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原子力発電における環境負荷に関する質問主意書
衆議院 第196回 第360号趣旨が明らかではない ×3
質問本文
東日本大震災を端緒に、国民の多くは脱原発を求めている。海外に目を転じても、ドイツやイタリア、ベルギー、スイス、韓国、台湾など、脱原発に舵を切っている国も枚挙にいとまがない。こうした流れと連関して、世界的にも再生可能エネルギーの重要性がますます高まっていることに間違いはない。
我が国に於いても、世論は強い脱原発への支持があり、共同通信一月十五日の調査によれば、原発の即時停止に賛成が四十九%、反対が四十二%。朝日新聞二月二十日では、原発再稼働に反対六十一%、賛成二十七%となっている。また二月二十四日の日本世論調査会によれば、「段階的に減らして将来的にゼロ」が六十四%、十一%が「いますぐゼロ」と答え七十五%が原発のない社会を求めている。
これら世界の潮流や、日本の実態を鑑みるとき、原発ゼロ、自然エネルギーの全面展開に大きく舵を切るべき時が来ていると認識するが、一方で、原子力発電こそ、クリーンエネルギーであるとの指摘がある。核反応による熱エネルギーを元にした発電時にはCO2を出さないものの、総体として見るとき、果たして実態はどうであるのか。以下質問する。
一 原発は発電時にCO2を出さずとも、発電するためのインフラが必要である。コンクリートや鋼鉄の巨大な塊の原発を建設する際や、燃料のウランの採掘・製錬・濃縮・加工の工程ごとに多くの資材や、化石燃料エネルギーを使い、膨大なCO2を出している。
具体的に、原子力発電所を建設する時に必要となる資材の製造や、建設時に消費されるエネルギーを生み出すために排出されるCO2はどう計算されるのか。その根拠と数量を明らかにされたい。
同じように、ウランの採掘、製錬、濃縮、加工、運搬において必要となる資材やそれぞれの工程に対して必要となるエネルギーを生み出すためには、どれくらいのCO2排出量となるのか。その根拠と数量を明らかにされたい。
二 また使用済み核燃料の処理、原発の保守点検、放射性物質管理や、停止中の原発であっても核燃料の冷却、維持・管理のために、大量の電力を消費しCO2を放出していると認識するが、これらのCO2排出量はどう把握しているのか。その根拠と数量を明らかにされたい。
三 原子炉内で発生した熱のうち、電気に変えられるのはおよそ三分の一で、残りの三分の二は海に捨てられる。原発は一秒当たりおよそ七十トンの海水を汲み上げ、その温度を七度上げて海に戻し、地球温暖化を直接促進している、との指摘がある。この指摘について政府はどう認識しているのか。さらにそのことが環境にどう負荷をかけることになるのか。見解を明らかにされたい。
四 トータルで見るとき、原子力発電は、クリーンエネルギーと言えるのか、政府の見解を明らかにされたい。仮に福島のような事故が起こった場合、環境への負荷は人智を超えることは言うに及ばず、平常時においてさえ、原子力発電のライフサイクルで大きな環境負荷となる、という面から、一刻も早く全ての原発廃炉を実現し、環境汚染を回避し、自然エネルギーによって必要な電源を確保し、同時に温室効果ガスの排出を抑止するという取り組みを、他国の事例も参考に実行するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねの「原子力発電所を建設する時に必要となる資材の製造や、建設時に消費されるエネルギーを生み出すために排出されるCO2」、「ウランの採掘、製錬、濃縮、加工、運搬において必要となる資材やそれぞれの工程に対して必要となるエネルギー」及び「これらのCO2排出量」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力発電のライフサイクルにおける温室効果ガスの排出量については、例えば、原子力委員会の「原子力利用に関する基本的考え方」(平成二十九年七月二十日原子力委員会決定)において「原子力発電は、既に利用可能な技術の中では、低炭素かつ運転コストが低廉なベースロード電源であり、長期間安定的な原子力発電の利用を確保することが、温室効果ガス削減のみならず国民生活や経済面及び、安定供給面でも必要である」と記載されており、また、その参考資料において、電源ごとのライフサイクルにおける温室効果ガス排出量の分析が引用されており、当該資料には、「ライフサイクルベースで原子力発電は二酸化炭素排出量が少ない」と記載されていると承知している。
三について
御指摘の「地球温暖化を直接促進している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、地球温暖化とは、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第一項に規定されているとおり、「人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表、大気及び海水の温度が追加的に上昇する現象」をいうと認識している。
四について
お尋ねの「クリーンエネルギー」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、原子力発電について、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)に記載されているとおり、「燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる低炭素の準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である」と認識しており、また、同計画に記載されているとおり、「いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める」という方針である。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。