ことばで探す › 衆議院 第141回
住宅金融公庫融資物件における冷暖房設備協力金の徴収に関する質問主意書
衆議院 第141回 第3号個別の事案 ×1
質問本文
住宅金融公庫は、賃貸不動産経営者への公的融資機関として、国民大衆への健康で文化的な住宅の提供に貢献してきた。
この住宅金融公庫の適正化のため、住宅金融公庫法及び同法施行規則が定められております。また、住宅金融公庫融資物件においては、賃貸条件が公庫法により具体的に定められております。その趣旨として
�@ 公庫の貸付けに係る賃貸住宅について賃貸人は、毎月、その月又は翌月分の家賃を受領すること、及び賃貸人が受領する敷金は家賃の三箇月分を超えてはならない。
�A 賃貸人は、家賃と敷金の外、賃借人から権利金、謝金等の金品を受領してはならない。
�B 賃貸人は、その他賃借人の不当な負担となることを賃貸の条件としてはならない。
とある。
ところで、昭和五六年ころから、関西地方の一部の不動産業者から、法及び規則では物品使用料の徴収が禁じられていないことを根拠に、冷暖房機を当該不動産に設置し、賃借人から「冷暖房設備協力負担金」名目で入居時及び契約更新時に金員を徴収する方法を生み出し、関西地方の住宅金融公庫融資物件では概ね十二万円ないし二十四万円程度の額の設備協力金の徴収が広く行われている。
賃貸不動産によっては、設備協力金が家賃の二箇月分に相当したり、設置された冷暖房機の購入代金より高額となるなど、賃借人に過度の負担を課さないように設けられた法や規則の規制が、有名無実化している例もあるが、入居者の殆どは、住宅金融公庫融資物件に対する法及び規則の規制を知らないため、仲介業者に言われるまま安易に設備協力金の支払を承諾してしまい、後に設備協力金の支払をめぐり、賃貸人と賃借人との間で民事裁判に発展する例もあります。
そこで住宅金融公庫は、平成八年四月、設備協力金の徴収に関して次の規制をした。
(1) 借入入居者から「冷暖房設備使用料その他名目のいかんを問わず、家賃、敷金以外の入居者の不当な負担となる金員を徴収又は預かることはしない」旨の念書の徴収
(2) 借入申込者に対する「冷暖房機使用料」の徴収方法(一括前払いの禁止)、使用料額基準(冷暖房機購入額に〇・〇一八〇七三を乗じた額)等についての注意事項の配布
しかし、(1)は平成八年五月以降に借入れ申込みを受理した者、(2)は平成七年以前に借入れ申込みを受理した者で平成八年四月以降に賃貸計画を届け出た者が対象とされており、平成八年四月以前の設備協力金については、依然として曖昧な扱いがなされている。
この住宅金融公庫の規制に対して、不動産業者側は、長年許容しておきながら急に規制を設けたことや設備協力金の算定方法に不満を示している。また、入居者側は、公的融資機関である住宅金融公庫が、脱法的とも考えられる曖昧な金員の徴収を事実上許容してきたこと、従前の設備協力金については相変わらず曖昧な態度に終始していることに強い不信の念を抱いている。
住宅金融公庫融資物件における冷暖房設備協力金の徴収についての対策は緊急を要すると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 冷暖房設備協力負担金の徴収の適法性について
1 住宅金融公庫が不動産業者に配布している設備協力金の基準額についての書面は、住宅金融公庫の正式な指導文書か。
2 住宅金融公庫の基準を超える設備協力金の徴収は違法という趣旨か。
3 住宅金融公庫の基準を超えた設備協力金の徴収をした家主や不動産業者に対して、どのような対応がなされるか。
二 住宅金融公庫における取扱の差異について
1 平成七年度以前に借入れ申込みを受理した者については、住宅金融公庫の基準を超える設備協力金の徴収がなされても適法と考えるのか。
2 平成七年度以前に借入れ申込みを受理した者と、それ以外の者との間で、設備協力金の徴収限度額に差異を認める根拠はどこにあるのか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
住宅金融公庫(以下「公庫」という。)は、住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号。以下「法」という。)第十七条第一項第三号の貸付けに係る賃貸住宅で平成八年四月一日前に貸付けの申込みが受理されたものについては、冷暖房機の設置費用を貸付けの対象としておらず、また、当該貸付けを受けた賃貸人(以下「賃貸人」という。)が設置した冷暖房機の使用料は法第三十五条第二項に規定する「住宅の建設に必要な費用、利息、修繕費、管理事務費、損害保険料、地代に相当する額、公課その他必要な費用を参酌して主務大臣が定める額」(以下「限度家賃」という。)の構成要素には含まれず本来家賃に含めるべきではないものとしていたが、家賃とは別に当該使用料を徴収することは、法によって当然には禁止されていないとしていたものと承知している。
しかしながら、冷暖房機使用料の名目で賃貸人によって徴収される金員が機器の使用料の範囲を超えると認められる場合には、当該金員の徴収は、法第三十五条第一項及び住宅金融公庫法施行規則(昭和二十九年大蔵省・建設省令第一号。以下「規則」という。)第十条の規定によって禁止された権利金の受領等(以下「権利金の受領等」という。)に該当するおそれがあることから、公庫においては、貸付けを受けた者に対し、当該使用料の額、徴収方法等について指導を行ってきたものと承知している。
御指摘の「書面」は、平成八年四月一日前に貸付けの申込みが受理され、同日以後に賃貸計画の届出がされた賃貸住宅について、賃貸人が冷暖房機使用料を徴収しようとする場合に、当該使用料の徴収が権利金の受領等に当たることとならないよう、徴収する額の目安を示すために、住宅金融公庫大阪支店が作成した文書であると承知している。
なお、公庫は、冷暖房機が入居者の生活のための必需品となり、住宅の一部となったとの認識から、平成八年四月一日以後に貸付けの申込みを受理した賃貸住宅については、冷暖房機の設置費用を貸付けの対象とするとともに、賃貸人が設置した冷暖房機の使用料を限度家賃の構成要素に含まれるものとした。その結果、冷暖房機の設置費用が貸付けの対象となる住宅の建設費に含まれている場合においては、当該冷暖房機の使用料は本来家賃に含めるべきものとなったところである。
一の2及び3について
平成八年四月に住宅金融公庫大阪支店が作成した「冷暖房機使用料の徴収について」(以下「指導文書」という。)記�Cに定める冷暖房機使用料の算出方法は、賃貸人による冷暖房機の使用料の徴収が権利金の受領等に当たることとならないよう、徴収する額の目安を示すために定められたものと承知しており、これにより算出された額を超える金員の徴収が行われた場合においてその行為が違法であるか否かについては、あくまでも法第三十五条第一項及び規則第十条の規定に照らし個別の事案ごとに判断されるべき問題であると考えている。
法第三十五条第一項の規定に違反した者に対しては、公庫は法第二十一条の四第三項の規定に基づいて繰上償還を請求することができるほか、法第四十六条の罰則が適用される。
二について
いわゆる冷暖房設備協力金の取扱いに関する経緯については、一の1についてにおいて述べたとおりであり、平成八年四月一日前に貸付けの申込みが受理された賃貸住宅について家賃とは別に冷暖房機の使用料を徴収することは法によって当然には禁止されていないものと考えられるが、当該使用料の徴収が権利金の受領等に当たることのないよう、公庫は、当該使用料の額、徴収方法等について賃貸人を指導してきたところであると承知している。
なお、指導文書は、平成八年四月一日前に貸付けの申込みが受理され、同日以後に賃貸計画の届出がされた賃貸住宅を対象としたものであるが、建設省は、同日前に賃貸計画の届出を行った賃貸人に対しても同様の指導を行うよう公庫を指導したところであり、これを受けて、公庫は、当該賃貸人に対して近日中に指導文書と同趣旨の通知を行う予定であると承知している。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。