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テロ等準備罪における準備行為の解釈に関する質問主意書

衆議院 第193回 第212号個別の事案 ×1

提出者
民進党・無所属クラブ
提出日
2017年4月7日
内閣転送 2017年4月12日
答弁書受領日
2017年4月18日
提出から11日
答弁の項目数
1
質問 1,864字/答弁 476字

質問本文

金田法務大臣は、三月八日の衆議院法務委員会で、「テロ等準備罪は、重大な犯罪の合意が危険性や違法性を有することを前提に、それと一体となって十分な危険性や違法性がある実行準備行為が行われたときに処罰可能とするもの、このように考えている」と答弁している。

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(「本法」という。)第二条で「この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織により反復して行われるもの」と定義され、三月二十一日に閣議決定された本法改正案の第六条の二では、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する」ことが示されている。

ここでいう準備行為の解釈について疑義があるので、以下質問する。

一 二人以上のn人(nは自然数)から構成される組織的犯罪集団において、その構成員の一人が、本法改正案でいうところの「重大な犯罪の合意が危険性や違法性を有することを前提に、それと一体となって十分な危険性や違法性がある実行準備行為」を行った場合、すなわち、当該構成員が「その計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為」を行った場合、当該構成員は本法改正案に基づいて処罰されるという理解でよいか。

二 一に関連して、二人以上のn人から構成される組織的犯罪集団において、その構成員の一人が、本法改正案でいうところの「重大な犯罪の合意が危険性や違法性を有することを前提に、それと一体となって十分な危険性や違法性がある実行準備行為」を行った場合、すなわち、当該構成員が「その計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為」を行った場合、当該構成員を除くn−1人の構成員すべては、何ら準備行為を行っていなくても本法改正案に基づいて処罰されるという理解でよいか。

三 二に関連して、当該構成員を除くn−1人の構成員すべてが何ら準備行為を行っていなくても本法改正案に基づいて処罰されるということは、n−1人の構成員すべてについては、本法改正案でいうところのテロ等準備罪に関して、重大な犯罪の合意を行うだけで本法改正案に基づいて処罰されるという理解でよいか。

四 二に関連して、当該構成員を除くn−1人の構成員すべてが何ら準備行為を行っていなくても本法改正案に基づいて処罰されるということは、罪刑法定主義やn−1人の構成員の人権保護の観点からいえば、それらの者が何ら準備行為を行っていなくても、本法改正案に基づいて処罰されることとなり、旧来の共謀罪法案とあまり変わるところがないのではないか。

五 仮にnが四十とか五十などの数字になり、大きな規模を持つ組織的犯罪集団を想定すれば、一人や二人の構成員が準備行為を行ったために、当該構成員を除くn−1人あるいはn−2人の構成員すべてが何ら準備行為を行っていなくても本法改正案に基づいて処罰されるということは、組織的犯罪集団に所属するほとんどの者が何ら準備行為を行っていなくても、本法改正案に基づいて処罰されることとなり、旧来の共謀罪法案とほとんど変わるところがないのではないか。見解を示されたい。

六 近年頻繁に国際テロを引き起こしているアルカイーダは、世界数十カ国に散らばっており、反米という理念を共有する様々な組織が緩やかに連合した運動というのが実態と見られている。アルカイーダのような代表的なテロリズム集団ですら組織形態が曖昧であり、主権国家の軍隊のように組織内で命令系統が確立されているものでもない。このような現状を踏まえると、「テロリズム集団」や「組織的犯罪集団」という概念そのものが現実に即しておらず、かかる懸念のある団体が明確な命令系統を有していないものが実情である。従って、その中の一人が準備行為を行ったから、当該構成員を除くn−1人の構成員すべてが何ら準備行為を行っていなくても本法改正案に基づいて処罰されるということは、我が国のこれまでの法体系と明らかに一線を画すとともに、整合性も持たないのではないか。見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から六までについて

お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではなく、また、犯罪の成否は、法と証拠に基づき、個別具体的な事案ごとに判断されるべき事柄であるが、今国会に提出している組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第六条の二の罪による処罰の対象となるのは、同条第一項各号に掲げる罪に当たる行為で、「組織的犯罪集団」の「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」又は「組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は・・・組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるもの」の遂行を「二人以上で計画」し、「その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われた」場合であり、このような「二人以上で計画」した者以外の者は、当該「組織的犯罪集団」の構成員であっても、同条の罪による処罰の対象となるものではない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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