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難民認定制度に関する質問主意書
衆議院 第168回 第18号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
二〇〇五年五月より改正「出入国管理及び難民認定法」が施行され、難民審査参与員制度をはじめ、新たな難民認定制度が始まった。この改正案議決にあたり、衆議院、参議院はそれぞれ附帯決議を付し、手続きの「適正性」、「迅速性」、「客観性」、「透明性」を確保、参与員の人選にあたって「専門性」を確保するよう難民調査当局に対し要請している。また、そのために「国連難民高等弁務官事務所の解釈や勧告等を十分尊重する」ことを当局に要請している。
また、「仮滞在許可制度、難民認定における不服申立制度等、難民認定に関する各種制度について、その運用状況を勘案しつつ三年後を目途に検討を行うこと」との附帯決議を付し、実施状況を検証するよう要請している。
難民保護という最も重要な国際貢献に寄与する趣旨から、以下のとおり質問する。
一 難民認定実務の実績について
1 二〇〇三年から二〇〇六年までの難民申請件数と難民認定件数を示されたい。
2 二〇〇六年に難民申請者の異議申立てにもとづいて行われた審査件数と、それにもとづいて参与員の前で意見陳述が行われた件数と、意見陳述に付されなかった件数を示されたい。
3 二〇〇六年一月一日以前に難民申請を受付けて二〇〇六年十二月三十一日時点で一次処分の告知を行っていない件数を示されたい。このうち二〇〇五年一月一日以前に受付けた件数も示されたい。
4 二〇〇六年一月一日以前に提出された難民不認定処分異議申立てのうち二〇〇六年十二月三十一日時点で裁決の告知を行っていない件数を示されたい。
5 「出入国管理及び難民認定法施行規則」には、「法務大臣は、前項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、異議申立て人又は参加人の意見陳述及び審尋を録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。)に記録し、これをもつて調書の記載に代えることができる」(第五十八条の六第二項)との規定が新設され、調査プロセスの透明化に期待が寄せられているが、前記二〇〇六年中に録音テープ又はビデオテープに記録した件数は何件か示されたい。
二 実務について
1 出身国情報の収集について
1)先の法務省の回答では、二〇〇五年に外部に委託して翻訳した出身国情報は以下の三点であった。
バングラデシュ、英国内務省報告(二〇〇五年、全訳)
パキスタン、英国内務省報告(二〇〇五年、全訳)
イラン、英国内務省報告(二〇〇五年、全訳)
二〇〇六年に提出された難民申請の審査に供するために外部に委託して翻訳した出身国情報を明らかにされたい。
2)またそれらは、難民調査官および参与員に、当該難民申請者の供述調書作成または審尋問までに配布されたか。
3)難民申請者は、自身の個別事情について、母国語などで陳述書や関連資料を提出していると思われる。正確性を期すためそれらの翻訳は外注され、各地方入国管理局または本省入国管理局において発注書が記録として保管されている。この翻訳発注の総件数と総費用を回答されたい。
2 参与員による審尋後「意見陳述及び審尋の要旨を記載した書面」が作成されるが、その書面は要旨のみであるため、審尋時の問答の正確性が保証されておらず、また代理人に開示する際に複写させないという制限的な開示である。なぜ要旨のみが開示され複写不可能なのか、その理由を示されたい。
3 参与員による審尋当日に提出した証拠は受付けられない。これはなぜか理由を示されたい。
4 一次審査で作成された供述調書が参与員の審尋前にもその場でも、またその後も開示されず、もっぱら、申請者の主張の変遷を跡付けるための弾劾目的で使用されている。このような慣行は「手続の客観性及び透明性」という国会の附帯決議の要請に反している。保有する証拠を審尋前に申請者およびその代理人に開示すべきであると考えるがいかがか。
三 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)からの助言について
参議院は、「入管法に定める諸手続に携わる際の運用や解釈に当たっては、難民関連の諸条約に関する国連難民高等弁務官事務所の解釈や勧告等を十分尊重する」よう求めている。国際社会の付託を受けたUNHCRの助言を尊重、履行することが難民行政を担当する機関に対する要請であると考える。
1
1)法務省が二〇〇六年においてUNHCRに難民認定および補完的保護の付与について助言を求めた件数を示されたい。
2)前記の難民申請から一年以上経過して処分を決定していない事案について助言を求めた件数を示されたい。
2
1)二〇〇六年にUNHCRより提供を受けた文書、UNHCRの見解書の表題をすべて列挙されたい。
2)そのうち翻訳した文書があれば、その概要を説明されたい。
3 二〇〇六年のUNHCRの担当者を招いた難民調査官、難民審査参与員を対象とするセミナーなどの実施状況(開催日、参加者の肩書きと人数、テーマ)を明らかにされたい。
4 アフガニスタンではタリバン勢力が南東部を中心に勢力を拡大し、首都でも自爆テロが頻発する状況となっている。二〇〇六年五月二十二日郡和子衆議院議員に対し石崎課長補佐が「UNHCRに助言を求める」と回答したが、その後、UNHCRに助言を求めたか。求めた場合はその求めた日と求めた文書の内容、UNHCRからの回答の内容を明らかにされたい。また求めなかった場合は求めない理由を明らかにされたい。
5 二〇〇六年には、多くのビルマ人、とりわけ少数民族であるロヒンギャ族出身者が多数入国し、難民申請した。現在多くのビルマ人が収容されている。このような不測の事態においては、法務省はUNHCRに助言を求めたか。またUNHCRからこれとは別にビルマ難民に対して助言を受けたことがあるか。それぞれ助言を求めた日と助言があった日を示し、助言の内容を明らかにされたい。
四 冊子「難民認定行政−二十五年間の軌跡−」について
法務省は、二〇〇六年十一月「難民認定行政−二十五年間の軌跡−」を発刊した。この中に、「難民不認定理由の説明状況」として、「決定書中に記載された処分理由」例が複数開示されている。この公表にあたって、「個人情報保護等の関係上,一部固有名詞を記号化した」全文が掲載されている。それらは出身国、日本の入出国日、刑事事件で係属した裁判所名も記載した詳細なものである。これについて以下の点を質問する。
1 同冊子には「個人情報保護等の関係上,一部固有名詞を記号化した」と記されているが、ここでいう「個人情報」は、いわゆる個人情報保護法の「個人情報」定義「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう」に準じると解釈される。同冊子の発刊にあたり、個人情報保護法にある「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなる」情報に該当する可能性を排除するため、「他の情報」の存否をどのように確認したか明らかにされたい。
2 特に、外国人の犯罪はマスコミの関心を引き、しばしば実名報道されていることに照らし、刑事事件で実刑を受けた者の過去の新聞報道、テレビ報道などの検索、照合により、難民申請者個人を特定ないし、ほぼ特定できる可能性を検討されたか、明らかにされたい。
3 この中の一名は、「処分理由」例に記されている二語を検索語として使用することにより、インターネット上で提供されている過去の新聞記事検索サービスを通じて、その者の名前に到達することができる。インターネットの検索性能から、個人情報保護法にいう「他の情報」を容易に入手できると思われる。また「処分理由」例に記されている二語だけの検索語で申請者本人の名前が表示されることからも容易に照合できるといわざるを得ないと思われるがいかがか。
4 このような詳細な情報を冊子として不特定の人々に配布し、またインターネット上で無制限にアクセスできるようにすることで、自国政府の迫害を恐れる難民申請者が、自身の個人情報が入国管理局によって保護されないとの危惧を抱く可能性について事前に検討されたか明らかにされたい。
5 特に開示されている理由書の事案に関与した参与員を含め、同冊子の公表にあたって参与員に事前に回覧し、開示について意見を求めたか。求めた場合は、どのような見解が寄せられたか、明らかにされたい。
6 同冊子の作成に要した費用(制作費、印刷費、運送費、原稿料)、発行部数、冊子体の配布先を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
難民認定申請者数は、平成十五年が三百三十六人、平成十六年が四百二十六人、平成十七年が三百八十四人、平成十八年が九百五十四人であり、難民認定者数は、平成十五年が十人、平成十六年が十五人、平成十七年が四十六人、平成十八年が三十四人である。
一の2について
平成十八年に、難民不認定処分に係る異議申立てに基づいて審査を行った件数は百五十七件であり、このうち、難民審査参与員の前で口頭意見陳述が行われた件数は百四十六件、異議申立人の希望により口頭意見陳述が行われなかった件数は十一件である。
一の3について
平成十八年一月一日以前に難民認定申請を受理し、平成十八年十二月三十一日時点で難民認定申請に係る処分の告知を行っていない件数は、二百十八件であり、このうち平成十七年一月一日以前に難民認定申請を受理した件数は、三十九件である。
一の4について
平成十八年一月一日以前に提出された難民不認定処分に係る異議申立てのうち平成十八年十二月三十一日時点で決定の告知を行っていない件数は、四十七件である。
一の5について
出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号。以下「施行規則」という。)第五十八条の六第一項においては、「調書を作成するものとする」と規定し、同条第二項においては、録音テープ又はビデオテープに記録し、「これをもつて調書の記載に代えることができる」と規定しているが、その実施の要否及び方法について検討中であること等から、現段階においては実施には至っておらず、これまで録音テープ又はビデオテープに記録したものはない。
二の1の1)について
平成十八年において、お尋ねの「外部に委託して翻訳した出身国情報」は、Assistance Association for Political Prisoners (Burma) のウェブサイト及びミャンマー電信法である。
二の1の2)について
難民調査官及び難民審査参与員に対し、翻訳が完成し次第、速やかに配布した。
二の1の3)について
平成十八年度においては、お尋ねの「翻訳発注」の総件数は六百九件であり、総費用は千四百三十万三千九百八十四円である。
二の2について
口頭意見陳述・審尋期日が実施された後、施行規則第五十八条の六第一項の規定により、「意見陳述又は審尋の要旨」等を記載した調書を作成しているところ、当該調書のすべてについて、異議申立人等に閲覧の機会を与え、訂正その他の申入れを受けた場合にはその旨を記載した書面を提出させていることから、当該調書の内容の正確性は十分に確保されており、現段階においては、謄写を認める必要性があるとは考えていない。
二の3について
口頭意見陳述・審尋期日における審理の充実を図る目的で、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第二十六条の規定に基づき、難民調査官及び難民審査参与員が資料を精査するために必要な相当の期間として、おおむね口頭意見陳述・審尋期日の二週間前までに証拠書類及び証拠物を提出するよう求めているところである。
二の4について
法務省としては、行政不服審査法においては、異議申立てについて、異議申立人等に証拠書類等の閲覧を認める明文の規定がない上、口頭意見陳述・審尋期日において、異議申立人に対し従前の供述内容について十分な弁明の機会を与えており、異議申立手続の客観性及び透明性の確保について配慮していることから、現段階において、異議申立人本人の供述調書については、特に開示する必要性があるとは考えていない。
三の1の1)及び2)について
平成十八年において、国際連合難民高等弁務官事務所(以下「UNHCR」という。)に対して個別事案に係る意見を求めたことはないが、UNHCRからは、適宜、難民認定に関する情報の提供を受けている。
三の2の1)及び2)について
平成十八年にUNHCRから提供された文書の表題及びこのうち翻訳したものの概要については、次のとおりである。
�@ 表題 Update on the Situation in Afghanistan and International Protection Considerations
概要 アフガニスタン情勢に関するUNHCRの見解
�A 表題 UNHCR Advisory on the Return of Somali Nationals to Somalia, November 2005
概要 ソマリア帰還に関するUNHCRの見解
�B 表題 Provision on International Protection Including Through Complementary Forms of Protection
概要 各国の調査により、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号。以下「難民条約」という。)上の保護の範囲外であると判断された者に対して提供される保護の形態
�C 表題 Providing International Protection Including Through Complementary Forms of Protection
概要 各国の調査により、難民条約上の保護の範囲外であると判断された者に対して提供される保護の形態に関する会議資料
�D 表題 An introduction to International Protection
概要 難民保護のためのトレーニング教材
�E 表題 Refugee Status Determination
概要 難民保護のためのトレーニング教材
�F 表題 UNHCR難民用語集
�G 表題 難民条約上の理由と迫害の危険との因果関係に関するUNHCRによる東京弁護士会に対する助言的意見
�H 表題 アジェンダ・フォー・プロテクションの仮翻訳
�I 表題 Advisory Services and Technical Cooperation in the Field of Human Rights
概要 ネパール情勢に関するUNHCRの見解
�J 表題 Ian Martin Representative United Nations High Commissioner for Human Rights in Nepal Presentation and Question and Answer Session
概要 ネパール情勢に関するUNHCRの見解
�K 表題 入国審査官・警備官研修UNHCR講義アウトライン
�L 表題 UNHCR難民認定様式について
�M 表題 国際的保護についてのガイドライン除外条項の適用、難民の地位に関する千九百五十一年条約第一条F項
�N 表題 UNHCR consideration on the protection needs of persons displaced due to the conflict in Lebanon and on potential responses
概要 レバノン情勢に関するUNHCRの見解
�O 表題 Guidelines on International Protection
概要 人身取引と難民について
�P 表題 Country of Origin Information Iraq
概要 イラク情勢に関するUNHCRの見解
�Q 表題 UNHCR Advisory Regarding the Return of Iraqis
概要 イラク人の帰還に関するUNHCRの意見
�R 表題 Guidelines Relating to the Eligibility of Iraqi Asylum-Seekers October
概要 庇護を希望するイラク人の帰還に関するガイドライン
�S 表題 イラン出身国情報の日本語訳の件
21 表題 アフガニスタン出身の難民・その他国際保護を必要とすると判断された者の難民条約第一条C(5)に基づく地位の終止可能性について
22 表題 アフガニスタンへの送還・帰還における人道配慮事項
23 表題 Outcome of the Age, Gender and Diversity Mainstreaming (AGDM) Workshop
概要 難民及び難民認定申請者に対する聞き取り調査の結果
24 表題 Training on asylum issues at ports of entry
概要 空港における入国管理職員の研修資料
三の3について
平成十八年八月二十九日から同年九月十五日までの間、難民認定事務に必要な専門的な情報や知識の習得のために難民調査官及び難民認定事務に従事する入国審査官合計二十名に対して研修を実施し、その際にUNHCR職員から講師を招いている。
なお、平成十七年六月一日並びに平成十九年三月十四日及び同年七月二十日、難民審査参与員に対し、UNHCR職員による講演を実施している。
三の4について
平成十八年十月二十三日、UNHCRに対してアフガニスタン情勢に係る情報の提供を求め、同月三十一日にUNHCRから「アフガニスタン出身の難民・その他国際保護を必要とすると判断された者の難民条約第一条C(5)に基づく地位の終止可能性について」及び「アフガニスタンへの送還・帰還における人道配慮事項」という文書の提供を受けている。
三の5について
平成十八年七月五日及び同年八月二十三日、UNHCRとの間において難民認定に係る意見を交換する会を行っており、その中でロヒンギャを含むミャンマー人の難民認定に関する一般的な意見の交換も行っている。このほか、UNHCRとの間では、電話やメールによる一般的な意見の交換も日常的に行っている。
四の1から4までについて
難民不認定処分に係る異議申立ての却下又は棄却における却下又は棄却の理由については、難民認定手続の透明性を高めるとともに、異議申立人が訴訟の要否について検討することを容易にする目的で、異議申立人がこれを十分理解するに足りる具体的な説明を記載するよう運用を改めたところであるが、このように運用が変更され、難民認定手続の公正性及び中立性が高まったことを周知し、異議申立制度に対する一般の理解を深めるため、特に詳細に理由の説明を行った事例を抽出し、御指摘の「難民認定行政−二十五年間の軌跡−」の巻末に「難民不認定理由の説明状況」として掲載したものである。これらの事例の抽出及び記載に当たっては、関係者のプライバシーの保護について十分に検討し、公開されている裁判例集、刊行されている判例解説等の記載方法を踏まえたものであり、個人情報保護等の観点から特に問題があったものとは考えていないが、今後ともこのような事例の公表に当たっては、関係者のプライバシーに十分配慮してまいりたい。
四の5について
「難民認定行政−二十五年間の軌跡−」の作成に係る企画段階において、難民審査参与員に対し、難民認定制度発足以来の難民認定申請内容の分析、難民審査参与員制度の創設経緯や趣旨、難民審査参与員制度の手続の流れ、難民不認定理由の説明状況及び難民審査参与員の感想をこれに掲載することを説明し、その後、難民審査参与員制度の創設経緯や趣旨、難民審査参与員制度の手続の流れ、難民不認定理由の説明状況及び難民審査参与員の感想の部分について原稿案を配布の上、意見を求めたところ、その内容に反対する意見はなかった。
四の6について
お尋ねの費用のうち、御指摘の冊子の作成に要した制作費及び印刷費は、合計百九十九万三千九百五十円であり、このほか翻訳料として、二十九万二千九百五十円を支出している。お尋ねの「運送費」の意味は必ずしも明らかではないが、当該冊子の配布に当たっては、他の印刷物と混載して送付するなどしておりその送付に要した費用を特定することは困難である。また、原稿料は支出していない。
発行部数については、日本語版が三千冊、英語版が千冊である。
配布先については、関係府省庁、難民審査参与員、国会議員、報道機関、学術関係者等である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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