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「侵略の定義」など安倍首相の歴史認識に関する質問主意書

衆議院 第183回 第76号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2013年5月16日
内閣転送 2013年5月20日
答弁書受領日
2013年5月24日
提出から8日
答弁の項目数
6
質問 3,425字/答弁 710字

質問本文

二〇〇六年九月二九日、辻元清美が「安倍首相の歴史認識に関する質問主意書」を提出し、第一次安倍内閣の歴史認識が明らかになった。第二次安倍内閣が成立したことを受けて、安倍首相の歴史認識が第一次安倍内閣当時と変わらないのか、またはどう変わったのかを明らかにすることは、多くの国民の要求するところである。

また、二〇一三年三月一二日の衆議院予算委員会では「先の大戦においての総括というのは、日本人自身の手によることではなくて、東京裁判という、言わば連合国側が勝者の判断によって、その断罪がなされたということなんだろうと思う」と発言し、四月二三日の参議院予算委員会で安倍首相は「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う」と発言した。

侵略の定義を定めるにあたっては、日本を含む三五カ国からなる「侵略の定義特別委員会」が設置され、一九七四年一二月の国連総会で「侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使」であると定義した総会決議三三一四が全会一致で採択された。一九七五年版外交青書によれば、「3、わが国の態度/わが国としては、全体としては、妥当な定義が作成されたと考え、国連総会においては、その採択を支持した」とある。

さらに、この総会決議をもとにした国際刑事裁判所ローマ規程検討会議において、日本からは会議の全期間を通して小松一郎政府代表(前国際法局長)が参加し、二〇一〇年六月に侵略犯罪の定義を含む、侵略犯罪に関する国際刑事裁判所のローマ規程への改正決議が採択された。これに対し、外務省は「第二次大戦以来長らく議論されてきた侵略犯罪の法典化が達成されたことは歴史的意義を有する」「画期的な合意内容と言える」と極めて肯定的な評価をしているところである。

こうした安倍首相の認識を懸念する声が国内外で高まっているなかで、安倍首相は二〇一三年五月一五日の参議院予算委員会で「村山談話についてはですね、政権としてはですね、全体として、これは受け継いでいくということでございます」と答弁した。安倍首相の答弁の真意をただしたい。

従って、以下、質問する。

一 一九九五年八月一五日における村山富市元首相の「村山内閣総理大臣談話・戦後五〇周年の終戦記念日にあたって」(以下「村山談話」)について

1 「村山談話」では「私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。」とあるが、安倍首相は同じ姿勢か。同じ姿勢であるならば、「この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げ」るために何をすべきであると考えるか。

2 「村山談話」では「現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。」とあるが、安倍首相は同じ姿勢か。同じ姿勢であるのならば、どのように誠実に対応していくのか。

3 「村山談話」では「唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなる」とあるが、安倍首相は同じ認識か。

4 「村山談話」では「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」とあるが、安倍首相は同じ認識か。

5 「村山談話」を踏襲する安倍首相自身は、一九四二年当時、日本がなんらかの侵略行為を行っていたという認識か。そうであれば、どのような侵略行為だったのかを具体的に明らかにされたい。

6 「村山談話」を踏襲する安倍首相自身は、村山談話における「侵略」の定義をどのように考えるか。それは、国連総会決議三三一四に準じるものか。

7 「国と国との関係でどちらから見るかで違う」ということであるが、安倍首相自身は、「日中戦争」は侵略行為だったという認識か。

8 「国と国との関係でどちらから見るかで違う」ということであるが、安倍首相自身は、「満州国建国」は侵略行為だったという認識か。

9 「国と国との関係でどちらから見るかで違う」ということであるが、安倍首相自身は、「太平洋戦争」は侵略行為だったという認識か。

10 「国と国との関係でどちらから見るかで違う」ということであるが、安倍首相自身は、「真珠湾攻撃」は侵略行為だったという認識か。

二 一九九三年八月四日における河野洋平元官房長官の「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」(以下「河野官房長官談話」)について

1 「河野官房長官談話」では「今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」とあるが、安倍首相は同じ認識か。

2 「河野官房長官談話」では「戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。」とあるが、安倍首相は同じ認識か。

3 「河野官房長官談話」では「本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。」とあるが、安倍首相は同じ認識か。

4 「河野官房長官談話」では「いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」とあるが、安倍首相は同じ姿勢か。

5 「河野官房長官談話」では「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明」とあるが、安倍首相は同じ姿勢か。同じ姿勢であるならば、「歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ」るために、何をすべきであると考えるか。

三 二〇〇五年八月一五日における小泉純一郎元首相の「内閣総理大臣談話」について

「内閣総理大臣談話」では「我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」とあるが、安倍首相も同じ見解か。

四 総会決議三三一四及び侵略犯罪に関する国際刑事裁判所のローマ規程への改正決議について

1 日本政府は、侵略の定義について「国際的にも定まっていない」という認識か。

2 そうであれば、総会決議三三一四については、国際的な合意に相当するものではないという認識か。

3 そうであれば、侵略犯罪に関する国際刑事裁判所のローマ規程への改正決議については、国際的な合意に相当するものではないという認識か。

五 安倍首相の歴史教科書についての「この近隣諸国条項によって、喜んでもらう、日本がこんな残虐なことをしましたよということをやることによって、諸外国からは余り指摘がなくなるということであります。また、特定の思惑を持って行動する人たちにも歓迎されるということで、そちらの方面において日本が残虐な行為をやったということを強調する分にはどんどん検定を通ってしまうという問題が出てきているのではないか」(第一四〇回国会衆議院決算委員会第二分科会、一九九七年五月二七日)という発言について

安倍首相は、教科書検定基準における「近隣諸国条項」を見直すのか。

六 東京裁判は「言わば連合国側が勝者の判断によって、その断罪がなされた」という安倍首相の認識に変わりはないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から5まで及び三について

お尋ねについては、先の答弁書(平成十八年十月十日内閣衆質一六五第二六号。以下「先の答弁書」という。)一から三までについてでお答えした認識及び対応と同じである。

一の6から10までについて

国際法上の侵略の定義については様々な議論が行われており、お尋ねについては確立された定義を含めお答えすることは困難である。

二について

お尋ねについては、先の答弁書五及び七の2についてでお答えしたとおりである。

四について

国際法上の侵略の定義については様々な議論が行われており、確立された定義があるとは承知していない。

また、御指摘の「国際的な合意に相当するもの」の意味するところが必ずしも明らかではなく、国際連合総会決議第三千三百十四号及び国際刑事裁判所に関するローマ規程(平成十九年条約第六号)に関する御指摘の改正決議が「国際的な合意」に相当するかどうかについて、一概にお答えすることは困難である。

五について

教科用図書検定基準におけるいわゆる「近隣諸国条項」の見直しについては、現時点では決まっていない。なお、当該条項は、昭和五十七年八月二十六日の内閣官房長官談話の趣旨を受け、教科用図書検定調査審議会の答申に基づき教科用図書検定基準に加えられたものであり、こうした経緯を踏まえる必要がある。

六について

極東国際軍事裁判所の裁判については、御指摘のような趣旨のものも含め、法的な諸問題に関して様々な議論があることは承知しているが、我が国は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)第十一条により、当該裁判を受諾しており、国と国との関係において、当該裁判について異議を述べる立場にはない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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