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政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問主意書
衆議院 第192回 第76号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1仮定の質問 ×2
質問本文
日銀は、長期金利を〇%程度とする金利目標を発表したのだから、もはや国債暴落は起こり得ないのではないかという質問主意書(質問第一八号)に対する答弁書(答弁第一八号、以下答弁書という)の答弁は、長期金利は日銀ではなく市場が決めるということであった。
これに関連して質問する。
一 答弁書の一及び十についてでは、国債の価格は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものと述べている。これは日銀の政策は無効であり、日銀の目標にも拘らず、金利が暴騰し国債が暴落する可能性を述べたものか。
二 例えば外資が長期国債の売りを仕掛けたとしたら、日銀は対抗して買う事ができず、金利は三十%とか五十%とかに跳ね上がるということか。日銀が買う事が出来る限界は何兆円までと考えているのか。
三 答弁書の二についてで、我が国の財政については、極めて厳しいとある。これは政府が国債を売っても、誰も買い手がつかず、財政が破たんするという意味か。しかし、財務省のホームページには「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」との記載がある。実際には長期国債までも〇%以下の金利となっており、事実上タダでいくらでも資金が調達できる状態である。それでも財政が厳しいとは、何を意味するのか。
四 答弁書の三についてで、かつて構造改革と称して様々な改革を行ってきたが、潜在成長率は上がってきていないのはなぜか。今後も同じ失敗を繰り返すつもりか。
五 答弁書の四、八及び九についてで、「経済財政モデル(二〇一〇年度版)」(平成二十二年八月内閣府公表)において公表している乗数表では、御指摘の「国債の発行を増やせば増やすほど、国の借金の対GDP比は減って行く」とのケースは示していない。となっている。しかし、この六頁の�Aには公共投資を五兆円継続的に削減した場合の乗数があり、増やす場合は符号を変えればよい。この場合、公債残高の対GDP比は一.六五%PTだけ減少するとなっている。金利固定ならもっと減る。更にこの当時より債務残高は更に増加していることから、現在はもっと減少幅は大きくなる。「長期金利は、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものである」と答弁しているが、日銀が、長期金利を〇%程度とする金利目標を発表したが、それは全く金利に影響を与えない、つまり日銀の金融政策は無効だという主張か。それでは二〇一四年に始まった大規模金融緩和で長期金利さえもマイナスになったのはどう説明するのか。
六 答弁書の七についてで、無利子・無期限の国債は価値がないと述べている。政府発行の国債の価値がないと発言してもよいのか。政府発行の貨幣も日銀発行の紙幣も無利子・無期限だから価値がないと言えば価値がないし、誰もが価値があると思えば価値がある。国債も同様である。無利子・無期限の国債も政府が価値を認め、必要ならいつでも額面で買い戻すと宣言すれば価値がある。日銀が市場に売る場合でも、何年後に一定の利子をつけて買い戻すと言って入札を行えば買い手は出るのだから通常の国債と、価値の面では何ら変わらないのではないか。
七 答弁書の十一についてで、日銀の財務の健全性に関しては日銀に丸投げをし、また日銀のイールドカーブコントロールや十年物国債の利回り〇%維持方針を否定しており、日銀は無能であると宣言しているが、日銀総裁・副総裁は、日銀法第二十三条に基づき、国会の同意を得て内閣が任命しているわけで、内閣が全く責任を負わないというのはおかしくないか。
八 本主意書冒頭で、「日銀は、長期金利を〇%程度とする金利目標を発表したのだから、もはや国債暴落は起こり得ないのではないかという質問主意書(質問第一八号)に対する答弁書(答弁第一八号、以下答弁書という)の答弁は、長期金利は日銀ではなく市場が決めるということであった。」と述べた。これに関して、答弁書の答弁は内閣の日銀に対する不信の表れであり、すなわち、黒田日銀総裁の任期が満了する平成三十年四月以降、内閣には黒田総裁を再任する意思がない事の表れであると受け止めて良いか。
九 答弁書の十三についてで行われた答弁は問題のすり替えである。アベノミクスで名目GDPが二十七兆円増加したという主張は国民を欺くものである。例えば平成二十八年五月十八日に内閣府から発表された平成二十八年一〜三月期四半期別GDP速報を見ると、平成二十七年度の名目GDP成長率は二.二%だが、そのうち外需が一.七%、内需が〇.五%となっていて、外需の大部分は原油価格の値下がりからくる。よってこの年の名目成長率の多くは原油価格の値下がりから来るのであり、アベノミクスの成果ではない。また平成二十七年十二月二十二日に内閣府から発表された「平成二十八年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」の八頁には「物価関係指数の変化率」が示されており、消費税率引上げの影響を機械的に除いたものも示してある。消費税率引上げにより税率分だけ物価が上がり、その分だけGDPが膨らむ。これは国民にとっては、迷惑な膨らみであり、アベノミクスの成果として自慢すべきものではないと考えるが同意するか。アベノミクスで名目GDPが増えたと自慢したいのなら、消費増税による迷惑なGDP増加分と原油価格の下落によって生じたGDPの増加分を除いた数字を示さなければ国民を騙したことになると思うが同意するか。当然のことながら、将来消費税率の引下げがあったり、原油価格の上昇があったりすれば、見かけ上増えているように見える部分は消えるのである。
十 答弁書の十五についてで、「我が国の財政状況については、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれる」という表現は適切でないとすでに以前の質問主意書で指摘した。二倍が三倍、四倍に増えていく事を意味しているように思えるからである。それに対して答弁書の五についてで、「先の答弁書(平成二十八年五月十三日内閣衆質一九〇第二五五号)八についてでは、累増が見込まれるのは国・地方の債務残高であることを述べたものである。」と答弁している。そうであれば、誤解が生じないような表現になぜ変えないのか。全く異なる質問に全く同じ文で答えるのは不誠実と思わないか。しかも表現が適切でないと指摘を受けた文を再度使うべきではないと考えるが同意するか。
十一 日銀は「量」で失敗し「金利」に金融政策の目標を転換したが、その長期金利の制御は不可能だと政府は主張し、また政府の経済財政諮問会議では歳出削減を検討しデフレを加速しようとしている。このことで、第一の矢も第二の矢も失敗に終わり、アベノミクスは失敗を宣言したらどうか。
十二 石原伸晃経済財政・再生相は十月五日「消費税は十%では賄いきれない。次は十二%、十四%、十五%という形で上げる事を国民に問いかけていかなければならない」と発言したが、この考えに同意するか。
十三 外国人投資家による株の売越額は六兆円を超え、一〜九月としてはこれまでの最高だった。これはアベノミクスに失望したからだと言われているが、このことをどのように考えるか。
十四 日銀は十月三十一日〜十一月一日に開く金融政策決定会合で物価見通しを下方修正しようとしている。これにより黒田日銀総裁の任期中に物価上昇率二%の目標は難しくなった。これもアベノミクスの失敗を意味しているのではないか。
十五 九月の総括的な検証の直後、日銀内から黒田日銀はレームダック(死に体)だという声がもれたが、これに同意するか。
十六 FRBのフィッシャー副議長は十月十七日のニューヨークでの講演で、先進国が低金利・低成長から脱するには「政府支出の拡大と減税による財政政策が重要だ」と指摘したが、これに同意するか。
右質問する。
政府答弁書
一、五及び八について
先の答弁書(平成二十八年十月七日内閣衆質一九二第一八号。以下「前回答弁書」という。)一及び十について及び四、八及び九についてでは、国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであるとした上で、日本銀行は、二パーセントの「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(平成二十八年九月二十一日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)を継続するとしている旨を述べたものである。したがって、お尋ねのような「日銀の政策は無効であり、日銀の目標にも拘らず、金利が暴騰し国債が暴落する可能性」や「日銀の金融政策は無効だという主張」を述べたものではなく、また、内閣の「日銀に対する不信の表れ」や「黒田総裁を再任する意思がない事の表れ」とは認識していない。
二について
「外資が長期国債の売りを仕掛けたとしたら」とのお尋ねについては、仮定の御質問であることからお答えすることは差し控えたい。「日銀が買う事が出来る限界は何兆円までと考えているのか」とのお尋ねについて、日本銀行による金融政策の具体的な手法については、同行の金融政策運営に関するものであり、同行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えるが、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に沿って、同行が適切に対応されるものと認識している。
三について
前回答弁書二についてにおいて「我が国の財政については、極めて厳しい」とお答えした趣旨は、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなどの状況にある旨を述べたものである。
四について
お尋ねの「様々な改革」の意味するところが必ずしも明らかではないが、これまで成長戦略において、様々な分野で改革を断行してきた。
例えば、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律(平成二十七年法律第六十三号)により、農業協同組合制度を抜本的に改革し、企業が農業に参入しやすくした。環太平洋パートナーシップ協定では、原署名国になった。観光では、査証緩和措置に加え、継続的な訪日プロモーション、免税店や免税対象品目の拡大等観光客誘致のための取組等を実施しており、昨年、訪日外国人観光客は、過去最高となった。加えて、電力の小売市場を全面自由化した。さらに、法人実効税率を二十パーセント台に引き下げた。
今後の潜在成長率を向上させるための焦点は、働き方改革と第四次産業革命を通じた「Society5.0」の実現である。国民生活を豊かにしながら、企業の生産性を向上させるため、必要な改革をちゅうちょなく断行してまいりたい。
六について
前回答弁書七についてでは、一般に、利子が付されておらず、かつ、元本の償還が約束されていない債券には経済的価値が認められないことを踏まえ、先の質問主意書(平成二十八年九月二十七日提出質問第一八号)七において御指摘の「コンバート」を行えば、財政運営及び通貨に対する信認を著しく損なうおそれがある旨を述べたものであるが、御指摘の国債の価値については、仮定の御質問であることから、お答えすることは差し控えたい。
七について
前回答弁書十一についてでは、日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第五条第一項において、「日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない」としており、同条第二項において、「この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない」とされていること等について述べたものである。
また、金融政策について、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、平成二十五年一月二十二日に政府及び日本銀行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」」(以下「共同声明」という。)を踏まえて、二パーセントの「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために必要な施策として決定されたものと認識している。
デフレ脱却と持続的な経済成長の実現は、政府及び同行共通の重要な政策課題であり、引き続き、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて、同行とも緊密に連携しつつ、金融政策、財政政策及び構造改革を総動員し、一体となって取り組んでいく。
九について
消費税率引上げや原油価格の変動が名目GDPに与える影響については、消費税率引上げや原油価格下落等による物価変動だけではなく、それらに伴う需要の変化や政策対応による変化等が複合的に影響し合って発生すると考えられることから、一概にお答えすることは困難である。
十について
先の答弁書(平成二十八年五月十三日内閣衆質一九〇第二五五号)八についてでは、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれることを述べたものであり、「表現が適切でない」とは考えていない。
十一及び十三について
政府としては、共同声明にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組んできたところであり、こうした安倍内閣の経済財政政策により、デフレではないという状況となり、雇用・所得環境も確実に改善していると考えている。
また、御指摘の外国人投資家の認識について政府としてお答えすることは差し控えたい。
十二について
お尋ねの発言については、石原国務大臣が政治家としての見解を述べたものであると承知しており、政府としてお答えする立場にない。
十四について
御指摘の「十月三十一日〜十一月一日に開く金融政策決定会合」で議論される内容を前提としたお尋ねについてお答えすることは差し控えたい。
「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、総括的な検証を行った上で、金融緩和強化のための新しい枠組みとして導入されたものであり、二パーセントの「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために必要な施策として決定されたものと認識している。
政府としては、共同声明にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでまいりたい。
十五について
御指摘の「日銀内から黒田日銀はレームダック(死に体)だという声がもれた」との事実を承知していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。いずれにせよ、日本銀行は、二パーセントの「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしており、平成二十八年十月十二日の衆議院予算委員会において、黒田東彦日本銀行総裁は、経済、物価及び金融情勢を踏まえ、必要な場合には追加緩和を行う旨の答弁をしているものと承知している。
十六について
安倍内閣としては、経済再生と財政健全化の両立を目指しており、成長戦略の実行等を通じて、民需主導の持続的な経済成長を実現していくとともに、財政健全化の取組を進めることとしている。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1仮定の質問 ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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