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仮放免許可を受けた者の現状と政策に関する質問主意書
衆議院 第183回 第119号お答えすることは困難 ×6検討してまいりたい ×1
質問本文
平成二三年一一月一七日の衆議院本会議及び同年一一月二一日の参議院本会議において、「難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取り組みに関する決議」が全会一致で採択された。「難民保護の国際法及び国際的基本理念を尊重し、日本は国際的組織や難民を支援する市民団体との連携を強化しつつ、国内における包括的な庇護制度の確立、第三国定住プログラムの更なる充実に向けて邁進する。」と明言された本決議は、世界でも例のない素晴らしい決議として国際社会から評価されている。
しかし、法務省が発表した平成二四年の難民認定数は、処理件数二一九八件に対しわずか五人(〇・二%)という認定数にとどまっている。
また、国連社会権規約委員会は第五〇回審査において、「委員会は(略)移住労働者(非正規な移民資格しか有していない者、庇護希望者および難民を含む)の不平等な待遇が報告されていることを懸念する」との見解を示し、「委員会は、締約国(日本)が、移住労働者(非正規な移民資格しか有していない者、庇護希望者および難民を含む)の不平等な待遇を解消するために法令を強化するよう勧告する」(日本に対する第三回総括所見)としている。本来、保護されるべき難民が在留資格を与えられず、国際社会が懸念するような不平等な状態に置かれているとすれば、大きな問題である。とりわけ、例えば欧州で、在留資格のない不安定な状況に置かれた女性難民申請者が貧困のあまり売春を強いられるなどの状態が報道されているように、日本でも子どもや単身女性が特に脆弱な立場に置かれていることが考えられる。
現在、我が国では、仮放免許可を受けた者(以下「仮放免者」とする)の数は平成二四年には二五〇〇人を超えたという報道もあり、その中には難民としての保護を希望している者が多数存在していると推測される。また、そうした仮放免者の中には、庇護を希望している親子も含まれている。上記規約委員会の懸念は、特に脆弱な立場に置かれた子どもたちにこそ該当するのではないかと考えられるところである。
難民保護という国際社会からの要請、「国内における包括的な庇護制度の確立、第三国定住プログラムの更なる充実に向けて邁進する」とした衆参両院による決議、「不平等な待遇を解消するために法令を強化」するよう求めた国連社会権規約委員会の勧告に応えるためには、まず、難民認定申請を行う人々、仮放免という「非正規な移民資格」にある人々の実相に迫ることが必要である。
従って、以下、質問する。
一 難民認定者について。
1 平成二四年に認定された五人のうち、難民不認定の取り消しを受けた裁判で勝訴した者は何人か。
2 平成二四年に認定された五人のうち、二回目以降の申請で難民認定を受けた者は何人か。
二 難民の認定をしない処分に対する意義申立てに理由があると認められ、難民認定を受けた者について。
平成二四年に認定された一三人のうち、二回目以降の異議申立てで難民認定を受けた者は何人か。
三 難民と認定されなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認められたものについて。
平成二四年に「その他の庇護」を付与された一一二人の内、二回目以降の難民認定申請または異議申立てで「その他の庇護」を付与された者は何人か。
四 平成二四年に「その他の庇護」を付与された者一一二人のうち、付与された時点で、日本人または永住資格のある外国人の配偶者となっていた者は何人か。
五 平成二四年に行なわれた難民認定申請の処理数二一九八件のうち、男性の数、女性の数はそれぞれいくらであったか。
六 難民の認定をしない処分に対して、平成二四年に行なわれた異議申立ての処理数九九六件のうち、男性の数、女性の数はそれぞれいくらであったか。
七 平成二四年に難民認定申請を行なった二五四五人のうち、正規在留資格をもっていた一七七七人について、難民認定申請時にどのような正規在留資格を有していたか、その内訳と人数を明らかにされたい。
八 平成二四年の異議申立者一七三八人のうち、異議申立て時に正規在留資格を有していたものは何人いるか。また、どのような正規在留資格を有していたか、その内訳と人数を明らかにされたい。
九 平成二四年に行なわれた難民認定申請処理数二一九八件について、処分決定時における在留資格はどのようなものであったか。また同じく異議申立て処理件数九九六件の処分決定時における在留資格はどのようなものであったか。種類と人数を明らかにされたい。
一〇 平成二四年一二月三一日時点で仮放免を許可されている者について。
1 上記のうち「生年月日が一九九四年一月一日以降である者」について、「収容令書にもとづく仮放免」「退去令書にもとづく仮放免」「難民申請に付随する仮滞在許可」「収容令書にもとづく収容」「退去令書にもとづく収容」に該当するそれぞれの数字を明らかにされたい。
2 上記のうち、「生年月日が二〇〇七年四月二日以降である者」について、「収容令書にもとづく仮放免」「退去令書にもとづく仮放免」「難民申請に付随する仮滞在許可」「収容令書にもとづく収容」「退去令書にもとづく収容」に該当するそれぞれの数字を明らかにされたい。
一一 上記の「生年月日が一九九四年一月一日以降である者」のうち、両親または一方の親が過去に難民認定申請をしている者は何名いるか。
一二 平成二四年一二月三一日時点で仮放免を許可されている者のうち、女性と男性はそれぞれ何名であるか。
一三 右記で確認してきた通り、法務省が毎年公表する難民等の庇護に関する情報については、子どもや女性など特に脆弱な立場に置かれていると懸念される人々の実相が客観的にわかるよう、公表内容を見直すべきであると考えるが、政府の認識を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
平成二十四年に難民認定申請により難民の認定を受けた者(難民の認定をしない処分に係る異議申立てに対する決定により難民の認定を受けた者を除く。以下同じ。)五人のうち、難民不認定処分取消訴訟において難民の認定をしない処分を取り消す旨の判決を受け、当該判決が確定した結果、難民の認定を受けた者は、三人である。
一の2について
平成二十四年に難民認定申請により難民の認定を受けた者五人のうち、二回目以降の申請により難民の認定を受けた者は、一人である。
二について
平成二十四年に異議申立て(難民の認定をしない処分に係る異議申立てをいう。以下同じ。)に対する決定により難民の認定を受けた者十三人のうち、二回目以降の異議申立てに対する決定により難民の認定を受けた者は、二人である。
三について
平成二十四年に、難民の認定をしない処分を行ったが、人道上の配慮を理由に在留を認めた者百十二人のうち、二回目以降の難民認定申請又は異議申立ての際に在留を認めた者は、二十九人である。
四について
平成二十四年に、難民の認定をしない処分を行ったが、人道上の配慮を理由に在留を認めた者百十二人のうち、その時点で、日本人又は永住者の在留資格をもって在留する者若しくは特別永住者の配偶者となっていることが判明していた者は、十五人である。
五について
平成二十四年に処理された難民認定申請二千百九十八件のうち、男性によるものは千八百七十件、女性によるものは三百二十八件である。
六について
平成二十四年に処理された異議申立て九百九十六件のうち、男性によるものは七百九十件、女性によるものは二百六件である。
七について
平成二十四年に難民認定申請を行った者延べ二千五百四十五人のうち、当該申請時に適法に本邦に在留していた者千七百七十七人について、その在留資格等の内訳をお示しすると、公用の在留資格をもって在留する者が十一人、投資・経営の在留資格をもって在留する者が二人、教育の在留資格をもって在留する者が一人、技術の在留資格をもって在留する者が六人、人文知識・国際業務の在留資格をもって在留する者が二十一人、興行の在留資格をもって在留する者が六人、技能の在留資格をもって在留する者が四十三人、技能実習の在留資格をもって在留する者が四十三人、短期滞在の在留資格をもって在留する者が千六十四人、留学の在留資格をもって在留する者が百二人、研修の在留資格をもって在留する者が六人、家族滞在の在留資格をもって在留する者が五十二人、特定活動の在留資格をもって在留する者が三百八十六人、日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者が四人、永住者の配偶者等の在留資格をもって在留する者が二人、寄港地上陸の許可を受けていた者が一人、乗員上陸の許可を受けていた者が二人、緊急上陸の許可を受けていた者が一人、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十二条の二第一項の規定に基づき在留していた者が二十四人である。
八について
平成二十四年に異議申立てを行った者千七百三十八人のうち、異議申立て時に適法に本邦に在留していた者は、千百三十一人であり、その在留資格等の内訳をお示しすると、人文知識・国際業務の在留資格をもって在留する者が一人、留学の在留資格をもって在留する者が二人、特定活動の在留資格をもって在留する者が千百二十八人である。
九及び十一について
お尋ねのような形での統計を取っておらず、お答えすることは困難である。
十の1について
お尋ねのうち、退去強制令書による収容中に仮放免された者は、二百九十八人である。
収容令書による収容中に仮放免された者及び難民認定申請をして仮滞在の許可を受けた者については、お尋ねのような形での統計を取っておらず、お答えすることは困難である。
お尋ねのうち、「収容令書にもとづく収容」及び「退去令書にもとづく収容」については、その意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
十の2について
お尋ねのうち、退去強制令書による収容中に仮放免された者は、百二十五人である。
収容令書による収容中に仮放免された者及び難民認定申請をして仮滞在の許可を受けた者については、お尋ねのような形での統計を取っておらず、お答えすることは困難である。
お尋ねのうち、「収容令書にもとづく収容」及び「退去令書にもとづく収容」については、その意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
十二について
お尋ねのうち、退去強制令書による収容中に仮放免された者については、男性が千九百十七人、女性が七百二十八人である。
収容令書による収容中に仮放免された者については、お尋ねのような形での統計を取っておらず、お答えすることは困難である。
十三について
難民認定手続に関する情報に限らず、出入国の管理に関する情報についても、国民のニーズに応える公表の方法を引き続き検討してまいりたい。
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