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次世代に引き継ぐための農業農村整備事業の推進に関する質問主意書

衆議院 第180回 第362号

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2012年8月8日
内閣転送 2012年8月13日
答弁書受領日
2012年8月17日
提出から9日
答弁の項目数
9
質問 1,406字/答弁 2,196字

質問本文

現民主党政権は、政権交代以前において二兆五千億円超だった農業予算を、本年度予算では、二兆千億円まで大幅に削減した。民主党のマニフェストとは正反対である米価下落を招き、赤字の農家が減らないなど問題の多い戸別所得補償制度の実現に重点を置いたため、我が青森県における本年度農業農村整備事業予算は、平成十四年度予算と比較して約三割まで急落しており、補正予算を活用しても尚、農家の実態は、東日本大震災の影響、農業構造の脆弱化、TPP参加問題などによる辛酸を嘗め尽くし、極めて厳しい状況にある。

戸別所得補償によって蝕まれた農業基盤整備を本来の姿に復活させるため、農家所得の向上や担い手育成、農地の維持、食料自給率の向上、多面的機能の維持強化を図り、強い日本農業・農村の構築、次世代に引き継ぐことのできる持続可能な農業の発展を目指すべきと考える。

従って、次の事項について質問する。

一 問題の多い戸別所得補償制度の実現に重点を置いたため、我が青森県における本年度農業農村整備事業予算が、平成十四年度予算と比較して約三割まで急落していることについて、どのように捉えているのか、野田内閣の見解如何。

二 農作物の生産拡大や水管理の省力化に貢献する地下灌漑方式による暗渠整備が農家から期待されているが、我が青森県の水田汎用率は四割に止まっている。農家の意向に沿える「農業体質強化基盤整備促進事業」について、平成二十五年度予算ではどのように反映していくのか、野田内閣の見解如何。

三 我が青森県の農業用ダムやため池、水路等の農業水利施設の殆どは、老朽化が著しく、耐震化が不可欠であるが、「震災対策農業水利施設整備事業」について、平成二十五年度予算ではどのように反映していくのか。また、耐震強化対策については、新たな取り組みが必要と考えるが、それぞれにおける野田内閣の具体的な見解如何。

四 農業用水を活用した小水力発電施設の導入について、直近における全国の進捗状況はどのようになっているのか示されたい。また、再生可能エネルギーの創出に当たっては、国庫補助制度の創設が必要と考えるが、野田内閣の見解如何。

五 四に関連し、地域農業の振興を図るためには、電力の安定供給が欠かせないが、年間を通じて発電可能な冬期の水利権確保などについてどのように対応していくのか、野田内閣の見解如何。

六 平成二十五年度完了予定の国営岩木川左岸土地改良事業、現在継続中の小田川二期地区、本年度新規採択された平川二期地区について、直近の予算編成過程における進捗状況はそれぞれどのようになっているのか示されたい。

七 六に関連し、十三湖二期地区における土地改良事業の採択について、平成二十五年度以降の予算編成過程において検討していくものと承知しているが、進捗状況はどのようになっているのか示されたい。

八 我が青森県では現在、十二地区、約九百ヘクタールにおいて水田の圃場整備を通じた農地集積による規模拡大を加速しているが、地域の中心となる担い手を育成するために今後どのように取り組んでいくのか、野田内閣の見解如何。

九 強い日本農業・農村を構築するため、地方にとって「農山漁村地域整備交付金」、「地域自主戦略交付金」及び「地域再生基盤強化交付金」は極めて重要と考えるが、平成二十五年度予算では、どのように反映していくのか、野田内閣の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

青森県における農業農村整備事業の予算については、国が同事業により助成しているものに加え同県が地域自主戦略交付金により地域の実情に応じて配分しているものも含んでいることから、政府として見解を述べることは差し控えたい。農林水産省としては、平成二十二年度の予算編成過程において、厳しい財政状況の下、同省関係の既存予算について歳出の見直しを行った結果、同年度の同事業の当初予算額を前年度に比べて減額して計上したところであるが、平成二十三年度からは同事業の関連事業を新たに実施することとし、同年度の農業農村整備事業及びその関連事業の当初予算額を合わせた額並びに平成二十四年度の農業農村整備事業及びその関連事業の予算額を合わせた額は、それぞれ前年度に比べて増額して計上している。農業農村整備事業及びその関連事業は、我が国の農業生産力を支える上で重要な役割を担うものであると認識しており、引き続き重点的かつ効率的な推進に努めていく考えである。

二について

平成二十五年度の農業体質強化基盤整備促進事業の予算については、予算編成過程において検討していく考えである。

三について

平成二十五年度の震災対策農業水利施設整備事業の予算については、予算編成過程において検討していく考えである。

また、農業水利施設の耐震化に関しては、「土地改良長期計画」(平成二十四年三月三十日閣議決定)において、地震によって損壊のおそれのある農業用用排水施設の耐震対策をハザードマップの整備等と一体的に推進することとしている。

四について

農林水産省において把握しているところでは、平成二十四年七月末現在において、農業農村整備事業により農業用水を活用した小水力発電施設を導入した地区数は二十六地区であり、同事業により当該施設を建設中の地区数及び当該施設の導入を計画している地区数の合計は十一地区である。

また、政府としては、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号)に基づく再生可能エネルギーの固定価格買取制度及び農業用水を活用した小水力発電施設、住宅用太陽光パネル、自家消費用の再生可能エネルギー発電設備、東日本大震災の被災地における再生可能エネルギー発電設備等の導入に対する助成措置を活用するなど、今後もあらゆる施策を総動員して、再生可能エネルギーの導入拡大に努めていく考えである。

五について

河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第二十三条の規定による許可(以下単に「許可」という。)に基づく農業用水の取水量の範囲内で行う農業用水を活用した小水力発電については、冬期を含め、水利権の確保を円滑に行えるよう、総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)第四十九条から第五十二条までの規定により許可の手続の簡素化等を行うとともに、河川法施行令(昭和四十年政令第十四号)第二条第一項第三号に掲げる特定水利使用(同号に規定する特定水利使用をいう。)の要件を見直し国土交通大臣から都道府県知事等に許可の権限を移譲し、また、申請書類の簡素化等を行っているところである。さらに、農業用水を活用した小水力発電施設を導入しようとする者に対し、許可の申請に必要な調査、書類作成等に要する経費について助成措置を講じているところである。政府としては、農業用水を活用した小水力発電の導入は、電力の安定供給のみならず、農村地域の活性化にも資するものと認識しており、引き続き、こうした取組を推進していく考えである。

六について

国営岩木川左岸土地改良事業及び国営小田川二期土地改良事業の平成二十三年度末時点における進捗率は、それぞれ、九十四・七パーセント及び六十五・一パーセントである。なお、国営平川二期土地改良事業の同年度末時点における進捗率については、同事業の着手が平成二十四年度からであることから、お示しすることはできない。

七について

お尋ねの十三湖二期地区における土地改良事業の採択については、平成二十三年度から国による調査を実施し、また、地元の土地改良区、関係市町、青森県等と調整を進めている段階であるため、当該調査及び当該調整の状況を踏まえ、平成二十五年度以降の予算編成過程において検討していくこととしている。

八について

農林水産省においては、農業者戸別所得補償制度により農業経営の安定の基礎を確保した上で、平成二十四年度からは、地域農業の中心となる経営体、地域農業の今後の方向性等を、地域ごとの関係者による話合いを通じて明らかにした「人・農地プラン」を市町村等が作成する取組を促進しているところである。今後は、同プランに則して地域農業の中心となる経営体を育成する考えであり、新規就農者への青年就農給付金の給付、地域農業の中心となる経営体への農地の集積に協力する農地の所有者等に対する農地集積協力金の給付等を行うこととしている。

九について

農山漁村地域整備交付金、地域自主戦略交付金及び地域再生基盤強化交付金については、これらの交付金を活用し、地域の自主性を生かして農村の生産基盤及び生活環境基盤の整備を行うことが、農村の活性化や、さらには農業経営の基盤強化に大きな役割を果たしていると認識している。

平成二十五年度予算については、予算編成過程において検討していく考えである。

衆議院の原文

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