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日本の財政は本当に厳しいのかという疑問に関する質問主意書

衆議院 第189回 第332号お答えすることは困難 ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2015年7月17日
内閣転送 2015年7月22日
答弁書受領日
2015年7月28日
提出から11日
答弁の項目数
6
質問 1,862字/答弁 936字

質問本文

政府は、わが国の財政状況は、国・地方の債務残高がGDP(以下債務のGDP比という)の二倍程度に膨らんでいるから極めて厳しいと考えているようである。

これに関連して質問する。

一 アメリカS&PキャピタルIQが世界七十の国・地域の財政の「破綻確率」とそれに関連したCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を発表している。国債のデフォルトリスクを意識する投資家が増えるほどCDSは増加する。発表されたデータによれば、CDSと債務のGDP比には相関は見られない。日本のCDSは四十三で債務のGDP比は二百四十六%だが、債務のGDP比が僅か三十五%の韓国のCDSは日本より高い五十三である。同様に債務のGDP比が九十%のエジプトもCDSは三百三十である。一方、債務のGDP比が百四%と比較的大きい米国でも、CDSは十六.五にすぎない。このように債務のGDP比が小さいからと言って、財政破綻の確率が低いとは言えないし、債務のGDP比が大きいからと言って、財政破綻の確率が高いとも言えないと思うが同意するか。

二 「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と財務省のホームページにかいてあるがこれは政府の見解か。

三 国債のデフォルトが考えられないのであれば、国債を増発し減税とか財政支出の拡大が可能なのではないか。

四 財政が厳しいという意味は、国がこれ以上借金をするのが難しいという意味であり、それなら貸し手は高い金利を要求するはずである。しかし、現在十年物の国債は〇.四%台と異常なほどの低金利であり、短期金利はマイナスになることさえある。マイナス金利という事は金利を払ってでも貸したい貸し手がいるということである。むしろ市場では国債の品不足が深刻化している。金融取引を正常化・円滑化するには、国は国債の品不足を解消する義務があり、政府はもっと多く国債を発行すべきではないか。こういう状況を考えると財政は厳しいどころか、たっぷり余裕があるのではないか。

五 ブルームバーグの七月七日の記事によると「国際通貨基金への債務返済が六月末に滞り事実上のデフォルトに陥ったギリシャについて甘利明経済再生相は、増税と歳出減では財政再建ができない証しだとして経済成長による税収増の重要性を示した」とのことである。これは政府見解か。

六 政府は基礎的財政収支の黒字化を達成する事を目標としている。ギリシャは緊縮財政を続け、経済を縮小させ基礎的財政収支を黒字化した。政府は日本をギリシャのようにしたいのか。

七 「プライマリーバランス目標は債務のGDP比を悪化させている」という自民党総務会長二階俊博氏の論文(二階ペーパー)の主張に同意するか。

八 政府は財政赤字が大きければ国の債務のGDP比も大きいと誤解しているのではないか。

例えば、財政赤字のGDP比が百八十八ヶ国で最悪はリビアのマイナス四十三.五五%で、債務のGDP比は三十九.三〇%、次はベネズエラで財政赤字のGDP比はマイナス十四.七七%、債務のGDP比は四十五.六二%、その次はエジプトで財政赤字のGDP比はマイナス十三.四〇%、債務のGDP比は九十.四七%に過ぎない。

このことから、財政赤字が大きければ、国の債務のGDP比は大きくなるというのは間違いだと認めるか。

九 政府は財政赤字が大きい限り、国の債務のGDP比は増え続けると誤解しているのではないか。

例えばベネズエラは大きな財政赤字が続いているのに債務のGDP比は大きな増加はない。財政赤字のGDP比の二〇一〇年から二〇一五年までの値(%)はマイナス十.三六、マイナス十一.五九、マイナス十六.四八、マイナス十四.五八、マイナス十四.七七、マイナス十九.九二であり、それに対する債務のGDP比(%)はそれぞれ三十六.三〇、四十三.三一、四十五.九七、五十五.三八、四十五.六二、三十九.六四である。つまり、財政赤字のGDP比はマイナス十%からマイナス二十%という大幅であるにもかかわらず、債務のGDP比は三十六%から五十五%の間に留まっている。

エジプトも二〇〇二年から二〇一五年の十四年間、財政赤字のGDP比は平均でマイナス十%という大幅な赤字が続いたにもかかわらず、債務のGDP比は七十%から百三%の範囲にとどまっている。ただし、二〇一五年はIMFの予測を使った。

このことから、大きな財政赤字が続いても、通常は国の債務のGDP比は増大し続けるということではないことを認めるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘のスタンダード・アンド・プアーズが発表している「クレジット・デフォルト・スワップ」については、民間企業が公表しているものであり、需給等、様々な要因によりその水準が決まるものであることから、お尋ねの「クレジット・デフォルト・スワップ」と債務残高対GDP比との関係については、政府として見解を述べることは差し控えたい。

二について

御指摘の外国格付会社宛ての財務省の意見書については、平成十四年に日本国債の格下げが行われたことに対して、より客観的な説明を求めるため、同省より外国格付会社に送付されたものである。

三及び四について

国債の新規発行額は、政府の財政需要や税収等を考慮し決定されるものであり、国債金利を含めた市場の動向によって決定されるものではない。

政府としては、国債に対する信認を確保し、国債の安定的な消化を図るため、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)第三章に定めた「経済・財政再生計画」(以下「経済・財政再生計画」という。)に沿って引き続き財政健全化の取組を着実に進めてまいりたい。

五及び六について

お尋ねの記事については、甘利内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は、経済と財政双方の一体的な再生が重要である旨の発言をしたものであり、政府としても、経済と財政双方の一体的な再生を目指しており、経済・財政再生計画に沿って「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」の三本柱の改革を一体として推進することとしている。

七について

お尋ねの論文が具体的に何を指すのか必ずしも明らかでないため、お尋ねにお答えすることは困難であるが、政府としては、国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目指し、その改善に取り組んでいるところであり、当該改善は、債務残高の増加幅の縮小に資すると考えている。

八及び九について

お尋ねの財政赤字対GDP比と債務残高対GDP比との関係については、GDPの動きなどに左右されるため、一概には言えないが、一般論としては、財政赤字の拡大は債務残高の増加につながることとなる。

政府としては、経済・財政再生計画に沿って、引き続き、経済と財政双方の一体的な再生を目指してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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