Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第190回

米軍嘉手納基地周辺で高濃度の有機フッ素化合物(PFOS)が検出された問題に関する質問主意書

衆議院 第190回 第245号お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1

提出者
日本共産党
提出日
2016年4月11日
内閣転送 2016年4月13日
答弁書受領日
2016年4月19日
提出から8日
答弁の項目数
9
質問 2,551字/答弁 3,355字

質問本文

沖縄県企業局は二〇一六年一月十八日、米軍嘉手納基地と周辺の河川や地下水を主な水源とする北谷浄水場で、全国の浄水場と比較して高い濃度の有機フッ素化合物(以下「PFOS」)が検出されたことを明らかにした。一四年二月から一五年十一月までの間に、一リットルあたりの浄水で最大八十ナノグラム、平均三十ナノグラムのPFOSが検出されたとしている。日本国内の他の浄水場では最大三ナノグラム(一一年度厚生労働省調査)、沖縄県内の他の浄水場では最大一ナノグラムが検出されているにすぎない。嘉手納基地内の井戸群で一八七〇ナノグラム、同基地内を流れる大工廻川で一三二〇ナノグラムが検出されていることから、「発生源は嘉手納基地の可能性が高い」としている。

北谷浄水場は、北谷町、沖縄市、北中城村、中城村、宜野湾市、浦添市、那覇市の計七市町村を供給先とする県内最大規模の浄水場である。PFOSは化審法上、難分解、高蓄積、人や高次捕食動物への長期毒性のおそれから、国内での製造・輸入・使用が原則禁止される第一種特定化学物質に指定されており、県民の命と安全に関わる重大な問題である。

私は、二月二十五日の衆議院予算委員会第三分科会(以下「分科会」)で、沖縄県による基地内への立ち入り調査とPFOSの使用中止を米側に働きかけることを政府に求めたが、その後、米側からは何の対応策も示されていない。

以下、質問する。

一 在日米軍基地に関わる問題であったとしても、�@国内での使用が原則禁止されているPFOSの環境中への漏出は許されない、�A飲料水に関わる問題であり、早急な対応が必要である、�BPFOSへの対応に当たっても、日本環境管理基準(JEGS)と同様に、適用可能な米国の基準、日本の基準又は国際約束の基準のうち最も保護的なものを採用するとの基本的な考え方の下にすすめられるべきと考えるが、以上三点についての政府の基本認識を示されたい。

二 沖縄県企業局は、一月二十一日付で行った要請に対し、米側がきわめて不誠実な回答を示したことから、二月二十二日付で、再度米軍に対し、沖縄防衛局を通じて、�@PFOSの流出源を特定するために、嘉手納基地内の河川、排水路等からのサンプル採取を認めること、�APFOS含有の泡消火剤の使用の有無と使用頻度・数量を明らかにすること、�B航空機や部品等の洗浄剤など、泡消火剤以外のPFOS含有製品の使用の有無と使用している場合の廃液の処理方法を明らかにすること、�CPFOS含有の可能性のある物質が漏出した場合の対応策を明らかにすること、�D過去の泡消火剤の漏出の際に日本側への通報を行わなかった理由を明らかにすること、�E沖縄県と嘉手納基地の担当者レベルで継続的に調査・協議を行う連絡会議の設置を検討することを求めているが、米側からはいまだに回答が示されていない。ただちに回答を行うよう求めるとともに、米側の回答結果を明らかにされたい。

三 化審法上、航空機や部品等の洗浄剤や作動油へのPFOS含有製品の使用は認められているか。

四 分科会で、米側が二月十七日付の回答で「嘉手納飛行場は、水成膜泡消火薬剤といった製品については、業界の標準的な慣行に従って使用しています。」としている点をただしたところ、政府は「業界の標準的な慣行の内容については確認させていただきたいと思っています。」と答弁した。米国又は日本、国際約束のうち、いずれの基準に基づく慣行を指しているかを含めて、確認結果を示されたい。

五 分科会で、ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開で入手した資料に基づき、一五年五月二十三日に、酒に酔った米海兵隊員が嘉手納基地内の消火装置を作動させ、約四百ガロンの消火剤を噴出させ、基地外に流出させる事故を引き起こす一方、何の回収措置もとらなかった問題を取り上げたのに対し、政府は当該流出に関する米側からの通報はなく、事実関係を照会中であることを明らかにした。米側の回答結果と政府の認識、今後の対応を示されたい。

六 過去十年間に米側から通報があった嘉手納基地における泡消火剤や燃料等の漏出事案の概要(発生年月日、発生原因、漏出した品目と量、PFOSを含む含有有害物質の種類、基地外への漏出の有無、回収措置の内容、地元自治体への通報の日時と内容)を明らかにした上で、当該流出事案に対する政府の認識を示されたい。

七 一月十八日の沖縄県企業局によるPFOS検出の公表を受けた外務省としての対応を示されたい(米側に要請を行った年月日、日米双方の役職と氏名、文書の有無を含む要請手段と内容)。

八 分科会で、今回のPFOSの漏出が環境補足協定に規定する「環境に影響を及ぼす事故」に該当するかをただしたのに対し、外務大臣は「環境補足協定にあります環境に影響を及ぼす事故が現に発生した場合の立ち入り申請に当たっては、米側からの情報提供が端緒となっていると考えます。」「ただし、米側から通報がない場合であっても、日本側として環境汚染を疑う場合には、別途、既存の日米合同委員会合意に従って、米側に、調査要請あるいは立ち入り許可申請、こういったことを行うことは可能であると認識をしています。」と答弁しているが、これは、同協定がきわめて実効性を欠いた取り決めであることを示すものと言わざるを得ない。「日本側として環境汚染を疑う場合」にも、米側に調査や立ち入りを申請できる仕組みとしなかった理由と今後の政府の対応を示されたい。

九 環境問題の調査団体「The Informed-Public Project(インフォームド・パブリック・プロジェクト)」(河村雅美代表)は、沖縄防衛局が沖縄県企業局の米軍宛要請文をずさんな英訳で提出するとともに、当該英訳文を沖縄県には示さず、また、沖縄防衛局が二月二十二日付で米軍に対して提出した要請文についても沖縄県に示していなかったことを明らかにしている(一六年四月八日、九日付で沖縄タイムス、琉球新報が報道)が、これらの指摘についての事実関係(防衛局内での翻訳作業の具体的手段と担当部署・人員、チェック体制の有無を含む)と政府の認識、今後の対応を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

ペルフルオロ(オクタン−一−スルホン酸)(以下「PFOS」という。)については、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十七号。以下「化審法」という。)第二条第二項に規定する第一種特定化学物質に平成二十二年四月一日に指定され、他の物に代替することが困難である用途を除き、その使用が禁止されているところである。また、環境省においては、PFOSを、水環境を経由して人の健康や生態系に有害な影響を与えるおそれが比較的大きくない又は不明な物質であるが水環境中での検出状況や複合影響の観点から見て知見の集積が必要なものとして、公共用水域に関する要調査項目に位置付け、情報・知見の収集に努めているところである。

また、PFOSについては、世界保健機関が影響が懸念される物質に対して設定している飲料水水質ガイドライン値が設定されている物質ではなく、毒性評価が定まらないことから水質基準に関する省令(平成十五年厚生労働省令第百一号)においても、水道により供給される水が適合するものでなければならない基準が設けられている事項とはされていないが、厚生労働省においては、PFOSを、毒性評価が定まらない又は浄水中の存在量が不明な物質であるが必要な情報・知見の収集に努めることとされているものとして、要検討項目に位置付けているところである。

政府としては、我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊が、環境保護及び安全のための取組を含め、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことは当然であると考えている。

二について

平成二十八年二月二十二日付けの沖縄県から沖縄防衛局への照会事項については、これまで米側に対し早期の回答を求めてきているところであり、回答があり次第、当該回答を同県に提示する考えである。

三について

お尋ねの「航空機や部品等の洗浄剤や作動油へのPFOS含有製品の使用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、PFOSについては、化審法第二条第二項に規定する第一種特定化学物質に平成二十二年四月一日に指定され、他の物に代替することが困難である用途を除き、その使用が禁止されているところである。航空機や部品等の洗浄剤や作動油へのPFOSの使用は、当該代替することが困難である用途として認められていない。

四について

お尋ねの「業界の標準的な慣行」が指す内容については、米側に照会中であり、現時点でお答えすることは困難である。

五について

お尋ねの嘉手納飛行場における消火剤の流出事案に係る事実関係については、米側に照会中であり、政府の認識及び今後の対応について現時点で確たることを申し上げることは困難である。

六について

お尋ねの米側から通報があった嘉手納飛行場における泡消火剤や燃料等の漏出事案に関する文書は保存期間が五年であるため、平成二十一年度以前の内容をお示しすることは困難であるが、平成二十二年度から平成二十七年度までにおける年度ごとの�@発生年月日、�A発生原因、�B漏出した品目、�C漏出した量、�DPFOSを含む含有有害物質の種類、�E嘉手納飛行場外への漏出の有無、�F回収措置等の内容、�G地元自治体への通報の日時及び�H地元自治体への通報の内容をお示しすると、次のとおりである。政府としては、引き続き、米側に対して、同種事案の再発防止の徹底を求めていく考えである。

平成二十二年度

�@平成二十二年九月二十七日 �A燃料タンクのバルブが外れたため �B燃料 �C約七百八十ガロン �D不明 �E無 �F吸着及び酵素の散布 �G平成二十二年九月二十八日 �H事実関係を通報

�@平成二十三年一月二十日 �A風により飛散 �B泡消火剤 �C不明 �D不明 �E有 �F自然消滅 �G平成二十三年一月二十日 �H事実関係を通報

平成二十三年度

�@平成二十三年六月三日 �A燃料タンクのバルブの閉め忘れ �B燃料 �C約五ガロン �D不明 �E無 �F不明 �G平成二十三年六月七日 �H事実関係を通報

�@平成二十三年八月十六日 �A燃料系統の不具合 �B燃料 �C約三十から約五十ガロン �D不明 �E無 �F不明 �G平成二十三年八月十七日 �H事実関係を通報

平成二十四年度

�@平成二十四年六月十五日 �A燃料システムへの圧力過剰 �B燃料 �C約十ガロン �D不明 �E無 �F吸着 �G平成二十四年六月十五日 �H事実関係を通報

�@平成二十四年六月二十七日 �A下水管の破損 �B汚水 �C不明 �D不明 �E無 �F消毒剤の散布 �G平成二十四年六月二十八日 �H事実関係を通報

平成二十五年度

�@平成二十五年四月三日 �A不明 �B燃料 �C約二十五ガロン �D不明 �E無 �F清掃 �G平成二十五年四月四日 �H事実関係を通報

�@平成二十五年四月二十五日 �A不明 �B燃料 �C約十ガロン �D不明 �E無 �F吸着 �G平成二十五年四月二十五日 �H事実関係を通報

�@平成二十五年六月三日 �A下水管の破損 �B汚水 �C不明 �D不明 �E無 �F別の汚水ポンプによるくみ上げ �G平成二十五年六月四日 �H事実関係を通報

�@平成二十五年十一月五日 �Aフォークリフトが地下道の天井部に衝突 �B油圧オイル �C約五から約二十ガロン �D不明 �E無 �F不明 �G平成二十五年十一月五日 �H事実関係を通報

平成二十六年度

�@平成二十六年四月十九日 �A風により飛散 �B泡消火剤 �C不明 �D不明 �E有 �F自然消滅 �G平成二十六年四月二十日 �H事実関係を通報

�@平成二十六年十月七日 �A給油車の不具合 �B燃料 �C約二十五ガロン �D不明 �E無 �F吸着 �G平成二十六年十月七日 �H事実関係を通報

平成二十七年度

�@平成二十七年六月一日 �A燃料放出弁の不具合 �B燃料 �C約二百ガロン �D不明 �E無 �F吸着 �G平成二十七年六月二日 �H事実関係を通報

七について

外務省としては、沖縄防衛局の対応を踏まえ、平成二十八年二月二十六日、在京アメリカ合衆国大使館に対して早期の回答を求めたが、本件に関する米側とのやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。

八について

お尋ねの「理由」は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊に関連する環境の管理の分野における協力に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(平成二十七年外務省告示第三百五十一号)の交渉の経緯に係るものであり、これにお答えすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。なお、御指摘の「日本側として環境汚染を疑う場合」には、米側からの通報がない場合においても、昭和四十八年の環境に関する協力についての日米合同委員会合意に従って米側に調査要請や立入申請等を行うことは可能であり、個別具体の事案に即して、適切に対応してまいりたい。

九について

平成二十八年一月二十一日付けの沖縄県から沖縄防衛局への要請書の英訳については、同局企画部地方調整課の担当職員一名が作成し、同部内でしかるべくチェックを経たところであるが、英訳の一部に必ずしも適切とは言えないものがあったことを確認しており、今後、チェック体制に万全を期してまいりたい。

他方、同月二十二日、同局は嘉手納飛行場の米側担当者と面会した際、同県からの要請書及び当該英訳を提示するとともに、その内容に関し十分説明も行っていることから、当該要請書の趣旨は米側に正確に伝達されたものと認識しており、また、当該英訳については、同年四月十三日に同県から求めがあったことから、同日、同県に対して提示したところである。

さらに、同年二月二十二日付けの同局から米側への要請書については、政府としての立場を表明したものであるが、当該要請書についても同年四月十三日に同県から求めがあったことから、同日、同県に対して提示したところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2020年3月12日 赤嶺 政賢(日本共産党) 答弁 2020年3月24日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる