは、具体的にどのようなものであるのか政府の見解を示されたい。

二 地方自治体の組織、運営又は権限の側面から見た場合、自治事務及び法定受託事務は、どのように定義され、また位置付けられることになるのか。政府の見解を示されたい。

三 現在国が行っている事務を、政府が「地方自治体が自立的、自主的に行う事務」と答弁している自治事務として自治体に移譲することは、権限の移譲に該当するのではないか。政府の見解を示されたい。また、該当しないのであれば、その理由について明らかにされたい。

四 本法律第七条第二項第四号に定める事業が北海道に移譲されることによって北海道のみ権限が拡大するならば、憲法第九十五条に規定する住民投票が必要ではないか。政府の見解を示されたい。

五 森林法第四十一条第三項に規定する保安施設事業について、実態として、都道府県知事が申請をし、農林水産大臣が保安施設地区として指定したことはあるのか。また、あるとすれば、何件あるのか。それぞれ明らかにされたい。

六 法の運用に当たっては、法文の形式的な解釈のみならず、現実の法の運用状況や実態を踏まえて運用すべきと考えるが政府の見解を示されたい。また、そのような観点から、本法律第七条第二項第四号に定める事業の移譲による権限の移譲の有無を判断すべきと考えるが政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

憲法第九十五条に規定する一の地方公共団体のみに適用される特別法とは、一般的には、特定の地方公共団体の組織、運営又は権能について他の地方公共団体とは異なる定めをする法律であると解されているところであり、政府としても同様に考えている。

二について

自治事務及び法定受託事務は、地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱等を定めた地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第八項及び第九項に規定されており、ともに地方公共団体が処理する事務であるが、そのうち、自治事務とは法定受託事務以外のものをいい、法定受託事務とは国又は都道府県が本来果たすべき役割に係るものであって国又は都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるものをいう。

三について

国の事務又は事業について地方公共団体に権限を移譲し、当該事務又は事業が自治事務又は法定受託事務となることは、地方公共団体への権限の移譲に当たると考えている。

四について

第百六十五回国会において成立した道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律(以下「道州制特別区域法」という。)第七条第二項第四号イからニまでに掲げる工事又は事業は、それぞれ当該イからニまでに規定する法律の規定により行われるものであり、同条の規定は、これらの法律の規定による国の行政機関の長の権限についての当該法律の規定の特例を定めるものではない。したがって、道州制特別区域法の規定によって同号イからニまでに掲げる工事又は事業について地方公共団体に権限の移譲は行われず、道州制特別区域法の制定に当たって、お尋ねの憲法第九十五条の規定による住民投票を実施する必要はないと考えている。

五について

お尋ねの保安施設地区の指定については、平成十七年度においては、十二件の申請を受け、十二件の指定をしたところである。

六について

法律の運用は、当該法律の規定に従い、適正に行っていく必要があると考えている。また、四についてでお答えしたとおり、道州制特別区域法第七条の規定は、同条第二項第四号イからニまでに掲げる工事又は事業について地方公共団体に権限を移譲することを規定したものではないことは明らかであると考えている。

参議院の原文

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