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カジノによる経済効果の疑問に関する質問主意書
衆議院 第200回 第161号お答えすることは困難 ×1
質問本文
安倍晋三首相は、カジノを含む統合型リゾート(IR)について「成長戦略の目玉になると思う」「日本全体の経済成長につながっていく観光先進国という新たな国づくりのために、政府一丸となって全力で日本型IRを実現していきたいと思います。」などと述べられており、政府はIRを成長戦略の柱の一つとして掲げている。
しかしながら政府からの発信では経済効果について民間調査の都合のよい数字だけが述べられているのみであり、負の経済効果には全く触れられていない。
二〇一九年九月十七日に神奈川新聞が報じた世論調査によれば、カジノに賛成する理由の三十二・八四%は「経済効果が期待できるから」と答えているが、これは残念ながら実態とイメージが乖離している現状があると考える。
米国ではカジノの経済的影響について主に以下のような考察がなされている。
�@地域外からのカジノ客獲得によるギャンブル消費やその他宿泊・飲食等の消費による「目的地効果」(デスティネーション効果)、�A地域外のカジノを利用していた住民が地域内のカジノを利用することによる所得流出の阻止による「再獲得効果」(リキャプチャー効果)、�B地域内の住民のカジノ支出の増大の結果、地域内の他の経済活動や消費に対する支出が減少することによる「代替効果」(サブスティテューション効果)が指摘されている。
政府や横浜市など推進派から示されている資料を見ると主に「目的地効果」(デスティネーション効果)の部分の記載のみが示されており、例えば「代替効果」(サブスティテューション効果)により発生する共食い(カニバリゼーション)等のカジノによる負の経済的影響には触れられておらず、調査すらされていない現状がある。
特定複合観光施設区域整備推進会議における配布資料「諸外国におけるIRについて」で示された「IRに係る経済効果」でも都合のよいことばかりが羅列をされており、負の側面には全く触れられていないと考えるので、これらに関連して、以下質問する。
一 「諸外国におけるIRについて」で示された「IRに係る経済効果」における「建設による経済効果」により、利益を享受する者は、IRを建設するための土地造成・施設建設事業に係る一部の業者と考えるが如何か。建設による経済効果の利益を享受すると想定される者の詳細を示された上で、見解をご説明頂きたい。
二 「諸外国におけるIRについて」で示された「IRに係る経済効果」の諸外国の例で、IRの運営を通じ経済効果(雇用・消費等)が社会に波及していると記載されており、「シンガポールでは、経済情勢等の要因もあり得るが、IR開業後四年で、国全体の観光客数が六割、観光収入が九割増加。」と記載されている。
その一方で、米国のニューハンプシャー州では、カニバリゼーション(共食い)の規模について様々な推計が行われている。
その結果、カジノ収益の七十%近いカニバリゼーション(共食い)が発生し、地元の消費が落ち込み小売業や飲食店が淘汰され、カジノが創出する雇用増の七十%に相当する失業者が生まれる地域が存在すると推計しているが、政府は、日本のカジノ誘致におけるカニバリゼーション(共食い)についてどのような考察をされているのか、所見を伺いたい。
三 特定の経済圏にカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致した場合、地域外からのカジノ客獲得によるギャンブル消費やその他宿泊・飲食等の消費による「目的地効果」(デスティネーション効果)の利益を享受できるのは、主にIRを運営する事業者であり、その際に発生する需要、雇用、税収の増加は、カニバリゼーション(共食い)による経済圏内での消費行為における所得(購買力)の移転によるものであり、周辺地域の需要、雇用を奪い、税収を減少させるなど地域経済や周辺地域を犠牲にするものであると考えるが如何か。政府の見解を伺いたい。
四 外国資本が経営権を獲得し、日本型IR事業をコントロールした場合、日本の金融資産が海外に流出してしまうと考えるが、外資規制を行っていない理由は何か。政府の所見を伺いたい。
五 カジノは、ギャンブル、賭博に負けて不幸になる人がいて、初めて成り立つビジネスモデルである。
新しい価値を生み出すわけでもなく、不幸な人を生み出した上での一部の人の成功は健全な成長戦略とは言えないと考えるが如何か。政府の見解を伺いたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「建設による経済効果」については、御指摘の「土地造成・施設建設」に係る投資に加え、建設工事に係る資材の製造、運搬、これらの事業に従事する労働者の賃金等の様々な分野で生ずる経済効果を想定しているところである。
二について
御指摘の「カニバリゼーション(共食い)」の有無や程度をどのように考えるかについては、特定複合観光施設(特定複合観光施設区域整備法(平成三十年法律第八十号。以下「法」という。)第二条第一項に規定する特定複合観光施設をいう。以下同じ。)の設置場所、施設内容等に左右されるものであり、これらが明らかではないことから、お答えすることは困難である。いずれにせよ、国土交通大臣は、法に基づき、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現への寄与、経済的社会的効果、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除等の観点で優れた区域整備計画(法第九条第一項に規定する区域整備計画をいう。)を認定することとしている。
三について
我が国における特定複合観光施設区域(法第二条第二項に規定する特定複合観光施設区域をいう。以下同じ。)の整備は、我が国における国際会議等の開催を増加させ、国際会議等に伴う観光その他の交流の機会を充実させるとともに、我が国の魅力を発信することにより国内外からの観光旅客の来訪を増加させ、国内における各地域への観光旅行を促進することを目指すものであり、「地域経済や周辺地域を犠牲にするもの」との御指摘は当たらないものと考えている。
四について
認定設置運営事業者等(法第十条第二項に規定する認定設置運営事業者等をいう。以下同じ。)は、法第十五条第三項の規定に基づき、カジノ事業の収益を特定複合観光施設の整備等の事業内容の向上及び認定都道府県等(法第十条第二項に規定する認定都道府県等をいう。以下同じ。)が実施する認定区域整備計画(法第二条第二項に規定する認定区域整備計画をいう。以下同じ。)に関する施策への協力に充てるよう努めることとされており、その実施状況については、法第三十七条第一項の規定に基づき国土交通大臣が毎年度評価し、認定都道府県等及び認定設置運営事業者等は、その評価の結果を認定区域整備計画等に係る業務運営の改善に適切に反映していくこととされている。こうした制度により、カジノ事業の収益は確実に社会に還元されることから、「日本の金融資産が海外に流出してしまう」との御指摘は当たらないものと考えている。
五について
我が国における特定複合観光施設区域の整備は、カジノ施設のみならず、国際会議場施設、展示施設、レクリエーション施設等が一体的に運営される統合型リゾートを整備することにより、観光先進国の実現を後押しするものと考えており、「健全な成長戦略とは言えない」との御指摘は当たらないものと考えている。なお、カジノ施設は、既に約百三十の国や地域で設置されているものと承知している。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。