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増税と歳出減では財政再建が出来ないのではないかという疑問に関する質問主意書

衆議院 第189回 第369号お答えすることは困難 ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2015年8月6日
内閣転送 2015年8月10日
答弁書受領日
2015年8月14日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,355字/答弁 1,357字

質問本文

二〇一二年十二月に第二次安倍内閣が発足して以来日本経済はあまり成長していない。

実質成長率は二〇一三年度二.一%、二〇一四年度はマイナス〇.九%だから、平均すると年率〇.六%の成長に過ぎない。特に二〇一四年度の消費税増税後、消費者心理は冷え込み、景気回復の足取りが重くなった。デフレ脱却にも財政再建にも失敗している。国民は将来の生活への不安が増し、内閣支持率も急落している。

これに関連して質問する。

一 七月二十二日に内閣府より「中長期の経済財政に関する試算」が出された。これによると二〇二〇年度の名目長期金利は三.九%である。一方、量的・質的金融緩和により八月三日現在、マネタリーベースは三百二十二兆円、日銀当座預金残高は二百二十六兆円までに増加しており、さらに今後マネタリーベースは毎年八十兆円増やすとの事である。つまり、二〇二〇年度には数百兆円あるいはそれ以上もの資金が、ほぼゼロ金利で眠っていることになり、そのようなときに三.九%もの高金利の金融商品が出てくると、眠っている資金は一気に高金利の商品に大移動してしまう。その大移動により長期金利は下がってしまうのではないかと思われるので三.九%の長期金利はあり得ないと考えるが同意するか。

二 内閣府の発表する中長期の経済財政に関する試算は、毎回余りにも楽観的すぎて、現実離れしている。例えば、二〇〇五年に、七年後の二〇一二年度にはGDPは六百四十五.二兆円に達すると予測し、約百四十兆円の増加を予測した。しかし、実際の二〇一二年度のGDPは四百七十二.六兆円であったので、約三十三兆円減少であった。驚いたことに内閣府は毎年このように現実とは大きくかけ離れた楽観的すぎる予測をしている。このことについて試算を行っている担当者に聞くと「三%成長を目標としている政府の下で試算を出している限りこれと異なる試算は出せない」と答えている。つまり、政治的に歪められた試算であることを暴露したわけである。そういった事情を考慮すれば、この試算は単に「現実を無視した、はかない政府の夢」に過ぎないと言える。もっと現実の経済を正確に予測する試算を内閣府は国民に示すべきではないか。

三 内閣府発表の試算がことごとく外れたことに対して「リーマンショックは予測できなかった」ということが逃げ口上として使われることがある。しかし、世界経済は常に好況と不況を繰り返す。例えば現在失速しつつある中国経済により日本経済は深刻な影響が出る可能性があるのではないか。消費税で失速し、回復の遅れている日本経済はそのようなショックに耐えられるのか、このような状況で二〇一七年度の消費税再引き上げは無謀だと思わないか。

四 「輪転機をぐるぐる回してお金を刷ればよい。一万円札を刷るのに二十円しかかからない。九千九百八十円は国の収入になる。」と安倍首相はよく言っておられた。「お金を刷る」というのは比喩的な表現であり、実際は政府が国債を増発し、日銀が国債を買う事を意味する政策であると考えられる。この政策は実行されないのか。

五 デフレ経済が続く現在の日本のGDPは一九九七年度のGDPよりも少ない。経済を成長させ、国の債務の対GDP比を下げることを政府の目標にすべきではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の仮定を前提としたお尋ねにお答えすることは困難であるが、「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十七年七月二十二日経済財政諮問会議提出)においては、名目長期金利は、均衡実質金利及び期待インフレ率並びにGDPギャップなどに基づいて試算された短期金利に一定のリスクプレミアムを加えることで試算した結果、二千二十年度までに経済成長等に伴って三・九パーセント程度まで上昇する結果となっている。

二について

「中長期の経済財政に関する試算」は、政府のマクロ経済目標及び国・地方の財政健全化目標の進捗状況等を点検し、中長期的な経済と財政の姿を展望するため、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデルに基づき試算している。試算においては、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」の効果が着実に発現する「経済再生ケース」をお示しする一方で、経済が足下の潜在成長率並みで将来にわたって推移する「ベースラインケース」についてもお示ししているところである。

政府としては、中長期的に、実質GDP成長率二パーセント程度、名目GDP成長率三パーセント程度を上回る経済成長の実現を目指し、デフレ脱却と経済再生に取り組んでまいりたい。

三について

今後の日本経済については、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」(平成二十六年十二月二十七日閣議決定)を具体化する平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度予算の着実な実行や賃金上昇を定着させ投資を促進させるための環境整備の取組等により、雇用・所得環境が引き続き改善し、好循環が更に進展するとともに、交易条件も改善する中で、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる。先行きのリスクとしては、中国経済を始めとした海外景気の下振れや金融資本・商品市場の動向等に留意する必要がある。

その上で、平成二十九年四月の消費税率の十パーセントへの引上げについては、社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、市場や国際社会における我が国の信認を確保するため、経済環境を整える中で、実施することとしている。

四について

財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第五条本文においては、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない」とされており、これに抵触する日本銀行による公債の引受け等については禁じられている。ただし、日本銀行が自らの判断により、金融政策の目的で、市場で流通している国債を買い入れることは、同条に抵触するものではなく、日本銀行において、その時々の経済・物価情勢や市場動向を踏まえつつ、適切に行われるものと考えている。

五について

「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)第三章に定めた「経済・財政再生計画」に、債務残高の対GDP比を中長期的に着実に引き下げていくことを定めている。

引き続き、政府としては、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針の下、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」の三本柱の改革を一体として推進し、経済と財政双方の一体的な再生を目指してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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