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大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りに関する質問主意書
衆議院 第189回 第447号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×2
質問本文
平成二十七年九月三日に行われた衆議院原子力問題調査特別委員会において、大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りに関する報道に関して、政府との質疑応答の機会を得たが、十分な答弁を得たとは言い難く、未だ明らかにされない問題も残された。
このような視点から、以下質問する。
一 平成二十七年九月二日、「大間原子力発電所がこれまで二〇二一年頃としていた運転開始の目標時期が一年程度先送りされる」という報道がなされたが、現時点でどのような事実関係になっているのか。政府の把握状況を具体的に示されたい。
二 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の第四十三条の三の六の第一項第二号では、設置許可の基準として、発電用原子炉を設置しようとする者には、「発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があること」と規定されている。大間原子力発電所の運転開始が先送りされることで、資金調達計画の策定時に想定していた運転計画に変化が生じる。この場合、運転開始の先送りによって建設期間がさらに長期化することで、経営計画が悪化していけば、当初の「経理的基礎」が損なわれるのではないか。政府の見解を示されたい。
三 平成二十五年六月二十日の参議院経済産業委員会において、電気事業連合会の八木誠参考人は、原子力発電所の資金調達環境の実態について、「電力各社のいわゆる経営環境というのは大変厳しい状況になっている」「原子力政策の不透明さゆえに長期的な、やはり原子力というのは長期的な投資も要りますので、そうした回収見通しに大きな懸念がある」「不透明感から金融市場の不安心理を誘発して今後の資金調達に更に悪影響を及ぼす」ことを指摘している。今次の大間原子力発電所の運転開始の先送りは、かかる事案の一つであり、電源開発株式会社の企業経営に深刻な悪影響を与え、事業者としての電源開発株式会社が大間原子力発電所の維持ができなくなるおそれはないのか。また、そのような場合、国による何らかの財政支援が必要になり、電源開発株式会社の経営の自律性を損ないかねないのではないか。政府の見解を示されたい。
四 平成二十六年六月五日の参議院経済産業委員会においても、電気事業連合会の八木誠参考人は、「現在、新たなエネルギー基本計画において原子力依存度を可能な限り低減するという方向性が示されたことで、長期的な見通しが不透明となって」おり、「長期における事業継続に関する予見性が従来よりも低下する」。このため「原子力発電の維持、運営に必要な資金の調達にも影響を及ぼしかねない」と指摘している。大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りはまさにかかる事例の一つであり、かかる不透明な見通しの中、運転開始時期すら先送りされ不透明な大間原子力発電所を設置する必要性はそもそも見出しがたいし、事業として採算を得る可能性は乏しいように思われる。これは事業者たる電源開発株式会社の経営上の問題のみならず、政府が、「大間原子力発電所計画は、平成七年八月の原子力委員会決定によって、国及び電気事業者の支援の下」「軽水炉でのMOX燃料利用計画の柔軟性を拡げるという政策的な位置付けを持つもの」(電源開発株式会社「有価証券報告書」(平成二十六年四月一日〜平成二十七年三月三十一日))としていることの妥当性を揺るがしかねないものである。国のエネルギー計画上、政府は大間原子力発電所の運転が本当に必要であると考えるのか、見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの大間原子力発電所の運転開始の目標時期については、電気事業者である電源開発株式会社(以下「電源開発」という。)が判断するものであり、政府としてお答えすることは困難であるが、電源開発が平成二十七年九月四日に公表した「大間原子力発電所の適合性審査状況を踏まえた安全強化対策工事の時期の見直し等について」において、「審査・許認可期間の想定を踏まえた安全強化対策工事の開始は平成二十八年十一月頃、終了は平成三十三年十二月頃と見込まれます。なお、運転開始時期については引続き未定です」とされていることは承知している。なお、原子力規制委員会においては、現在、大間原子力発電所について、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)及び同法の規定に基づく原子力規制委員会規則等に定める基準(以下「新規制基準」という。)に係る適合性審査を行っているところであるが、当該審査に要する期間については電源開発の申請内容や対応によるところも大きいことから、確たる見通しを述べることは困難である。
二について
お尋ねの「当初の「経理的基礎」」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、電源開発が平成二十六年十二月十六日に提出した「大間原子力発電所発電用原子炉設置変更許可申請書(発電用原子炉施設の変更)」に係る経理的基礎については、工事に要する資金の額及び調達計画により、原子炉等規制法第四十三条の三の八第二項において準用する原子炉等規制法第四十三条の三の六第一項第二号に規定する基準に適合しているかどうかについて、原子力規制委員会において、審査を行っているところである。
三について
政府としては、民間企業である電源開発の経営状況について述べる立場にないことから、お答えすることは困難である。また、御指摘の「何らかの財政支援」の意味するところが必ずしも明らかではないが、現時点において、民間企業である個別の電気事業者の経営に対する支援を検討しているという事実はない。
四について
原子力については、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)において、「燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる低炭素の準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である」としている。
また、同計画において、「我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている」としている。
したがって、全炉心でMOX燃料による発電を予定している大間原子力発電所については、エネルギー政策や核燃料サイクル政策の推進の視点から、重要な原子力発電所の一つと認識している。
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