ことばで探す › 衆議院 第192回
円借款における延滞債権に関する質問主意書
衆議院 第192回 第161号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
先般提出した「政府の円借款などに関する質問主意書」(質問第一二七号)に対する答弁書(内閣衆質一九二第一二七号。以下「答弁書」という。)では、「延滞債権の具体的な事例については、被援助国の信用力や国際金融市場に影響を及ぼすおそれもあることから、明らかにすることは差し控えるが、円借款全体で返済期限を三年以上経過して延滞している債権額は、平成二十八年三月末時点で約六百三十八億円となっている」と示されたが、この答弁書の内容を踏まえて、以下質問する。
一 答弁書では、「延滞債権の具体的な事例については、被援助国の信用力や国際金融市場に影響を及ぼすおそれもあることから、明らかにすることは差し控える」と示されたが、円借款の原資は厳しい生活を強いられている国民の血税である。政府は国民から収税しておいて、他国の政府の「信用力」や「国際金融市場に影響」を優先するための、その使途の一部である円借款の延滞債権の具体的な事例を詳らかにしない姿勢を頑なに採っている。このような判断は納税者たる国民を軽視するもので、日本国民よりも他国の政府の利益を優先するものではないか。また政府は円借款の運用と日本国民の生活を守ることとどちらが大切だと考えているのか。国民に分かりやすい言葉で、政府がこのような判断に至った理由を明確にされたい。
二 答弁書でいう「延滞債権の具体的な事例」にかかわる遅延損害金はどの程度であるのか。政府の見解を示されたい。
三 答弁書で「円借款全体で返済期限を三年以上経過して延滞している債権額は、平成二十八年三月末時点で約六百三十八億円となっている」と示されているが、この部分にかかわる遅延損害金はどの程度か。政府の見解を示されたい。
四 右の二つの問に関連して、遅延損害金の回収はどの程度の割合で進められているのか。政府の把握しているところを具体的に示されたい。
五 被援助国に円借款を行う場合、それが延滞債権となった場合の規定はどのように決められているのか。政府の見解を示されたい。
六 被援助国に円借款を行う場合、返済期限を一定以上延滞することになった被援助国には、今後、一定期間の円借款を行わないなどの取極めが必要ではないか。被援助国の厳しい国内情勢が介在しているとしても、その原資は日本国民の血税であり、返済を督促することなく猶予することは、厳しい国民生活が続いている中、あまりにも安易な姿勢である。政府の見解を示されたい。
七 政府が延滞債権を持つ国に対して、具体的にはどのような方法で返済を督促しているのか。政府の取り組みを示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一から四までについて
先の答弁書(平成二十八年十一月十八日内閣衆質一九二第一二七号)でお答えしたとおり、円借款を含む政府開発援助(以下「ODA」という。)は、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献することを目的とし、我が国の平和と安全の維持、更なる繁栄の実現、安定性及び透明性が高く見通しがつきやすい国際環境の実現、普遍的価値に基づく国際秩序の維持・擁護といった我が国の国益の増進にも資するものである。
また、お尋ねの遅延損害金を明らかにすることは、被援助国との関係並びに被援助国の信用力及び国際金融市場に影響を及ぼすおそれもあることから、差し控えたい。
政府としては、引き続き、我が国の厳しい財政事情にも十分配慮しつつ、国内外の重要課題に適切に対応する中で、最大限外交的効果が得られる形でODAを実施し、国民の理解が得られるものとなるよう努めてまいりたい。
五について
お尋ねの「規定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、円借款に関して被援助国からの返済が滞った場合には、当該被援助国に対して遅延損害金が課されることとなっている。
六及び七について
円借款の供与に当たっては、被援助国の協力体制、債務返済能力及び運営能力並びに債権保全策等を十分検討して判断を行っており、円借款に係る延滞債権が存在する被援助国に対する新たな円借款の供与は、延滞の解消の見込みがない場合、行わないこととしている。
また、円借款に係る延滞債権が存在する被援助国に対して、政府は、当該被援助国政府との間の二国間協議や主要債権国会合であるパリクラブの枠組み等を通じて、延滞の解消を働きかけている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。