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賃貸住宅の居住者への支援のあり方に関する質問主意書
衆議院 第198回 第175号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2
質問本文
戦後の我が国では、住宅政策として公営住宅の建設や日本住宅公団(現都市再生機構)による住宅供給がなされてきた。また個人の住宅取得に対しては、住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)による融資、又は住宅取得にかかる資金を民間金融機関から借り入れた際の住宅ローン減税制度が行われてきたと承知している。
持家取得の促進に対する支援は、税制も含め手厚いものとなっている。例えば、住宅ローン減税制度の政策目的は、「個人の資産形成に対する援助」及び「一般的な普通の方がローンを組んで持家を取得するというところをアシストする」(第百七十一回国会・衆議院財務金融委員会・平成二十一年二月二十六日)ことにあるとされ、ここには借り入れを行い持家取得する経済的なリスクに対するサポートの意図があるとも考えられる。
賃貸居住者に対しては、主に低所得者や高齢者等に向けたものが中心であり、歳出による補助等が国や自治体で行われている。その必要性は理解できる一方で、持家取得の場合には見られるような中間層の賃貸居住者への歳出又は税制の支援が存在しない。例えば持家を希望しているが、購入するまでの間賃貸住宅に入る者や、そもそも賃貸を積極的に選択している者は、都市部を中心に多くみられる(三大都市圏における借家割合=約三十八%(出典・平成二十五年住宅・土地統計調査))。特にミニバブルの様相もある三大都市圏を中心とする地価高騰により購入を諦めている者も少なくないなかで、賃貸住宅支援の必要性が高まっていると考えられる。
現代において、人々のライフスタイルは多様化しており、必ず持家を取得するのではなく、賃貸住宅に住み続ける選択をする人々もあると考えられる。購入又は賃貸の選択の違いによって、住宅に関して国の政策支援に差がある事は説明が困難になってきている。
今後は、少子化により親から受け継ぐ不動産を一人で相続することも考えられる。若い世代のなかには一カ所に定住せず様々な場所に住みたいと希望する者が増加することも考えられるため、今後も購入以外の住宅の選択肢が増えていくことが予想される。
以上の問題意識の下、賃貸住宅の居住者への支援のあり方について、以下質問する。
一 賃貸住宅の居住者に対する家賃補助等の歳出による負担軽減策について、低所得者や高齢者等に限らず、広く一般の賃貸住宅居住者に普及させる必要性について政府はどのように考えているのか。見解を問う。
二 持家取得に対しては、住宅ローン減税制度による税制上の支援が講じられている一方で、賃貸住宅の居住者に対しては税制面の支援がない理由は何か。持家取得のためローンを借りた者には税額控除があり、資産を保有せず家賃を支払い続けた者には税制上の支援はないが、経済的リスクという観点からは住宅ローンのリスクはなくても家賃を負担し続けるリスクはあり、両者ともに区別なく支援の対象とするべきではないか。見解を求める。
三 例えば、賃貸住宅の家賃を個人事業主の家事を除く部分と同様の「経費」と見なせば、所得控除の対象にすることができるのではないか。その実現可能性とできないとする際の問題点等について政府としてどのように考えているのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「負担軽減」に資する施策については、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第十四条の規定に基づく住宅扶助が行われているほか、地方公共団体が建設等を行った公営住宅の家賃について、国から地方公共団体に対して、公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第十七条第一項の規定に基づく補助が行われている。また、独立行政法人都市再生機構が高齢者世帯及び子育て世帯向けの地域優良賃貸住宅において家賃を減額する場合に、その減額に要する費用について、国から同機構に対して、「地域優良賃貸住宅整備事業等補助要領」(平成十九年三月二十八日付け国住備第百六十二号国土交通省住宅局長通知)に基づく補助が行われているほか、地方公共団体が住宅確保要配慮者専用賃貸住宅の家賃の低廉化を行う者に対して補助を行う場合に、その低廉化に要する費用について、国から地方公共団体に対して、「公的賃貸住宅家賃対策調整補助金交付要綱」(平成十八年三月二十七日付け国住備第百三十二号国土交通省住宅局長通知)に基づく補助等が行われているところである。
その上で、お尋ねの「広く一般の賃貸住宅居住者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、賃貸住宅の賃借人に対する一般的な家賃補助については、財政負担の際限ない増大や家賃の上昇を招く懸念があること、適正な運営のための大規模な事務処理体制が必要になること等を踏まえ、慎重な検討が必要であると考えている。
二について
居住用家屋の取得等をする者については、住宅借入金等の返済に係る負担を軽減し、その取得等を支援する観点から、住宅ローン減税制度(租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四十一条第一項に規定する住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除をいう。)が講じられている一方、賃貸住宅の賃借人については、一についてで述べたような予算上の支援措置が講じられているほか、社会政策的な配慮から、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第六条第一項及び別表第一第十三号において、住宅の貸付けに係る消費税は非課税とされており、居住用家屋の取得等をする者及び賃貸住宅の賃借人のそれぞれに必要な支援措置が講じられているものと考えている。
三について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)上、賃貸住宅の賃借人が支払った家賃のうち、事業所得等の総収入金額を得るために直接に要した費用等として認められないものについては任意の家計支出であり、稼得された所得に負担を求める所得税の性格から、御指摘のように「経費」とみなすことは困難である。その上で、賃貸住宅の賃借人が支払った家賃の金額を総所得金額等から控除する措置を講ずることについては、所得税の額がない又は僅少である者に十分に効果が及ばないことや、適正な運営のための事務処理体制の整備が必要になることといった課題があるほか、賃貸住宅の賃借人については、一についてで述べたような予算上の支援措置や二についてで述べたような消費税法上の措置が講じられており、更なる措置を講ずることの必要性について慎重な検討が必要と考えられる。
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