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国民皆保険制度を維持するための高齢者医療制度の見直しの必要性に関する質問主意書

衆議院 第196回 第234号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1

提出者
立憲民主党・市民クラブ
提出日
2018年4月18日
内閣転送 2018年4月24日
答弁書受領日
2018年4月27日
提出から9日
答弁の項目数
5
質問 1,911字/答弁 1,266字

質問本文

四月五日、新聞各紙で、全国の生協(コープ)の従業員や扶養家族約十六万四千人が加入する「日生協健康保険組合」が早ければ今年度いっぱいで解散する方向で検討していると報じられた。また十四日には、人材派遣会社の従業員と家族約五十万人が加入する「人材派遣健康保険組合」も財政悪化を理由に、早ければ今年度中に解散する方向で検討に入ったと報道されている。

こうした健康保険組合解散の最大の原因は、高齢者医療のための拠出金負担が重く、これをまかなうために毎年のように保険料が上昇しているためであることが指摘されている。

健康保険組合が解散すると、加入者は協会けんぽに移行することになる。

健康保険組合連合会(健保連)が昨年の夏にまとめた予測によると、このまま負担増が続くと、二〇二五年度までに三百八十組合が解散して協会けんぽに移る可能性があると指摘している。協会けんぽには国庫負担金が投入されており、仮に三百八十組合が協会けんぽに移れば、国庫負担は一八〇〇億円増加すると試算されている。

国民皆保険そのものに重大な影響を与えかねない急速な変化が起きており、このまま放置すれば深刻な結果を招きかねない。よって以下の通り質問する。

一 日生協健康保険組合や人材派遣健康保険組合のような、解散の動きや今後の解散発生の可能性について、政府はどう考えるか。

二 協会けんぽに対する国庫補助は、平成二十二年度に十六・四パーセントに引き上げられており、協会けんぽの財政安定化に大きく寄与しているが、このことが健康保険組合の財政運営に与える影響についてどのように考えるか。

三 健康保険組合の解散、協会けんぽへの移行による国の財政への影響はどの程度だと考えるか。

四 国民皆保険制度を維持するためにも、高齢者医療制度の見直しによる被用者保険の拠出金負担の軽減や健康保険組合への財政支援策の強化など、財政安定化のための対策が必要ではないか。

五 高齢者医療への過重な拠出金を負担している現役世代の負担はすでに限界に達している。団塊世代が後期高齢者に移行する二〇二五年度を見据えれば、現行の高齢者医療制度の見直しは避けて通れないのではないか。国民皆保険制度の維持、現役世代の負担軽減の観点から、抜本的な改革が必要ではないか。

六 政府の「経済・財政再生計画改革工程表」では、平成三十年度中に結論を出すべき医療保険分野の改革項目として、�@後期高齢者の窓口負担のあり方、�A外来時の定額負担、�B薬剤自己負担、�C金融資産を考慮した負担のあり方等が挙げられている。このうち、後期高齢者は給付に比べ負担が極端に軽い。高齢者にも応分の負担を求めるべきではないか(例えば、原則一割負担とされている七十五歳以上の患者負担割合の見直し)。現役世代の拠出金負担軽減、将来世代のための見直しが必要ではないか。

七 健保連の推計によれば、団塊世代が後期高齢者となる二〇二五年度には国民医療費は五七・八兆円に達する見込みで、このうち後期高齢者医療費は二五・四兆円と四割以上を占める。これに伴い、健保組合の高齢者医療への拠出金の額も大幅に増加し、八百七十組合という半数以上の組合において、拠出金が法定給付費を上回るという異常な状況に陥る。また健康保険料率も上昇(二〇一五年度九・一パーセントが二〇二五年度十一・八パーセント)し、二〇二五年度には三百八十組合が協会けんぽの料率を超え、解散を検討せざるを得なくなる。健保組合の財政危機に対して、対応が必要ではないか。

八 たとえば、消費税等の配分を見直して高齢者医療に財源を分配し、健保組合の過重な拠出金負担に対し上限を設定するなどして負担を軽減してはどうか。平成二十七年の通常国会で、塩崎前厚生労働大臣は、「二十九年度において、全ての健保組合の義務的支出に占める拠出金の割合を仮に五十パーセントにするには約六四〇億円が必要と推計される」旨答弁した。後期高齢者支援金の全面総報酬割制度導入に伴う健保組合への追加支援である約七〇〇億円の範囲内だということだったが、今後の健保組合への財政的支援についてはどのように考えているか。仮に、拠出金の割合を五十パーセントにするためには、今後どの程度の額が必要になるのか。

九 平成二十九年度から導入された「特別負担調整」という仕組みでは、拠出金負担の重い上位の保険者の負担軽減に一〇〇億円を充てるとされてきたが、「一〇〇億円」が固定されているため、拠出金が増加するなかでは軽減効果が不十分となる。財政規模の拡大、または対象範囲を優先して財政規模を定めるなどの見直しが必要ではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

健康保険組合(以下「組合」という。)は、労使の協調に基づく自主的な運営がされており、その解散については、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二十六条第一項の規定により、組合会の議決等によることとされている。

政府としては、組合の予算や決算に基づく財政状況の把握や組合に対する実地監査等を通じ、組合の状況の把握に努めてまいりたい。

二について

全国健康保険協会(以下「協会」という。)に対しては、基本的には、その保険給付費等の十六・四パーセント分の国庫補助が行われている。このことが組合の財政に直接影響を与えるものではないが、協会は、組合が解散する場合においては当該組合の権利義務を承継することとなっており、当該国庫補助により協会の安定的な運営の確保を図ることは、協会の被用者保険のセーフティネットとしての役割・機能を安定的に確保するものであると認識している。

三について

協会に対しては二についてで述べたとおりの国庫補助が行われているため、解散した組合の権利義務を協会が承継した場合、協会に対する国庫補助額は、基本的には、当該組合の保険給付費等の十六・四パーセント相当額増加することとなる。

四から八までについて

「経済・財政再生計画改革工程表二〇一六改定版」(平成二十八年十二月二十一日経済財政諮問会議提出)において、平成三十年度末までに「医療保険における後期高齢者の窓口負担の在り方について、七十歳から七十四歳の窓口負担の段階的な引上げの実施状況等も踏まえつつ、関係審議会等において検討し、結論」とされていること等から、医療保険における後期高齢者の窓口負担の在り方を含めた高齢者医療制度については、社会保障審議会医療保険部会等において、医療保険制度の持続可能性等の観点から、高齢者を取り巻く環境等を踏まえた検討を行っている。

また、個々の組合の財政状況が悪化する要因には、後期高齢者支援金等の拠出金の負担のみならず、母体となる事業所の経営状況の影響による保険料収入の減少や医療費の増加など様々なものが考えられることから、健康保険法第二十八条第一項の規定による指定を受けた組合等に対して、その財政状況が悪化した要因を踏まえた財政の健全化や予算の適正な作成についての助言・指導を行うこと等により、財政の健全化を図っているところであり、引き続きこうした取組等を通じて、組合の財政運営の支援を行ってまいりたい。

なお、「仮に・・・今後どの程度の額が必要になるのか」とのお尋ねについては、医療費、拠出金等の今後の推移には様々な要因が影響すると考えられることから、一概にお答えすることは困難である。

九について

お尋ねの「財政規模の拡大、または対象範囲を優先して財政規模を定める」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「特別負担調整」による保険者の負担軽減額の総額については、「医療保険制度改革骨子」(平成二十七年一月十三日社会保障制度改革推進本部決定)を踏まえ、各年度の予算編成において決定しているものである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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