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新政権の基本姿勢に関する質問主意書
衆議院 第182回 第5号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×3
質問本文
新政権の基本政策についてお尋ねする。
一 格差について
1 かつて、平成十八年三月二日の衆議院予算委員会における、民主党の岡田克也委員との質疑の中で、当時の小泉純一郎総理大臣は「ですから、最低限のセーフティーネットが整備されていれば、みずからの能力をどんどん発揮できるような人をどんどん出すということは、仮に格差が広がっても、私は悪いことではないと思っているんです。余り成功者をねたんだり、能力のある者の足を引っ張る風潮というのは好ましくない、そういうことを言っているんです。
しかし、どうしても自分でやっていけないという方に対してはセーフティーネットをどう整備するか、これは政治で極めて重要なことだと思っております。」と答弁されている。
特に「仮に格差が広がっても、私は悪いことではないと思っているんです」という答弁に関しては、新政権でも格差に関して、この答弁の立場に立つのか否か、お示し願いたい。
2 新政権は、格差の拡大を防ぐため、所得税の累進度を現行よりも高額所得者に高くし、相続税についても課税を強化する方向なのか、政府の見解をお示し願いたい。
二 社会保障費の機械的削減について
かつて、自公政権では、社会保障費の自然増に関して、毎年二二〇〇億円を削減する政策を実行した。この機械的削減手法により深刻な医療崩壊をはじめとする問題を生じさせたと考える。この予め金額を決めて削減する手法を新政権においても継承していくか、お示し願いたい。
三 生活保護について
自民党の重点政策2012には、「生活保護費(給付水準の原則一割カット)など抜本的な見直しを行います」とある。新政権では、給付水準原則一割カットを進めるのか否か、お示し願いたい。
また、この「一割」の根拠も併せてお示し願いたい。
四 所得制限の哲学について
高校無償化について新政権の中で、所得制限を設ける議論がある。所得制限に関する哲学をお尋ねする。
高校無償化に所得制限を設けた場合、行政事務の煩雑さに加え、高額所得者の納税意欲が損なわれる恐れがあるため、原則として、所得制限をかけずに実施し、所得再分配機能は主に税制や保険料に担わせることが必要と考える。以上を踏まえた上で、新政権は、高校無償化について所得制限を設けるのか。設けるとすれば、その理由をお示し願いたい。
五 「消えた年金」対策について
年金紙台帳全件六億枚、七九〇〇万人分のコンピューターとの照合が来年度中(二〇一三年度)に終了予定となっており予算も概算要求されている。これに要する二〇一三年度予算は概算要求通りに確定すべきと考えるがいかがか。
六 国土強靭化計画について
1 新政権は、国土強靭化計画として、一〇年間で官民合わせて二〇〇兆円の公共事業を実施するといわれているが、その通りなのか。
2 国土強靭化計画の費用二〇〇兆円の積算根拠をお示し願いたい。
また、支出計画について、毎年二〇兆円ずつ実行し、一〇年間で二〇〇兆円を実行する方針と考えてよいのか。
3 基礎的収支(プライマリーバランス)の黒字化の達成は、いつを目標とするのか。
また、この国土強靭化計画の実施で、黒字化の達成が従来の計画より、遅れることになるのか、お示し願いたい。
七 天下り調査について
政府の二〇〇七年四月一日時点のいわゆる国の天下り調査では、四六九六法人に二万六六三二人の国家公務員OBが在籍し、これらの法人に一二兆六〇四八億円の金銭交付が国からあった(二〇〇六年度、一件当たり五〇〇万円未満は除く)。最新数値を調査いただきたいと考えるがいかがか。
また、このような調査をする意義についてどのように受け止めているのか、見解をお示し願いたい。
質問番号ごとにできる限り、具体的にご回答をいただくことをお願いする。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
政府としては、個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国を目指すとともに、自助・自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べるとの基本的な考え方に基づき、施策を推進してまいりたい。
一の2について
政府としては、所得税及び資産課税に係る措置については、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)附則第二十条において、「所得税については、格差の是正及び所得再分配機能の回復の観点から、最高税率の引上げ等による累進性の強化に係る具体的な措置について検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる。」とされ、また、同法附則第二十一条において、「資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点からの相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促し、消費拡大を通じた経済活性化を図る観点からの贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる。」とされているところであり、これらの規定にのっとり、適切に対応してまいりたい。
二について
政府としては、社会保障に係る費用については、社会保障制度改革推進法(平成二十四年法律第六十四号)の規定及び社会保障制度改革国民会議における議論を踏まえつつ、自助・自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べるとの基本的な考え方に基づき、持続可能な社会保障制度の構築を図る観点から、適切に対応してまいりたい。
三について
政府としては、自由民主党が作成した「重点政策二〇一二」の内容について、お答えする立場にないが、生活保護基準については、現在、社会保障審議会生活保護基準部会において検証を進めているところであり、同部会における検証結果を踏まえながら、見直しを検討してまいりたい。
四について
政府としては、お尋ねの「高校無償化」に所得制限を設けるかどうかについては、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(平成二十二年法律第十八号)附則第二項の規定も踏まえ、今後、高校生等への修学支援の在り方について総合的な検討を行う中で検討してまいりたい。
五について
政府としては、紙台帳の年金記録とコンピュータの年金記録との照合の作業は、年金記録問題の解決に向けた重要な取組の一つであると考えており、平成二十五年度予算における当該作業に要する費用については、同年度の予算編成過程において検討してまいりたい。
六について
政府としては、お尋ねの国土強靭化計画は決定しておらず、同計画についてお答えすることは困難である。
また、財政健全化の目標については、平成二十七年度までに国・地方のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を平成二十二年度の水準から半減し、平成三十二年度までに国・地方のプライマリーバランスを黒字化することとしている。
七について
お尋ねの「二〇〇七年四月一日時点のいわゆる国の天下り調査」は、衆議院調査局による「国家公務員の再就職状況に関する予備的調査」(平岡秀夫君外百十二名提出、平成十九年衆予調第二号)を指すものと考えられるが、予備的調査は、衆議院規則第五十六条の二の規定に基づき、衆議院の委員会がその審査又は調査のために必要な調査として衆議院調査局長等に命じて行わせる調査と承知しており、政府としては、お尋ねの最新数値について調査する必要性やお尋ねの調査の意義について、お答えする立場にない。
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