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東日本大震災六周年追悼式で総理が「原発事故」に触れなかったことに関する質問主意書
衆議院 第193回 第138号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1
質問本文
二〇一七年三月十一日に行われた政府主催の「東日本大震災六周年追悼式」における、安倍総理の式辞の中で、これまでの式辞では必ず言及されてきた「原発事故」への文言が使われなかった。
福島では、避難指示区域からの避難者数が五万七千人(二〇一六年七月十二日、原子力被災者生活支援チーム集計)おり、うち帰還困難区域からの避難者は約二万四千人いる。さらに、放射性物質の不安からふるさとへ帰還できない避難者(自主避難)を含めると、総計七万九千人(二〇一七年二月十三日現在、復興庁資料)の避難者がいる。
この現状にもかかわらず、「原発事故のために、住み慣れた土地に戻れない方々」への言及がないのは、安倍総理の、原発事故を過去のものにしたいとする姿勢の表れではないかと懸念する声もある。
本年四月より、一部を除く避難指示解除準備区域・居住制限区域の避難指示が解除されるが、見込まれる帰還率は今なお低い。また、帰還困難区域全体についての解除見通しは立っていない。このように、避難生活の長期化が深刻な問題となっている状況を、より重く受け止めるべきではないか。
福島第一原発事故後に制定された関連法(放射性物質汚染対処特別措置法、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法、福島復興再生特別措置法、東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(以下、「子ども被災者支援法」という))はいずれも、「原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任」を明記している。また、政府はこれまで復興に向けた基本姿勢として、被災地に寄り添い、福島の復興再生においては前面に立って継続して取り組むとしてきたが、先の式辞はこれと矛盾していると言わざるを得ない。福島県知事も「県民感覚として違和感を覚えた。(原発事故による被害は)過去形ではなく現在進行形だ。原発事故、原子力災害という重い言葉は欠かせない」と疑問を呈している。
以下、質問する。
問一 安倍総理が、「原発事故」の文言を使わなかった理由は何か。
問二 「原発事故」の文言を外したのはいつ、誰の判断によるものか。
問三 二〇一六年の内閣総理大臣式辞では、「被災地では、未だに、多くの方々が不自由な生活を送られています。原発事故のために、住み慣れた土地に戻れない方々も数多くおられます」と安倍総理は発言した。政府は、二〇一七年三月十一日、「原発事故のために、住み慣れた土地に戻れない方々」は存在しないという認識か。存在するという認識であれば、どれだけの方々が、福島県内、県外にそれぞれいらっしゃると把握しているか。
問四 安倍総理は式辞の中で、「福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつあることを感じます。」と述べているが、避難指示区域の避難指示解除の決定に当たっては住民の理解が百パーセント得られたとは言い難い区域もあり、また、解除後の各市町村における帰還が進んでいない現状を踏まえれば、避難指示解除が進められていることを主な理由として復興が新たな段階に入りつつあると明言することは、総理が、被災市町村それぞれの実情を直視していないことの表れではないか。
問五 安倍総理がいう復興の「新たな段階」においても、子ども被災者支援法に明記されているように、これまで原子力政策を推進してきたことに伴い国が社会的な責任を負っているという政府の基本方針は現在も変わりないか。
問六 三月十一日にあわせ毎年行われてきた総理記者会見が、本年は行われなかった。これに関し、三月十日の菅官房長官記者会見では、「記者会見を行わないことによって、被災地の復旧・復興に対しての政府の取組が後退したと受け止められないか」との質問に対し、「そこは全くないと思っている」との答えがあった。しかしながら、追悼式で「原発事故」の文言にも触れず、その上、毎年行ってきた総理記者会見も実施しなかったことに関しては、国民から政府の取組姿勢が後退していると受け止められて然るべきではないか。総理記者会見を行わなかった理由を明確に説明されたい。
問七 菅官房長官は、三月十三日の記者会見で「(原発事故の)風化はありえない」という認識を示したが、福島県知事の疑問に答え、被災者の方々の不安を払拭するためにも、昨年までくりかえされてきたように、安倍総理自らの言葉として、「原発事故」の文言を盛り込んだメッセージを出すべきと考えるがいかがか。
右質問する。
政府答弁書
問一について
東日本大震災六周年追悼式における内閣総理大臣の式辞(以下「六周年追悼式での式辞」という。)においては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(以下「原子力発電所事故」という。)に関連して「福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつあることを感じます」とし、また、原子力発電所事故を契機とした避難者を含む東日本大震災による避難者について「しかしながら、今なお十二万人の方が避難され、不自由な生活を送られています」としている。
問二について
御指摘の「「原発事故」の文言を外した」の意味するところが必ずしも明らかではないが、東日本大震災の追悼式における内閣総理大臣の式辞については、内閣総理大臣が、東日本大震災の追悼式が実施される時点における東日本大震災の被災地の状況等を踏まえて述べてきているものである。
問三について
六周年追悼式での式辞において、原子力発電所事故を契機とした避難者を含む東日本大震災による避難者について、「今なお十二万人の方が避難され」としており、お尋ねの「原発事故のために、住み慣れた土地に戻れない方々」は存在すると認識している。
政府による避難に係る指示により、避難指示区域内の地域から避難を余儀なくされている方々の人数については、内閣府原子力被災者生活支援チームが、平成二十九年二月一日時点で避難に係る指示が出ている市町村からの聞き取りを基に算出し、合計で約五万六千人であると把握しているが、この方々の福島県内及び県外のそれぞれにおける人数については把握していない。また、避難指示区域以外の地域からの避難については、それが原子力発電所事故を契機とした避難かどうかは、個人の意思を網羅的に確認することが困難であることから、お尋ねの「原発事故のために、住み慣れた土地に戻れない方々」について「どれだけの方々が、福島県内、県外にそれぞれいらっしゃる」かお答えすることは困難である。
問四について
政府による避難指示解除は、当該解除の対象となる地域における放射線量の低下、住民の日常生活に必須であるインフラや生活関連サービス等のおおむねの復旧、除染作業の十分な進捗並びに県、市町村及びその住民との十分な協議を要件としており、当該地域の実情を十分に踏まえて行っているものであり、また、当該解除は、対象となる地域から避難した者が当該地域に居住を希望する場合にこれを可能とするものであるため、「避難指示解除が進められていることを主な理由として復興が新たな段階に入りつつあると明言することは、総理が、被災市町村それぞれの実情を直視していないことの表れ」との御指摘は当たらない。
問五について
お尋ねの「政府の基本方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国は、東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(平成二十四年法律第四十八号)第三条に規定する責務を有していると認識している。
問六及び問七について
内閣総理大臣が行う記者会見については、内閣総理大臣の日程等を勘案してその実施を判断しており、御指摘の「総理記者会見を行わなかった理由」について個別にお答えすることは差し控えたいが、安倍内閣総理大臣は、問一についてでお答えしたことに加え、平成二十九年三月十日の復興推進会議(第十八回)・原子力災害対策本部会議(第四十五回)合同会合において、原子力災害からの復興・再生が東北の復興のために欠かすことができないとして、閣僚全員が全力を尽くすよう指示し、また、同月十二日の岩手県訪問においても、「福島の復興、これは震災だけでなくて原子力災害もありました。だからこそ福島の復興なくして、東北の復興はない。そして、東北の復興なくして、日本の再生はないという考え方の下に、国が前面に出て全力を尽くしていきたい」と述べたところである。
政府としては、引き続き、原子力災害被災地域の復興に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えている。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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